インタビュー

今回の現場に関してどのような印象をお持ちですか?
連続ドラマの経験が多いわけではないんですけれど、この作品は連続ドラマというよりも、映画を撮っているような印象があります。それは、撮影で使用している機材だったり、スタッフさんも映画界の方が多いということもあるんですけど。
物語自体も、そういう印象があります。
壮大ですからね(笑)。
改めて、古沢良太さんの脚本を読んでの印象をお願いします。
「これは、本当にドラマで出来るのかな?」と思うくらい壮大なお話で、読んでいるだけで面白かったです。とにかく、類を見ないくらいのスケールで描かれているお話で。それがこのドラマの強みだなとも感じました。何せ、大金をだまし取る、というお話ですからね。
長澤まさみさん演じる『ダー子』、小日向文世さん演じる『リチャード』と行動をともにするコンフィデンスマン<=信用詐欺師>の『ボクちゃん』を演じるにあたって、特に意識された点は?
ツッコミが凄く多いので、一番視聴者のみなさんの目線に近いキャラクターなのかな、と思ったんです。天真爛漫なダー子と、どこかふわふわとしたリチャードに、「おい、それは違うだろ!」とボクちゃんがツッコむことで、一旦お客さんを常識的な方向に引っ張ろうとするのがボクちゃんだと思うんです。だから、あまりブレずに、悪ノリせずに、冷静にやっていきたいな、と思いました。
制作サイドから何かリクエストはありましたか?
クランクインする前から、田中亮監督は「ストレートにやってほしい」ということをおっしゃっていたんです。その他にもバカ正直だったり、感化されやすかったり、感動グセがあったり(笑)。本当は詐欺の天才なのに泣いちゃったりするような、どこか憎めない人間っぽさ……逆にそれがダー子にはない、ダー子がボクちゃんをチーム入れるひとつの特殊能力になっている、ということなので。ボクちゃんが本気で憤ったりするから話が進んだりもするので、本気で、純朴にやっていきたいな、と思いました。
ヘンな言い方かもしれませんが、全体を通して、ボクちゃんはずっとボクちゃんなんですよね。
そう。可愛そうに(笑)。
台本を読んでいて、信用詐欺師の仕事から足を洗いたい、というボクちゃんの思いは本心なのか、それともそうじゃないのか、と考えるのも面白かったです。
そうはいかない、ということなんでしょうね。結局、騙して得たお金を懐に入れているので、そういう人間臭い部分も多分にあるでしょうし。
でも、ボクちゃんの熱くて純粋なところは素敵だと思ったんですが……。
そうでしょうか?(笑)。鬱陶しくもあるんですけど(笑)。まあ、この3人は存在自体が冗談みたいなところもあるので、真面目にやればやるほど面白い、という感じもあるんじゃないかと。
長澤さん、小日向さんとお芝居をされてみて感じたことは?
長澤さんはまさしく天真爛漫で……もちろん、お芝居を計算されている部分も感じますし、瞬発力もあって素晴らしい女優さんです。いつも輪の中心にいる方なんだなと思います。いままでもそうだったけど、きっとこれからもそうなんだろうな、と感じました。小日向さんは、いつもニコニコしていて、冗談を言って僕らを和ませてくれるんです。年下の僕らとずっと一緒にいるので、合わせてくれているんだろうな、と思います。でも、お芝居のことになると、どんなに深夜遅い時間でも、細かいところまで考えて体現される方なので、「ああ、執念深い方なんだな……」と(笑)。
小日向さんがあれこれ質問して東出さんのプライベートを明らかにしている、と長澤さんがおっしゃっていたのですが……。
いや、そんなことは……。
質問攻めされているのでは?
されています(笑)。でも、僕から見たら、長澤さんの方が答えさせられているような気がします。小日向さんは何の気なしに「どうなの?彼氏いるの?」って言うので。「最初の質問からそこいく!?」みたいな(笑)。
これまでの撮影を通して、特に印象に残っていることがあれば是非教えてください。
小日向さんもよく言うんですけど、他の人物を演じている時間が意外と多いんです。口調を変えたり、ひとつのお話でたくさんの役を演じる、みたいな感覚が楽しいんです。元々、色々な役をやる、というのがこの仕事の根底だと思うんですけど、こんなに短期間であれだけの役を演じる、というのは面白いな、と。見た目もかなり様変わりするので、視聴者のみなさんも楽しんでくれるんじゃないかなと思います。
着替える時間も多かったりするのでは?
いや、いままでの他の作品の方が多かったように思います。
最後に、視聴者のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。
無責任に、自分たちが面白いと思っているものを、精一杯作ろうと思っていますので、楽しんでいただけたら嬉しいです。でも、先に謝っておきます。「ごめんなさい」と。そんなドラマです(笑)。

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