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更新日:2023年10月30日

2023年10月度社長会見要旨(2023.10.27)

Q.10月改編や特番の手応えに関して

新しいGP帯のドラマは、カンテレ制作の月10を入れると5本がスタート。それぞれの枠の特色が出ていて今後に期待している。月9『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』は、二宮和也さん、中谷美紀さん、大沢たかおさんという豪華トリプル主演で、クリスマスイブ1日の物語を3カ月かけて描くというチャレンジングな企画。いくつもの謎があり、これから佳境に入っていくので楽しみにしてほしい。水10『パリピ孔明』は、向井理さん演じる諸葛孔明が現代の渋谷に転生し、上白石萌歌さん演じるシンガーを成功に導いていくという、いい意味でぶっとんだストーリーがとても面白い。音楽ドラマとしても楽しめるものになっている。木10『いちばんすきな花』は、多部未華子さん、松下洸平さん、今田美桜さん、神尾楓珠さんの豪華4人主演。昨年大ヒットした『silent』チームが制作。しっとりとした世界観で「恋愛と友情」という新たなテーマに挑んでいる。視聴者の評判も良く今後の展開に期待が持てる。54年ぶりの新ドラマ枠・金曜9時の『うちの弁護士は手がかかる』は、主演のムロツヨシさんと平手友梨奈さんの高い演技力と、演出力が相まって、とても見応えのある作品になっている。今期のドラマはいずれもAVOD配信が非常に好調。視聴率に返ってくる期待もある一方で、デジタル広告収入も入るので、いい傾向で10月期ドラマが進んでいると考えている。
バラエティでは、木曜ゴールデン帯の改編がスタート。19時『木7◎×部』、20時『オドオド×ハラハラ』は、ともに内容や視聴者の皆様の反応が良く、これからに期待できると考えている。ドラマ・バラエティとも、良い番組がラインアップできていると思うので、これから数字が伸びていくことを期待している。
スポーツでは、男子が見事パリオリンピック出場権を獲得した『ワールドカップバレー』。男子7戦の平均は個人7.0%と、過去3大会を上回る数字を獲得。選手全員の奮闘でパリオリンピック出場を「ココで決めた」瞬間の喜びを視聴者の皆様と分かち合えたことを非常に嬉しく思っている。その前に行われた女子7戦も平均で個人6.5%と前回大会を上回る結果だった。

Q.最新の映画事業概況、およびイベント事業概況について

映画事業では、9月15日(金)公開の『ミステリと言う勿れ』が、26日(木)までで動員305万人、興行収入は41億円を超えた。引き続き好調を維持しており、どこまで数字が伸びるか楽しみにしている。昨年、197億円と大ヒットした『ONE PIECE FILM RED』が、20日(金)より1カ月限定でアンコール上映中。26日(木)までで動員が15万人、興行収入は2億円超。昨年からの累計では199億円を超えた。興行収入200億円という“超”大台に乗る日を心待ちにしている。『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』が11月23日(木・祝)に公開される。2019年の前作は興行収入37.6億円を記録し、日本アカデミー賞12部門を受賞。今作はさらにスケールアップし、関西にも飛び火する。ぜひ劇場に足を運び、突っ込みながら楽しんでいただきたいと思う。
イベント事業は、『ダイハツ アレグリア-新たなる光-』大阪公演が、15日(日)に無事千秋楽を迎えた。今回の日本公演は、東京・大阪の2都市での開催となったが、総来場者数およそ85万人と大成功で終了することができた。そして、『モネ 連作の情景』が20日(金)に上野の森美術館で開幕した。印象派の巨匠、クロード・モネの作品ばかりが国内外から集結。およそ60点が展示され、「連作」を切り口にモネの生涯を辿るという、非常に注目度の高い展覧会。開幕から多くの方に来場していただいている。芸術の秋にぜひ上野にお越しいただきたい。

Q.旧ジャニーズ事務所性加害問題について

旧ジャニーズ事務所は社名を「SMILE-UP.」に変更し、今後は、被害者への補償に専念、タレントのマネージメントを行う会社を新たに設立するとしている。
フジテレビは、先月14日に事務所に対して申し入れを行い、社名の変更や補償・救済とマネージメントそれぞれに特化した会社への分離、そして、被害者に対する確実で速やかな救済を求めて対話を続けてきた。その実現に向けて、事務所がまずは第一歩を踏み出したと考えている。ただ、具体的にはまだ詳細が不明な部分もあるので、引き続き対応を注視していく。 また、再発防止特別チームの調査報告書で「メディアの沈黙」が指摘されたことを受け、この問題に対する当社の検証番組を、『週刊フジテレビ批評』の特別版として、先週土曜日に放送した。編成制作局・報道局・情報制作局の社員・元社員など関係者77人に対して調査を実施、3局の局長が出演して問題点を検証した。
今回の調査で、性加害、特に男性に対する性加害についての認識が著しく低かったことが分かった。また、旧ジャニーズ事務所に対する気遣いや配慮などが報道にあったことも認めざるをえない。未成年に対する性加害という重大な問題、人権問題に対する感度の鈍さは、被害に遭われた方々の心情を考えると、報道機関として深く反省している。
一方、番組出演などにおいて、魅力あるタレントが多く所属する旧ジャニーズ事務所に対して徐々に特別視するような空気ができあがっていたこと、それが性加害を見逃した背景にあることも否定できない。
私たちテレビ局には、公共的使命と社会的責任がある。今回の検証を踏まえ、放送局としての使命と人権尊重のための責任を果たしていきたいと考えている。