ニュースリリース
更新日:2022年5月30日
2022年5月度社長会見要旨(2022.5.27)
Q.4月改編の手応えについて
日曜夜という激戦区で始めた『千鳥の鬼レンチャン』、『呼び出し先生タナカ』が、とても上々の滑り出しとなっている。両番組とも特性別視聴率でキッズからF2という若年層でいい結果を出しており、手応えを感じている。月曜の『あしたの内村!!』も含めて、番組の認知をあげていきたい。タイムテーブルを変えた分、まだまだ馴染んでいない部分も有ると考えている。しっかりと腰を据えて、修正すべき点を直し、チャレンジを継続していきたい。新番組が視聴率的に多少苦戦することは折り込み済み、想定の範囲内と思っている。ジャンルを問わず、できるだけ早くオリジナリティのある鉱脈を見つけて、タイムテーブルの強化を図り、視聴者の皆様の支持を広げていきたいと考えている。
ドラマでは、水曜10時枠の『ナンバMG5』と木曜10時の『やんごとなき一族』が、非常に特徴のあるドラマで、視聴者の皆様からも高い評価を得ている。月曜9時の『元彼の遺言状』もそうだが、見逃し配信でも大変多くの方にご覧いただいている。月曜10時の関西テレビ制作の『恋なんて、本気でやってどうするの?』も含めて、バラエティに富んだラインナップなので、これから最終回に向けてさらに盛り上がっていくことを期待しているところだ。
Q.最新の映画事業概況、およびイベント事業概況について
映画事業については、4月29日に公開された『劇場版ラジエーションハウス』が、昨日までで動員67万人、興行収入8億5000万円となっている。ご覧いただいたお客様からは、いくつものテーマを多層的に描く笑いあり涙ありのストーリー展開に高い評価を頂いており、さらに多くの方にご覧いただきたいと考えている。
今後は、延期されていた『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』が6月11日(土)に公開される。翌週17日(金)には2019年10月期の連続ドラマだった『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』、そして翌週24日(金)には是枝監督の最新作、韓国映画『ベイビー・ブローカー』の公開となる。非常に多様な3作品が6月の公開となるので、楽しみにしていただければと思う。
イベント事業では、6月4日(土)から26日(日)まで『木梨憲武展 Timing-瞬間の光り-』を上野の森美術館で開催する。アーティストとしても高い評価をうける木梨憲武さんの美術展で、4年にわたって全国を巡ってきて、その集大成として東京に戻ってくる。絵画、オブジェ、映像など200点以上を展示。現在制作中の巨大な最新作も公開予定と聞いており、楽しみにしているところだ。
また、昨年好評だった『バーチャル冒険アイランド』を今年も開催する。去年はコロナ禍でなかなかリアルイベントができない中、延べ63万人、総来場回数176万回を記録し、「テレビ×メタバースの力を遺憾なく発揮し、驚異の集客を実現した」ということで、世界トップクラスのビジネス賞であるスティービー賞のアジアパシフィック賞の金賞を受賞した。今年は8月11日(木)から28日(日)までの開催。こうしたバーチャル、メタバース空間とリアルイベントを組み合わせた取り組みが増え、当たり前になっていく時代だと思っている。こういったチャンスを活かしてビジネスにつなげていきたい。
Q.2021年度の決算について
2021年度の売上高はコロナの影響を受けた前年度に対して大きな増収になった。利益面では、営業利益が前年の2倍を越える大幅な増益で、コロナ前の水準を上回っただけではなく、2014年度以降で最も高い業績となった。テレビ広告収入がスポット広告を中心に好調だったことに加え、TVerでの配信の再生数とユーザーの数が大幅に拡大したことに伴い、AVODの配信広告収入が大きな増収になった。また、『東京リベンジャーズ』『マスカレード・ナイト』などがヒットした映画事業も貢献した。さらに、これまで進めてきた構造的な改革の成果も表れて、業績が上向いてきたと感じている。
フジテレビだけでなく、フジ・メディア・ホールディングスのグループ会社も好調だった。BSフジや共同テレビ、ポニーキャニオンなどで構成するメディア・コンテンツ事業は、フジテレビ以外の営業利益の合計が初めて100億円を超え、過去最高を記録した。配信プラットフォーム向けのコンテンツ提供や、ポッドキャスト、あるいは音楽のサブスクリプション配信などデジタル分野が各社の業績を牽引しており、事業環境の変化に対応した収益構造の改革が進んできたと考えている。
Q.今回がフジテレビ社長として最後の会見となるが、在任期間1年間を振り返って
この1年間、まだコロナ禍の状況が残る中であったが、その環境に合わせて、社員に向けてはオンラインを活用しながら、フルスピードで改革を行ってきた。さまざまな構造改革とか、あるいはTVerにおける無料動画配信の強化や、あるいはクリエイティブ力向上のための意識改革などにも力を入れてきた。同時に将来のためのFNNプライムオンライン法人化の検討を始めたり、メタバースの実験のためのバーチャル冒険アイランドの推進をはかったり、フジテレビが前へ進んでいくための道を少しは切り開けたのではないかと思っている。
とは言いながらフジテレビはまだまだ満足できるポジションにはいない。この後は更なる多くの人気コンテンツを生み出していくことが求められる。クリエイターの先輩であり、制作チームを束ねるプロである港さんにお任せしたいと思う。私はフジテレビの持ち株会社であるホールディングスの立場から港社長と密に連携を図りながら、引き続きフジテレビの成長に尽くしていきたいと考えている。