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更新日:2021年11月29日

2021年11月度社長会見要旨(2021.11.26)

Q.2021年を振り返っての所感

私が就任してからは半年だが、この1年については、社会状況と同様、テレビ業界も徐々にコロナ禍に伴う窮地から脱しつつあり、回復基調に入り足元の広告市況も好調に推移していると感じている。
最大の目標はタイムテーブルの強化。6月の就任以降、具体的なターゲット論をはじめさまざまな方針を社内に示してきた。自由闊達な空気を大事にしながら、新たな企画、新たな才能を掘り起こしていきたい。10月改編では、これまでの努力の甲斐もあって一定の成果は感じているが、まだまだ満足する水準に達していない。人の配置や組織の見直しを行いながら、次の4月改編に向けてレギュラー番組を中心にタイムテーブルの強化を図りたい。
番組配信に関しては、無料広告配信AVODの再生回数が伸びており、次の段階として、いかにそれを配信広告収入に結びつけるかが当面の課題。
またフジテレビやグループ制作会社は、外資系プラットフォームが日本に上陸した2015年以降、要請を受け、数多くのオリジナルコンテンツの制作を受託し供給してきた。来年もドラマシリーズの世界配信のほか、大型バラエティの配信企画も進めている。またクランチロールと組んだアニメの世界配信も発表した。今後も、これまでの経験を元に条件を見極め、総合的なメリット・デメリットを精査しつつ、外部プラットフォームからの受託や協業スキームを考えていきたい。
東京オリンピックでは、開催国のオフィシャルブロードキャスターとして世界に向けた映像制作など、役割を果たせたと思っている。その中で感じたのは、今回の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、人々の多様性への関心の高まりがますます強くなるだろうということ。メディアとしても的確な対応をしていかなければならないし、今後もテレビメディアが社会に果たしていける役割を考えていきたいと思っている。

Q.10月改編の手応えについて

ゴールデン・プライム帯のドラマ『ラジエーションハウスII』、『SUPER RICH』、関西テレビ制作の『アバランチ』は、3本とも好調に推移している。リアルタイム視聴ももちろんだが、見逃し配信でも非常に高い再生回数を記録していて、多くの方にご覧いただいている実感がある。各ドラマともこれから最終話に向けて盛り上がっていくところなので、さらに多くの方にご覧いただければと考えている。
また、新しく始まったレギュラーバラエティ『爆買い☆スター恩返し』も、まだ2回の放送ではあるが、まずまずの視聴率を獲得しており、放送を重ねることで番組の内容も充実し、さらに視聴率が上昇していくことを期待しているところだ。また土曜20時に枠移動した『新しいカギ』は若い世代を中心に支持をいただいている。今後さらに支持を広げリーチを広げていきたいと考えている。

Q.年末年始特番について

この年末年始では、大型スペシャルドラマを2本放送する予定。一本目は、12月27日(月)21時から放送する『志村けんとドリフの大爆笑物語』。ドリフに加入する頃からの志村さんの半生を描いたドラマ。山田裕貴さんが志村さんを演じ、いかりや長介さん役は遠藤憲一さん、個性際立った演技になっているので楽しみにしていただきたい。脚本と演出は福田雄一さん、ご存じの奇才の演出家でお笑いにもこだわりのある福田さんが、ドリフの世界をどう描いていくかは非常に注目されると思う。
もう1本のドラマは、1月3日(月)21時からの、二宮和也さんが主役の『潜水艦カッペリーニ号の冒険』。実話に基づくドラマで、日本人とイタリア人の国境を越えた友情と恋の巨編になっている。有村架純さんが二宮さんの妹役で出演。こちらも力作となっているのでぜひご覧頂きたい。
バラエティでも、元日のゴールデンタイムに『逃走中・新春スペシャル』を放送するほか、『千鳥の鬼レンチャン』、『お笑いオムニバスGP』など、この1年で試してきた特番の芽も育ってきており、年末年始のゴールデン帯に編成する予定だ。
また、世界最高の栄誉とされる国際エミー賞で、今年、日本の番組で唯一ノミネートされたドキュメンタリー『中村屋ファミリー』シリーズの最新作を、クリスマスイブ、12月24日(金)に放送するので、お楽しみいただきたいと思う。
なお、大晦日は恒例の『RIZIN』を放送する。

Q.1月クールの新番組に関して

1月クールの月9は、話題の菅田将暉さんが主演の謎解きドラマ『ミステリと言う勿れ』。制作にすでに1年以上の時間をかけ、満を持して放送となる。主人公が淡々と自身の見解を述べるだけで、謎も心も解きほぐしていくという新感覚ミステリー。菅田さんの怪演ぶりにご期待いただきたいと思う。
木10が黒木華さん主演のお仕事ドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』。仕事はできるが不器用なヒロインが年代もタイプも異なる男性たちと恋に落ちていくという恋模様、そしてニューノーマルなコミュニケーションを通じた人間ドラマが異色の木曜劇場になると思う。
関西テレビ制作の月10が浜辺美波さん主演の医療ドラマ『ドクターホワイト』、東海テレビ制作の土ドラが吉田鋼太郎さん主演のファミリードラマ『おいハンサム!!』と、1月クールの連続ドラマはバラエティに富んだ個性豊かなラインアップを揃えている。

Q.最新の映画事業概況およびイベント事業概況について

映画事業では11月19日(金)に公開された『土竜の唄 FINAL』は、昨日までの興行収入が約2億円。引き続きPRに努めて、息の長い興行にしていきたい。来週金曜日にはアニメ映画『フラ・フラダンス』が公開になる。スパリゾートハワイアンズのダンシングチーム“フラガール”の物語。笑って泣けて元気になるエンターテインメントを目指している。こちらも、ぜひ、多くの方にご覧いただきたいと思っている。
イベント事業では、年明けの1月22日(土)から東京都美術館で「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を開催する。ドレスデン国立古典絵画館の至宝、フェルメールの傑作《窓辺で手紙を読む女》は、塗りつぶされていた壁画のキューピッドを復活させる修復が行われ本来の姿を取り戻したが、所蔵館以外では、この展覧会が修復後世界初公開となる。前評判も高く非常に期待が高まっている。是非、多くの方にご覧いただきたいと考えている。

Q.他局でリアルタイム配信の開始が遅れるという発表があったが、フジテレビの状況は?

先月のこの会見で、「早ければ1月のスタートを予定している」とお伝えしたが、ここに来て、TVerの新システムの技術開発に遅延が生じたということで、フジテレビのリアルタイム配信も、当初予定より遅れる見込みとなっている。現時点では開始時期は未定。正式なスタートタイミングは、確定次第、改めてお伝えしたい。