ニュースリリース

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更新日:2021年5月28日

2021年5月度社長会見について

緊急事態宣言を受け、5月度の定例社長会見は開催を見送り、その代わりに記者クラブからの質問に書面で回答する対応となりました。その要旨は以下の通りです。

Q.4月改編の手応えについて

『めざまし8』は、視聴率も帯番組のスタートとしてはまずまずの手応えで、今後認知度が上がっていけば、徐々に視聴者を獲得していけるのではと感じている。ドラマでは月9ドラマ『イチケイのカラス』の評判が大変よく、ここまで8回の個人全体視聴率の平均が7.2%と、非常に好調に推移している。終盤に向けてさらに盛り上がっていくことを期待している。新バラエティ番組『新しいカギ』は、フジのお家芸のコント番組として、出演者も制作陣も若い世代で、とても熱をもって意欲的に作っている。とにかく一回見てもらえれば番組の良さが分かっていただけると思うので、ファンを増やしていきたい。
ゴールデンウィークに展開した「クセバラWEEK」は、このコロナ禍に外出できない方々に少しでも楽しんでいただけるよう、1週間にわたりバラエティの大型特番を並べるという初の試みだったが、重点ターゲットとしているキー特性(13歳~49歳男女)の週間視聴率を去年から大幅に上昇させることができた。今の状況の中、必要とされるテレビの役割をひとつ果たせたのではと嬉しく思っている。

Q.7月クールドラマについて

感染対策を徹底し予定通り放送すべく準備を進めている。月曜9時『ナイト・ドクター』は、月9初主演となる波瑠さんを中心に、今勢いのある豪華な出演陣が織りなす“青春群像医療ドラマ”となっている。火曜9時カンテレドラマ『彼女はキレイだった』は中島健人さん、小芝風花さんダブル主演でお届けする、思いのすれ違いにキュンとなるピュアなラブストーリー。東海テレビ制作のオトナの土ドラ『#コールドゲーム』は極寒の中で詐欺師たちが挑むサバイバルストーリー。様々なラインナップを取り揃えているので、ぜひご期待いただきたい。

Q.緊急事態宣言の延長等による番組制作への影響や対応について

ソーシャルディスタンスの確保、アクリル板の設置、収録現場にコロナを入り込ませないための徹底した消毒、出演者の撮影時以外のマスク着用の徹底など、あらゆることを工夫しながら、感染対策を徹底してドラマ、バラエティともにロケ・撮影を継続してきた。制作現場で一切の濃厚接触を起こさないよう細心の注意を払いながら番組制作を続けており、今回の緊急事態宣言下においても、引き続きその姿勢で取り組んでいく。ただ感染力の強い変異株が新たに流行していることなども踏まえ、感染対策はその都度、状況に合わせて再考しており、保健所の判断も参考にしながら、引き続き、収録・撮影現場に一切の濃厚接触を起こさないよう心掛け取り組んでいく。

Q.最新の営業概況について

4月の売り上げが確定した。前年比でネットタイム91.4%、ローカルタイム94.2%、スポット114.2%。全体では103.1%だった。スポットは、去年は4月からコロナウイルスの影響が出始めた。今年は早い段階からプレ情報が集まり、前々年並みの出稿を期待したが、変異ウイルスの情報が出始めたあたりから動きがとまり、前年比では114.2%となった。タイムに関しては、4月改編はスポンサーの固定費削減の影響で厳しい状況からのスタートとなっている。徐々にベースアップがなされているが、前年4月期ベースまでには戻すことはできていないため、単発、レギュラーともに積極的にプロモートを行っているところだ。

Q.最新の映画事業概況・イベント事業概況について

映画事業では、5月21日(金)に公開された『地獄の花園』は、公開から1週間となる5月27日(木)までで、観客動員が18万人を超え、興行収入は約2億5000万円。緊急事態宣言下で東京・大阪を中心に休業となる劇場が多く、当初公開予定だった335劇場のうち、259劇場での興行スタートとなっている。また、関西テレビとフジテレビが共同幹事として製作し4月2日(金)に公開された『劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班』は5月27日(木)までで観客動員は60万人、興行収入は8億円を超えている。
イベント事業については、緊急事態宣言により、宣言期間中のイベントを中止(休止)、または無観客による有料配信に変更した。今後も引き続き、感染拡大防止の観点から政府や関係機関等の発表に注視し、イベント毎に総合的に判断し対応していきたい。

Q.2020年度決算と今期の業績見通しについて

2020年度決算は、新型コロナウイルスの影響を受け、減収減益となった。放送収入は、タイムが大型単発番組の中止、延期が相次ぎ減収、スポットも第1四半期を中心に広告市況の低迷を受け減収となった。その他の事業でも、イベント事業では多くのイベントが中止や延期になった。映画事業は公開延期があったにもかかわらず健闘したが、ヒット作の続いた前期に及ばなかった。一方、ドラマなどのパッケージ事業は好調だった。第3四半期からは広告市況が好転し、下期のスポット収入は前年度を上回った。期初からコロナ禍の影響に対応し各費用のコントロールを進めてきたことで、通期では減益ながら一定の利益を確保できたと考えている。2021年度は、広告収入の増収を見込むが、オリンピックの放送権料の負担もあり、現時点では前期並みの業績を見込んでいる。コロナ禍からの回復時期がいまだ見通せず不透明な経営環境が続くが、視聴率の向上と広告収入の拡大、また、配信を中心とした放送隣接ビジネスの強化にも更に注力し、収益の回復を目指していきたい。

Q.アナウンサーにステルスマーケティングの疑いが報じられた件について

外部の弁護士も入れた詳細なヒアリング調査を実施した結果、社員就業規則に抵触する行為が認められた。「対価性があるのではと疑われるような行為」については、放送人としての自覚が問われる行動であり、関係者に対し厳正に対応した。指導が行き届いていなかったことなどに対して、社としての責任を痛感している。今後も社員に対しては、放送に携わる者として自律的行動をとるよう指導を徹底していく。

Q.今回の役員人事の狙いについて

フジ・メディア・ホールディングスの中核企業として、フジテレビではコロナ禍においても組織改編を進めてきたが、この度、会長、副会長、社長という3つのポストについて、ホールディングスとフジテレビの兼務とすることで、ホールディングス傘下トータルでの変革のさらなるスピードアップと経営の効率化・強靭化をはかっていく。

Q.2年間の社長在任期間を振り返って

ほとんどがコロナ禍で、まさしくほぼ非常事態下の2年間だった。感染症と向き合う社会にあっては、信頼できる正しい情報や、視聴者の心に寄り添うコンテンツが、ひとつのライフラインになる・・それがすなわち社会インフラとしての放送局の役割でもあると再認識する2年間だったように思う。いよいよ近い将来、ポストコロナ社会が到来するとき、テレビ局は、そしてメディアグループはどのような姿になっているべきか、経営として答えを出していくべき懸案は山積している。テレビの黄金時代の一翼を担ったクリエイターであり、直近の2年間はホールディングスの社長として辣腕を振るってきた金光社長のもと、フジテレビがさらに力強く前へ進めることを確信している。