ニュースリリース
更新日:2020年3月2日
2020年2月度社長会見要旨(2020.2.28)
Q.新型コロナウイルスへの対応について
新型コロナウイルスは、視聴者の皆様の最大の関心事だと思う。報道機関として、国内外の最新情報を迅速かつ正確に適宜提供していかなくてはならない。FNN系列各局とも緊密に連携し、取材にあたる記者・ディレクターの安全・健康に留意しながら、取材・報道を継続していく。取材する側が、感染しないことはもちろんだが、感染拡大の原因にならないことも重要。また、報道による風評被害、個人の特定によるいじめなどに繋がらないように、十分プライバシーに配慮し、取材・報道にあたっていきたい。
その一方で、会社として感染リスクを減らすことも考えなくてはならない。メディアは伝え続ける義務があるため、全社員を自宅勤務にすることはできない。その中でできる限りのことをしていく。2月18日に新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げ、注意事項を社員に配布、26日により強いバージョン2を配布し現在に至っている。具体的には、(1)出社前の検温・発熱時の出勤停止。(2)入構時の手の消毒徹底。(3)時差出勤・テレワークの強い推奨。(4)不要不急なイベント・会議の中止・延期等。
イベント事業では、「お台場パン祭り」、「東芝グランドコンサート」、「めざましクラシックス」を中止した。またミュージカル「アナスタシア」東京公演のうち3月8日までの9公演についても、感染拡大防止の観点から中止することとした。4月以降たくさんのコンサート、舞台も準備していたので、これら全て今後の動向次第という状況。
番組制作では、全ての番組で、スタッフ、キャストにマスク着用、手指消毒、検温などを義務付けている。また、一般のお客様を入れて行う公開収録は、当面の間お客様なしで収録を行う方針をとっている。
Q.1月クールドラマおよび単発番組について
月9『絶対零度~未然犯罪潜入調査~』はここまで10%前後で推移していて、全話平均で2桁をキープできるよう頑張りたい。カンテレ制作の火曜9時『10の秘密』、木曜劇場『アライブ がん専門医のカルテ』もこれから山場を迎えていくので、最終回に向けて盛り上がりを期待している。
単発番組では2月16日に、ご逝去された野球の野村克也さんの追悼特番『秘蔵映像でつづるノムさんの野球人生と家族愛』を放送した。人となりを含めて余すことなくお伝えできたのではないかと考えている。
Q.4月改編の方針について
ここ数年の改編で、一昨年の後半くらいから、徐々に上向きになってきていることを受け、今回の4月改編は、今までのレギュラー番組をより充実させる改編になると思う。
ドラマでは、月9は織田裕二さんと中島裕翔さんがバディを組む『SUITS/スーツ2』。今回は月9史上、最多の話数で放送する。カンテレ制作の火曜9時は玉木宏さん主演の『竜の道 二つの顔の復讐者』。カンテレ枠では定評のある復讐劇。木曜10時は石原さとみさん主演の『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』。病院薬剤師が主人公という今までなかった新しい医療ドラマ。
Q.最新の営業概況について
1月の売り上げは、前年比でネットタイム96.1%、ローカルタイム95.8%、スポット98.0%。全体では97.0%だった。
ネットタイムについては、年末年始セールスで前年の売り上げを超えることが出来ず、また、レギュラー枠のセールスも若干伸び悩んだ。ローカルとスポットの枠調整を行ったため、ローカルタイムは売り上げが伸び悩む結果となった。
スポットではこのところ前年度割れが続いていたが、久しぶりに1月は前年比95%を超える状況になった。フジテレビは98.0%とし、10か月連続でシェアを伸ばすことができた。回復とまではいかないが、95%を越えたということで若干明るい材料が出てきたと感じている。
Q.最新の映画事業概況、およびイベント事業概況について
映画では2月7日に公開した福田雄一監督の『ヲタクに恋は難しい』が公開から3週間で動員およそ80万人、興行収入が10億円を超えるヒットとなっている。また、日本アカデミー賞で『翔んで埼玉』が優秀作品賞をはじめ今年度最多となる12部門で優秀賞を受賞していて、来週金曜日の授賞式で最優秀賞を獲得してくれることを期待している。社員でも、監督賞の武内と美術賞のあべ木(「あべ」は木偏に青)に可能性があり、期待しているところだ。
イベント事業では、今月9日に開催した「日本大相撲トーナメント」は、20年ぶり幕尻優勝の徳勝龍や大人気の小兵力士・炎鵬が出場し大変盛り上がった。関脇・高安の2年連続優勝で、ご来場いただいた方もテレビでご覧になった方にもご満足いただけたのではと思っている。
Q.2020年の目標について
年頭に社員に向けて、今年はテレビ業界、大きな変貌の年になるのではないかと話をした。3月から始まるNHKの同時配信もそうだが、視聴率の指標の変貌が、今年大きな形になっていくのではないかと思っている。またなんと言っても東京オリンピック・パラリンピックもある。喫緊の課題としては新型コロナウイルスの問題に対して放送局としての責任を十分果たしていくことと思っている。
Q.東日本大震災から9年たつが、今年の特番や取材体制は?
3月11日には、9年続けて20本以上放送している『わ・す・れ・な・い』の放送を予定。今回は、メディアの垣根を越えてNHK、フジテレビ、ヤフーの3社でタッグを組んで、未来の災害報道について考えるプロジェクトを進めている。『「その時」メディアに何ができるのか』と銘打って“死者をゼロにする”ための情報発信とは何か、メディアに何ができるのかという共通テーマのもと展開する。
3月8日のNHKの討論番組では、NHKの井上あさひアナと弊社の伊藤利尋アナが司会、NHK・弊社の取材関係者などが出てパネルディスカッションを行う。3月11日の弊社の『わ・す・れ・な・い』では、NHKの映像、ヤフーの検索データなども交えて、当時の災害情報がどのように伝わり、どのように人々の避難行動に結びついたのかを検証する。
今回のことを意義あるものにして、来年は10年目の節目にもなるので、引き続き震災の検証報道に力を入れていきたい。