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更新日:2016年5月31日

2016年5月度社長会見要旨(2016.5.27)

Q.2015年度の決算発表概要ならびに今年度の見通しについて

フジテレビの2015年度の決算は、前期比で「減収減益」となった。要因はひとえに視聴率の低迷で主力の放送収入が落ち込んだため。上期は赤字となったが、下期は盛り返し、通期では営業利益を確保することができた。これは企業体質の改善とコストコントロールの成果の数字。タイムテーブルを強くしていくことが経営の主題であると同時に、企業が強くなるため、生き残るためのいい改革の時期と捉え、昨年下期から継続してきたがその成果が出始めている。2016年度の業績予想は、地上波広告収入は微減収と読んでいるが、放送以外のその他事業では、イベントや映画事業が好調にスタートしている。また、成長分野と位置付けているコンテンツ事業でFODが単体で黒字を出すなど堅調なので、今期は「増収増益」の業績予想を発表させていただいた。とにかく構造改革と意識改革を継続的に進めながら、タイムテーブルの強化を最優先に、視聴率の改善を図りたい。

Q.4月改編の視聴率動向

なかなか思ったようには数字が出てきていない。全日帯では、『めざましテレビ』はメンバーが若返り、番組もリニューアルして頑張っている。これまでも何度も上がったり下がったりを繰り返してきているので、(リニューアル後の効果は)これからかと思う。午後はスポンサーのご協力を得ながらCMの置き方を柔軟にし、各番組間をダイレクトにつなげるシームレス編成を行っている。また、『バイキング』と『突撃LIVE グッディ!』はキャストが相互乗り入れするなど、生放送の持つ強みを積極的に生かし、前期より数字を伸ばしてきている。ゴールデン帯に関しては、やはりきっかけ一つで流れは変わると思うので、一つでも二つでもヒット番組が出てくることを切望する。

Q.7月クールのドラマに関して

現場は、4月クールの数字や評判を聞いて、いろいろな意味でプレッシャーがかかっていると思う。悩んだ末に最終的に「これだ」と決め、途中でいろいろなご批判があっても自分たちの思いを貫いてくれないと、失敗したときの財産にならないので、数字や評判を気にして振り回されることだけは避けてほしいと思う。ぜひ視聴者が何を見たいのかだけを考えて番組制作にあたって欲しい。これはドラマに限らずバラエティにも言えること。視聴者の顔、年齢層を思い浮かべて欲しい。
月曜21時『好きな人がいること』は、昨年7月クール『恋仲』のスタッフが制作するが、彼らは成功体験もあるし、SNSなどを駆使するなど若い層へのアプローチもいろいろ考えてやっていくと聞いている。
木曜21時『営業部長 吉良奈津子』は、久しぶりに松嶋菜々子さんがフジテレビのドラマに帰って来る。企業の女性部長役を演じられるが、『やまとなでしこ』(2000年10月クール)の頃の松嶋さんとは一味違い、仕事と家庭の両立に奮闘する悩める管理職をどう演じてくれるかが楽しみだ。
日曜21時『HOPE~期待ゼロの新入社員~』は若手プロデューサーを起用する。原作は韓国ドラマのヒット作品で、世間知らずの主人公が訳あって働くことになった総合商社で、組織の一員として認めてもらえるよう、ひたむきに仕事と向き合う姿を描くもの。とにかく思いきってやって、少しでも挽回してくれたらうれしい。

Q.最新の営業概況について

4月の数字が確定した。前年同期比でネットタイム91.2%、ローカルタイム96.4%、スポット99.0%、トータル95.5%。前年に比べると若干下回ったが、予算比は、ほぼ予想通り。5月は未確定だが前年同期比約95%まで来ており予算通りの数字となっている。ネットタイムはこの視聴率状況下で非常に苦しいが、スポンサーの出稿スタイルがスポットに傾注している状況を踏まえ、一部のCMをスポットセールスに移管している。スポットを多く取り込めるようにして、少しでも利益を伸ばそうとしている。ヒット番組が生まれればネットタイムの売り上げも回復するので待ち遠しい。6月についてはスポンサー各社様子見のところだが、上期はオリンピックをはじめ、夏の大型特別番組、イベントなどもあるので、営業には頑張って欲しい。

Q.最新の映画事業概況

「暗殺教室~卒業篇~」は、ほぼ興行が終了している状況だが、興行収入約35億円と予想以上のヒットとなった。1月公開「信長協奏曲」(興行収入45.7億円:公開中)と「暗殺教室」が、今年上半期公開の邦画実写興収ランキングで1位、2位となる見込み。
「海よりもまだ深く」(監督:是枝宏和、出演:阿部寛、樹木希林、真木よう子他)が5月21日から公開した。公開から1週間たっていないが、興行収入は3億円弱となっている。基本的には平日に強い映画だと思うので、着実に動員を伸ばし、息の長い興行を狙っていきたい。
6月4日公開「高台家の人々」(監督:土方正人、出演:綾瀬はるか、斎藤工ほか)は、好評連載中の人気コミックが原作の“ラブコメ”。“ラブコメ”というジャンルがテレビドラマから消えてしまったが、映画では主力商品の一つ。“ラブコメ”はフジテレビの得意ジャンルでもあり、今回は共同テレビの土方監督が演出し、ティーン層をターゲットにスマッシュヒットを狙えるクオリティの作品となっているので楽しみにしている。
※興行収入は5月26日現在の数字

Q.イベント事業概況について

今月半ばに行われたサイモン・ラトル指揮のTDK創立80周年スペシャル TDKオーケストラコンサート2016「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演」のベートーヴェン交響曲全曲演奏は、指揮者サイモン・ラトルの素晴らしさ、ベルリンフィルの技術の高さ、ベートーヴェンの楽曲のすごさを改めて感じることができた。各方面からお褒めの言葉をいただいており、このような演奏会を開催できたことは誇り高い。
現在、お台場で開催中のシルク・ドゥ・ソレイユの日本公演最新作「ダイハツ トーテム」の東京公演が残り1カ月となった(6月26日まで)。ゴールデンウィークも当日券の伸びが非常によく、お客様の評判も上々と聞いている。お陰さまで来月頭には40万人を達成する見込みである。東京公演千秋楽まで頑張って盛り上げてもらいたい。
5月20日(土)から「幸せの国」と呼ばれるブータンの伝統文化や、彼らの考え方や教えなどを紹介する展覧会「ブータン~しあわせに生きるためのヒント~」展がスタートした。幸せになりたい方はぜひ観ていただきたい。