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更新日:2016年3月1日

2016年2月度社長会見要旨(2016.2.26)

Q.1月クールの視聴率動向

10月改編でスタートしたバラエティ、ドラマで一定の評価を得ているものもあるが数字としてはまだまだという気がしている。とくにドラマは評価と視聴率が相まっていかない。が、スタッフはこれに萎縮することなくやろうとしていることを貫いて欲しい。そして、なぜ数字が伸びないのかの分析を次の作品のためにもしておくべきだと思う。10月から始めた午後帯番組やニュース番組がじりじりと数字を上げてきているので4月改編に大いに期待したい。

Q.4月改編の方針

午前から午後が15時間の生放送になるので、それぞれの番組、ニュース、情報、バラエティが自分の番組だけでなく、繋がり、流れをきちっと考えて欲しいと思う。そして、ゴールデン帯の番組もそれぞれが自分の番組を頑張るだけでなく、どうバトンを渡して視聴習慣を作っていくか考えて欲しい。これが今のフジテレビにとって大切なこと。現場間で部局を越えていろいろな会話がなされ、お互いに情報共有することで、点から面、つまりフジテレビのイメージを作っていくのだと思う。4月はそういう改編に立つということ。ここから変わるんだ、始まるんだという気持ちで臨んで欲しい。
新ドラマについては、既に発表している月曜午後9時の『ラヴソング』では、3年ぶりに福山雅治さんが戻ってくる。このところフジテレビのドラマに続けて出演していただいており、まさしくフジテレビの看板的俳優。3年ぶりの連続ドラマということで楽しみにしている。元ミュージシャンという彼にピッタリの役で、ヒロインとそれを取り巻く若い人たちの物語。みなさんに話題にしていただいているようで、そういう話題が一つ一つフジテレビから出ていくことはうれしく思っている。
日曜午後9時はあえてTBSのドラマの牙城に切り込んでいく。横綱の胸を借りる気持ち。野島伸司さんの脚本で、アメリカ人のお母さんが来たという極めて今風な設定で、家族の奮闘もののドラマになっている。日曜のあの時間帯のTBSとは違う攻め方のドラマの作り方をしてくれると思うので、伸び伸びとチャレンジして欲しいし期待している。

Q.最新の営業概況について

2016年1月の数字が確定した。タイムセールスが苦しく前年同期比でネットタイム88.1%、ローカルタイム91.6%、スポットは市況が好調であったことを受けて98.8%。トータルでは前年同期比92.9%だが、上期実績を受けて修正した予算比では100%をクリアしている。4月改編のセールスが始まっているが、スポンサーの動きは慎重で、ここは踏ん張り所。営業が頑張って、番組の魅力やフジテレビのスタンスを伝えていってくれると思うし期待したい。

Q.最新の映画事業概況について

1月23日公開の「信長協奏曲」が非常に好調に推移している。開局55周年企画として当初からドラマ、アニメそして映画を作るという一大プロジェクトが40億の興収に届こうとしているのは、気持ちのいい話。本当に多くの世代に受けているし、ドラマをリアルタイムで見ていなかった方がFODで見るなどの波及効果も出ている。今後のテレビ局のコンテンツ事業の手本になるケースとして分析して次に繋げていって欲しい。これから春休みもあるので、手を緩めずにしっかり興行をやっていって欲しい。
3月25日に公開になる「暗殺教室~卒業篇~」は、前作27億円のヒットで、前売りの動きも良い。前作で殺せんせーの声を演じてくれた嵐の二宮和也さんが、今作では出演している。この作品もアニメなどと連動させ、フジテレビが相乗的に展開してきたコンテンツ。その強みを見せたい。

Q.BPO放送人権委員会からの『ニュースな晩餐会』への勧告、見解を受けて

今回のBPO放送人権委員会の「勧告」ならびに「見解」の裁定は非常に重く受け止めるべきものと思っている。BPOのご指摘にある通り、こうした「事実に基いて再構成を行う」バラエティ番組においても、報道や情報番組と同様に真実性が担保されなければならないということで、そこにおいて事実との向き合いが不十分で取材不足、視聴者に与える印象やその影響への想像力も欠けていた。また演出力も足りておらず稚拙だった。ご迷惑をかけた方には、視聴者も含めてお詫びを申し上げたいと思う。
番組を作る際には、クリエイティビティーの創造力と、どういう風に見られるかというイマジネーションの想像力が必要。想像力が足りていないから、こういう問題が起きる。そういう認識を全社的に持つ必要がある。再発防止に関しては、その意識の徹底をもう一度していきたい。

Q.東日本大震災からまる五年、特別番組の編成は?

3月4日(金)の『金曜プレミアム』枠で報道局制作の「消防と震災」をテーマにした『消防隊だけが撮った0311』という特別番組を放送する。消防隊が撮影した未公開映像を入れて検証しながら、災害が起きたとき災害に立ち向かう救援隊の勇気などに焦点をあてていきたい。5年経ったからこそ話せる発言もあるので、復興に向けても、今後の備えに向けても、前向きな番組にしてほしいと思っている。
また3月5日(土)は5年間で6回放送してきた『わ・す・れ・な・い』の集大成となる特別番組を準備している。今までの映像に、現地でスタッフが取材してきたものを加えて、地震発生から翌日までの動きを検証しながら、震災の準備、そして忘れてはいけない対処の仕方に警鐘をならせる番組になればと思っている。
3月11日当日は、午後帯の生番組を中心に、色々な方法で震災を取り上げていく。こちらも心して頑張るように現場に伝えたい。
5年という節目だが、風化させてはいけないもの。復興に向け立ち上がっている多くの力を伝えることができればいい番組になると思っているし期待している。

Q.高市総務相が、放送法第4条の政治的公平性に関連して、停波の可能性等に言及した一連の発言について、放送事業者の立場からどのような感想を持つか?

高市総務大臣の国会答弁や定例会見内容については、これまでに民放連としても申し上げて来たように、放送法の精神をふまえれば、公権力による介入は抑制的であるべきと思っている。もちろん我々放送事業者が自らを律して誤った放送をしない、つまり介入する隙を与えないことが大前提であり、自らを守るためには自らが放送法を守ることだと強く思っている。また自分たちの番組審議会もあり、放送基準もある。今までもこれからも、決して萎縮することなく、自分たちがきちんと自律してやっていくことが何よりも大切だ。