ニュースリリース
更新日:2014年9月18日
2014年9月度社長会見要旨(2014.9.12)
Q.7月からの視聴率動向と夏ドラマの総括
全体的には少しずつ上昇機運だと思う。今までのところ前期比の平均視聴率はGP全日帯で0.2から0.3ポイント上回っている。強化した週に、何年かぶりの3冠やGP帯で1位を獲得するなど結果が出始めており、少しずつ上向きになっているという実感がある。
ドラマは、月曜21時『HERO』や、ここにきてぐっと伸びてきた木曜22時『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』は好調。
月曜21時『HERO』は、13年ぶりの復活で不安もあったと思うが、チーム一丸となり、変わるべきところは変えているところが潔いし、見ていて楽しい。何よりも久利生公平は木村拓哉さんにしかできない役で、よくぞやってくれたと感謝している。
木曜22時『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』は、こういうドラマはどんな反響があるのか楽しみにしていたが、西谷弘の艶っぽい演出と、プロデューサー陣が井上由美子さんとタッグを組んで緻密に作り上げた脚本が非常によい方向に出ている。役者陣もある種の凄味をもって演じていただいているので、そのあたりが視聴者に受けるのだと思う。今後も楽しみな作品だ。
火曜21時『あすなろ三三七拍子』は、原作を読んで知っていたので、あそこまでコメディにするのかという思いは正直あった。私たちの世代に共感を呼ぶ原作だったと思うが、応援団の面白味という方向に寄ってしまったのか、若干若めに作ろうとしたことが難しくしてしまった印象がある。
一番さまざまな議論が起こるのが、水曜22時『若者たち2014』ではなかろうか。ドラマラインナップは同じようなものが重なってはいけない中で言うと、出色な作品だったと思う。ただ、時代に合っていたのかいなかったのか、いろいろ議論は分かれるところ。個人的には杉田成道監督には、時代錯誤も“甚だしい”ではなく、“華々しい”と言わせていただいた。いずれにせよかくも盛大に人気の方々を集めてあそこまで時代錯誤をしてくれると逆に潔い。それが杉田監督のやりたかった方向だと思うので、最後まで振り切ってほしい。
若者の在宅率が上がる夏休みを一つのバネに成長してくれればと常に申しあげてきた『バイキング』だが、10月のタイムテーブルに残るということは、編成として何らかの手ごたえがあるのだと思う。探り探りでやっている時期から、そろそろ本当の意味で評価をするフェイズに入ってきたと思う。厳しさのポイントも上がるので、楽しみに見ていきたい。当然、帯番組は徐々に視聴習慣をつけていくものなので、一朝一夕に視聴率が上がるものではないが、きちっと検証して進んでいけば伸びていくと信じたい。
Q.27時間テレビの総括
全体の平均視聴率は13.1%。数字としては突出してよいわけではないが、ある種新しい『27時間テレビ』をお見せできたと思っている。SMAP5人そろってMCを務めるのは初めてだが、歌はもちろんのこと、自分たちの冠番組を持ち、それぞれがドラマ、バラエティに幅広く活躍するSMAPは、まさにテレビの申し子のようなグループ。そうした彼らとともに“テレビ復権”というコンセプトで作られた今回の『27時間テレビ』は、今までのものとは一線を画し、スタッフ一同、新しい道を探すことができたと思っている。いみじくもエンディングで流れた「かつて、テレビというヒーローがいました~」と始まる一文は、まさにその通りだと感じた。最後の45分間のノンストップライブまで、ほとんど寝ずに体を張って臨んでくれたSMAPには改めて感謝したい。
Q.10月改編の概要と狙い
今回は、手探りで番組を出すのではなく、メイン司会、出演者に重量級をそろえ、視聴者に足元を見られないような、自信を持ってお届けできる番組作りを心掛けてほしいとお願いした。改編において番組は点だが、それを線につなげなければならない。そして、回を重ねるうちに面として成立することで初めてタイムテーブルは生きて来ると考えている。楽しみにしていただきたい。
また、『テラスハウス』の終了に関しては、23時枠は視聴率8%から二桁を狙っていきたい枠だが、現状5%から6%を行き来しており、視聴率的には必ずしも満足できるものでなかったことと、旬で新しいものではあったが、この手の番組は旬が過ぎると難しくなるので、今が潮時だと判断した。ただ、大変キラキラして始まった番組であることは間違いなく、その精神は次の番組制作に生かしてほしいと思っている。
(大多亮常務)
改編番組については、総花的にあれもこれもと言っても仕方がないので、我慢するものは我慢し、変えるものは変えるという方針。たくさん変えるべきものはあるのかもしれないが、“これは”という企画のみを変えようと考えている。一つ一つ弱い枠を克服していくことが視聴率アップの王道であると思っているので、そのコンセプトで改編した。
バラエティについては、週末強化のために日曜日の20時、21時を新番組にした。日曜20時は、美輪明宏さんに主催者として出演いただくほか、日曜21時も現在交渉中だが、かなりの大物に出演依頼をしている。また、月曜20時は内村光良さんの出演が決まり、MCも内容も自信を持ってチャレンジできる。そういう意味でもまさに重量級で見どころが大きいと思う。
そして、『笑っていいとも!』が終了して半年、やはりフジテレビのタイムテーブルにタモリさんがいないと盛り上がらないということで、今回23時台の番組に出演いただくことになった。この時間だからこそ、いい意味でタモリさんのマニアック性、エンターテインメント性が発揮できると期待している。
ドラマは、GP帯に5枠と民放最大であり、ドラマの出来の良し悪しが改編の勝負所であると考えている。ドラマで視聴率を稼ぎ、その間にバラエティを育てるという基本方針で臨んでおり、ドラマがいい成績を残さないと10月改編は勝負にならないと考えている。月曜21時『信長協奏曲』には期待しているし、『ファーストクラス』のような大変よくできた、視聴者を、見たい気持ちにあおれるようなドラマも出てきている。そして、木曜22時枠は、ここのところ大変安定してレベルの高いドラマが並んでいるので、今後も大いに期待している。
全日帯は、『めざましテレビ』『とくダネ!』『ノンストップ!』と朝の6時から12時の枠が、ずっとトップを取っているので改編の必要がなく不変。
Q.ビデオリサーチ社が初めて発表したタイムシフト視聴率について
現状、リアルタイム視聴率が唯一の営業指標である以上は、番組はやはりリアルタイムで見てほしい。しかし、コンテンツの評価として、録画してちゃんと見ていただいていることは作り手としては励みになる一方、リアルタイムで見ていただくにはどうすればよいのかを考えるにはいい機会である。
1月から本格運用とはいえ、あくまでも視聴動向を知る上での重要な参考データであり、私たちはリアルタイム視聴率に注力しなければいけない。
Q.最新の営業概況について
上期の営業売り上げは、前年同期比でネットタイム100.5%、ローカルタイム103.4%、スポット100.5%で、トータル100.7%とすべて前年を超える見込み。下期に向けて懸念がないかと言うと、円安が原材料を高くしていることもあり、上期に好調だった業種がどうなるのか予断を許さない。ともかく我々としては視聴率を上げGRPを上げていくことが先決。10月改編に期待したい。
Q.最新の映画事業の概況について
いよいよ9月13日(土)から周防正行監督の最新作『舞妓はレディ』がスタートする。ここ2、3作は社会派作品が目立った周防監督が18年ぶりに放つエンターテインメント作品。たくさんの技を持っていて監督の奥行きを感じた。大変楽しみにしている。
Q.最新の事業の概況について
44日間にわたる「お台場新大陸」は、最終的に来場者数が348万人。昨年より開催期間が短いので単純比較はできないが、1日平均比較では前年比95.5%。「グリッター8」という社屋イルミネーションイベントなども含む総エリア来場者数は455万人となった。7月の酷暑や天候不順の影響で、夏休み初頭は出足が悪かったが、8月に入りお盆からは大勢の方に来場いただけた。開催期間中に熱中症など大きな事故がなかったのでホッとしており、何より誇れることと思っている。シルク・ドゥ・ソレイユ「ダイハツ オーヴォ」大阪公演(7/17~11/2)は、9月8日までの来場者数が18万人を超えた。大阪公演の後は、名古屋(2014/11/20~2015/2/1)、福岡(2015/2/20~4/5)、仙台公演(2015/4/23~6/7)と続く。
台北故宮展(東京6/24~9/15)は、好評のうちに終わろうとしている。東京展の来場者数は最終的に40万人ほどとなる見込み。こちらも大盛況で大変うれしく思う。