ニュースリリース
更新日:2013年12月4日
2013年11月度社長会見要旨(2013.11.29)
Q.『ほこ×たて』放送終了について
まずはじめに改めてお詫び申し上げたい。視聴者のみなさま、出演者、協力いただいた企業、そしてスポンサーの方々に申し訳なかったと思っている。番組にとって演出は必要だが、『ほこ×たて』に関してはバラエティ番組とは言え真剣勝負を標榜しており、演出の許容範囲は厳しく設定していたはず。しかし、それにもかかわらず今回のような不適切な演出があったのでは視聴者との信頼が保てなくなる。番組の信頼性が担保できなくなったという判断で打ち切りを決めた。
BPOに報告書を提出し、現在討議していただいているが、その結果を待つことなく、社内ではこれをいま一度番組のあり方を議論する大切な機会と捉え、「不適切な演出の検証・再発防止委員会」を立ち上げた。何よりも議論し合い、全員で共有することが大事だと考えている。
後番組については現在最終検討中で、1月改編期のスタートを目指して調整している。
Q.「不適切な演出の検証・再発防止委員会」の内容は?(遠藤専務)
番組が100あれば100のルールがある。今まで作り手は無意識に、報道だから、バラエティだからと大きなジャンルによって番組のモラルライン(守られるべき演出の範囲)を設定していた気がする。ただ、今回のことで同じジャンルの中にもいろいろなモラルラインが混在している、つまり番組個々によって違うということを強く感じた。 委員会ではこの『ほこ×たて』問題の最終的な原因究明を行うと同時に、2点実施しようと思っている。1点目は、バラエティだけでなく、報道、情報、編成の外部発注番組、スポーツなど各番組のプロデューサーに担当番組のモラルラインを再チェックさせ、留意点・改善点を抽出し議論してもらう。2点目は、ロケ収録について非常に管理しにくい目が行き届かない現状があるので、ロケのチェック体制について現状把握及び検証、速やかな改善を行っていく。
Q.『笑っていいとも!』3月放送終了について
3月に番組を終了することを決断した。1月で放送8000回を迎えるが、それを踏まえて、タモリさんサイド、番組サイドといろいろ話しをさせていただきこの結論となった。フジテレビの年間視聴率が3位に低迷している中で、タイムテーブルを変えていかなければいけないという気持ちが強くあり、新しいタイムテーブルを作るために、ただ終わらせるということではなく、今後どのような方向性があるのかという話し合いを続けてきた。
『笑っていいとも!』は、フジテレビだけでなくテレビ文化の象徴。番組から育った出演者の多くが今さまざまな番組を持って活躍している。また、世の中にいろいろな「笑い」のバリエーションを提供しており、タモリさんの功績はとても大きく、尊敬に値する。ひと言では到底言い表せない。フジテレビでも番組から育ったディレクター、プロデューサーたちが大勢おり、社員全員が感謝してやまない。『笑っていいとも!』の次のステップである後番組も含めて、どう継承していくかが我々に課せられた義務だと思う。3月までタモリさんの功績に応えるべく全社を上げてフィナーレに向かっていく。
後番組については、バラエティ番組と考えている。現在社内で検討中、『笑っていいとも!』が偉大すぎて実はまだ何一つ決まっていないが、『笑っていいとも!』を超える番組を期待したい。
Q.今年の視聴率見通し、及び来年の目標について、就任半年の所感
すぐに視聴率が上がるとは思っていなかったが、半年前からあまり変わっていない印象で若干忸怩たる思いがある。しかし、改善されてきている点は少なくない。全日帯もよくなってきているほか、いくつも可能性のある番組が出始めてきたことが明るい兆しのひとつだと思っている。
そんな中、『ほこ×たて』のようなことが一つあると勢いが削がれるし、萎縮するといい番組も新しいタイムテーブルも作れない。そこの手綱の締め方ゆるめ方が社長業の大事な、そして難しいところなのだと実感している。それがうまくできるかどうかはまさにこれからにかかっていると思う。
就任のときに「踊っている場合ではなく、走ります」と言ったが、相当体力が必要なことがわかった。また比喩としてだけでなく実際、真面目に朝夕ランニングでも始めないと身体が持たないかなと思っている。少し話がそれたが、とにかくこれからも役員、社員全員と一緒に走り続けていこうと思う。
Q.最新の営業概況について
11月の数字がほぼ固まり、ネットタイムが前年同期比92.3%、ローカルタイムは同102.1%。単発スペシャル番組を実施した効果により、10月も前年実績を超えた。スポットは同94.1%で、計93.7%。市況は戻りつつあるので、早くいい芽が出るようにしたい。
Q.最新の映画事業の概況について
11月9日(土)より公開された『清須会議』は、本年度の邦画実写の中で最速の公開9日間で観客動員100万人を記録した。28日現在で、観客動員約164万5,000人、興行収入約19億9,000万円。年末年始期間があるのでさらなる上積みを期待したい。
興行成績で本年度邦画実写の上位を『清須会議』『真夏の方程式』『謎解きはディナーのあとで』『そして父になる』とフジテレビの4作品が占めそうだ。今年はこの4作品からもわかるように、硬軟大小、作品ラインナップのバランスがとてもうまくいった。
特に『そして父になる』は、メガヒットを狙うタイプの作品ではなかったが、是枝裕和監督、福山雅治氏のコラボレーションがうまくいき、カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したり、ハリウッドのメジャースタジオでのリメイクが決定するなど存在感を示すことができたと思う。
12月14日(土)から公開する『カノジョは嘘を愛しすぎてる』は、ティーンを中心ターゲットにしたラブストーリーで、個人的にはかなり楽しみにしている。連続ドラマの展開などもあるのではないかと実はひそかに思っている。
Q.最新の事業概況について
来年2月から始まるフジテレビ開局55周年記念イベントのシルク・ドゥ・ソレイユ「OVO(オーヴォ)」は、初めてお台場での開催となる。これをどうPR・ブームアップするか全社で考えてもらうためにプロジェクトを発足し、若手中心に台湾公演を視察する研修を行った。
『めざましテレビ』放送20周年記念企画のライブツアーは、最終日の日本武道館も満員で、番組、そして支えてくださるファンの力強さを感じた。
「ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 2013年来日公演」も、チケットは全公演完売となり世界最高峰の底力を感じた。