ニュースリリース

北海道文化放送が金賞受賞！
第31回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」
報道用DXを目的とするWEBアプリケーション
配信用ニュース動画を自動生成・FAX資料の検索も可能に

　フジ系列各社の技術部門による、第31回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」が、10月24日（火）に開催されたFNS理事社技術責任者会議において決定した。
　FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」は、日常業務の中から生まれた身近なアイデアやちょっとした工夫から、独自の技術開発や研究までを対象としており、FNS系列全社のイベントとして定着。今年は、系列20社から28件の応募があった。

　今年の「あんたが大賞」金賞は、北海道文化放送の“AWSを利用した報道用WEBアプリケーション開発と運用～「ニュース配信素材の簡易作成」と「受信FAXの自動電子化整理」～”が選ばれた。本システムは、報道用DXを目的としたWEBアプリケーション。これまでは、地上波で扱わなかったニュースをネットで配信するには、素材の作成に多くの時間と労力が掛かっていた。また、自治体から送られてくるリリースや道路状況などのFAX資料はPDF化して保存されていたが、検索が難しいという問題があった。これらの問題を解決するために開発された。
　AWS（Amazon Web Service）を使用して、サーバレスで安価に開発および運用を行っており、以下の3つの機能を備えている。

①テキスト原稿から配信用素材を簡易に作成する機能

　WEB上で入力された原稿からナレーション音声をAIで自動生成。警察署外観などの資料素材から映像も自動生成する。地上波では扱わなかったニュースの動画が10分ほどで簡易に作成できるため、配信コンテンツ数の増加に大きく貢献している。

②16:9動画をSNS向け縦型背景画像に合成する機能

　地上波で放送した16:9の横型動画を、YouTube ShortsやTikTokなどのプラットフォームに最適化された縦型にするためには、今までは編集機材や編集ソフトを使用して30分程度かかっていた。このアプリケーションでは、WEB上でタイトルや動画などを登録するだけで、5分ほどで縦型動画が自動生成され、編集機材や作業担当者の編集スキルに依存することなく作業時間が大幅に短縮した。

③スキャンされたファイルを画像認識や生成AIを用いデータ化・整理する機能

　スキャンされたファイルを画像認識や生成AIを用いデータ化・整理する機能 自治体から送られてくるリリースや道路状況などのFAX資料はPDF化して保存されていたが、検索が難しいという問題があった。このアプリケーションでは、スキャンされたデータを画像認識技術と生成AIを用いてテキスト化。アーカイブされたデータは簡単に文字検索できる。また、送信者や受信日時、画像認識結果、生成AIによる要約などの情報や、実際のスキャンデータも確認することができる。

　本システムは、配信用動画の作成作業を大幅に簡易化し、また、今までデータ化できなかった資料の検索を可能としたことにより、報道現場の業務改善に大きく寄与したことが高く評価され、今回の金賞受賞となった。

受賞者コメント

金賞受賞
杉本歩基（北海道文化放送 編成局編成部）

「この“報道用WEBアプリケーション”は、編成部という立場で、可能な限り広く貢献できるものは何だろうと考えながら開発したものです。業務の都合上、開発を行える人間が限られるなか、最大限効果を発揮できるものとして、大規模のモノではなく、痒い所に手が届くようなモノを心がけました。このアプリケーションは、“コンテンツ量の増加”と“業務改善”へのアプローチを行っています。配信やSNS等の仕事が当たり前になっている中、既存のアプローチで解決しようとすると、コストと時間がかかるという問題点があり、少しでも解決できる方法を模索しました。
もちろんシステム開発は作って終わりではなく、使われてからが始まりだと思っていますので、実際に運用している方々に敬意とともに感謝を申し上げます。また、多くの優れた事績がある中、金賞を頂戴したことは大変光栄に存じます。引き続き私ができる範囲で貢献できるようなことを行っていきたいと思います」

第31回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」（金賞、銀賞、銅賞）受賞事績

金賞

北海道文化放送
AWSを利用した報道用WEBアプリケーション開発と運用
～「ニュース配信素材の簡易作成」と「受信FAXの自動電子化整理」～

銀賞

富山テレビ放送
緊急中継でも安心！LineWorksを使用したスマホ中継連絡システムの構築

銅賞

テレビ西日本
CM移動連絡書 自動処理システムの開発