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2021年11月17日

株式会社フジテレビジョン

ルミエール・ジャパン・アワード2021
グッドプラクティス・アワード本賞を受賞
「高精細映像とオブジェクトベース音響の研究
~視聴者がカスタマイズできる立体音響コンテンツの制作~」

“『高精細映像とオブジェクトベース音響の研究 ~視聴者がカスタマイズできる立体音響コンテンツの制作~』の現場イメージ
『高精細映像とオブジェクトベース音響の研究
~視聴者がカスタマイズできる立体音響コンテンツの制作~』の現場イメージ

 先進映像協会日本部会主催のルミエール・ジャパン・アワード2021が、11月17日(水)、InterBEE2021にて開催され、フジテレビとNHKが協力して取り組んだ「高精細映像とオブジェクトベース音響の研究~視聴者がカスタマイズできる立体音響コンテンツの制作~」が先進映像分野の普及・発展への寄与が期待される取り組みに贈られるグッドプラクティス・アワード本賞を受賞。また、フジテレビが制作し1月2日(土)にBSフジで4K放送された『TimeTrip江戸-東京 続・日本最古の360度パノラマ写真の謎』が4K部門特別賞を獲得。フジテレビはダブル受賞の快挙となった。

 グッドプラクティス・アワード本賞を受賞した「高精細映像とオブジェクトベース音響の研究~視聴者がカスタマイズできる立体音響コンテンツの制作~」は、次世代の音声符号化方式でも採用されているオブジェクトベース音響の効果と制作ワークフローを研究するため、フジテレビとNHK放送技術研究所が協力し、ユーザ自身がコンテンツをカスタマイズすることが可能な3次元立体音響コンテンツの制作に取り組んだもの。
今回は、箏が主旋律の楽曲『Scorpion~11月の鐘~』(作曲:MAKI code“M”、箏演奏:吉永真奈)の動画を4K/HDRの高精細映像とオブジェクトベース音響による3次元立体音響で制作、将来の放送や配信における新たな視聴体験の創造を目指した。箏の主旋律に対して、オーケストラバージョン、ロックバージョンなど異なる4つのタイプの伴奏を用意し、視聴者が切替操作をすることで、好きな伴奏を選択することができるようになっている。また、主旋律の箏をミュートして伴奏のみを聴くことも可能としている。この技術を使えば、映画の中の特定の出演者の声を大きくしたり、スポーツ中継の音声をホーム側スタンド、アウェー側スタンドのどちらかのみにしたりするなど、視聴者が自分の好みに合わせて音声をカスタマイズすることも可能になる。
高精細映像、オブジェクトベース音響による3次元立体音響の組み合わせにより、さらなる可能性を展望できる先駆的な取り組みであると評価された。

 4K部門特別賞を受賞した『TimeTrip江戸-東京 続・日本最古の360度パノラマ写真の謎』は、昨年4K部門優秀作品賞を受賞した『TimeTrip江戸-東京 日本最古の360度パノラマ写真の謎』の続編。前作では、明治時代に東京復活大聖堂(ニコライ堂)の建築足場最上部から撮影された日本最古の360度パノラマ展望写真を、高解像度でデジタル化し4K/HDRコンテンツに仕上げることにより、ルーペだけでは見つけることのできなかったディテールを浮かび上がらせた。今作では、改めてこのパノラマ写真を検証し、いまだ不明な撮影者や撮影の目的などの謎に迫った。江戸幕末を再現した緻密なCG画像、4K/HDRならではのニコライ堂内の美しい質感表現、先進映像技術を用いることによる歴史的な発見に説得力を強める効果などが評価された。

『TimeTrip江戸-東京 続・日本最古の360度パノラマ写真の謎』日本最古の360度パノラマ写真をVRで体験検証する研究家・平井 聖氏
『TimeTrip江戸-東京 続・日本最古の360度パノラマ写真の謎』
日本最古の360度パノラマ写真をVRで体験検証する研究家・平井 聖氏

<ルミエール・ジャパン・アワードとは>
国内で制作・公開された優れた先進映像コンテンツを表彰することで良質なコンテンツの拡大と品質向上を目的として、2011年より行われている。主催する先進映像協会日本部会は、3D、UHD(4K・8Kなどのウルトラハイディフィニション)、VR(バーチャルリアリティー)などの先進的な映像技術を活用したコンテンツ表現が、教育啓発・表彰・調査研究を通して発展・普及されることを目的とする業界団体。

受賞者コメント

グッドプラクティス・アワード本賞
「高精細映像とオブジェクトベース音響の研究~視聴者がカスタマイズできる立体音響コンテンツの制作~」代表・飯田智之(フジテレビ技術開発部)

「“オブジェクトベース音響”というまだなじみのない最新技術を使って、1つの楽曲を全く異なるテイストに切り替えながら、3次元の立体音響で楽しむことができる新しい視聴体験の実現に挑戦しました。制作に参加してくださった皆様のあふれる才能とほとばしる熱意が形となった結果、このようなご評価をいただき感無量です」

4K部門特別賞
『TimeTrip江戸-東京 続・日本最古の360度パノラマ写真の謎』
演出・統括プロデューサー・大村卓(フジテレビ制作技術統括部)

「昨年の優秀作品賞に続き、続編も特別賞を頂けたことは大変光栄です。前作では謎が謎のまま終わってしまった“日本最古の360度写真は、いつ、誰が、なんのために撮ったのか?”今作では幾つかの答えを発見できました。今後更なる技術革新が行われ、歴史に埋もれた謎が解明できると信じています」