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2021年3月10日

株式会社フジテレビジョン

映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』
第30回日本映画批評家大賞・ドキュメンタリー賞を受賞

“世界でいちばん貧しい大統領”ホセ・ムヒカ氏 ©2020「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」製作委員会
“世界でいちばん貧しい大統領”ホセ・ムヒカ氏
©2020「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」製作委員会

 映画界を励ます目的のもと、現役の映画批評家が集まって賞を選出する第30回日本映画批評家大賞の受賞作品が3月10日(水)に発表され、フジテレビ社員である田部井一真が監督を務めた映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』がドキュメンタリー賞を受賞した。

 2010年から5年間、南米・ウルグアイの大統領を務めたホセ・ムヒカ氏は、収入の大半を寄付、公邸に住むことを拒み、愛妻と愛犬と共に小さな農場で質素な暮らしを続けた。そんな姿から、敬意を込めて“世界でいちばん貧しい大統領”と呼ばれている。2012年の国連会議で現代の消費社会を痛烈に批判し、人類にとっての幸せとは何かを問うた名スピーチは世界中で話題となり、田部井は当時ディレクターを務めていた『Mr.サンデー』でムヒカ氏を取り上げることになる。ウルグアイへ渡った田部井は一度も日本を訪れたことのないムヒカ氏が、日本の歴史や文化にとても詳しく、尊敬していることに驚かされる。なぜ、日本のことをよく知っているのか?その答えを突き止めるために何度もウルグアイへと渡り、ムヒカ氏への取材を重ねる。ムヒカ氏の言葉に心を動かされた監督は多くの日本人にムヒカ氏の言葉を聞いてほしいと願うようになり、ムヒカ氏自身も訪日を熱望。絵本の出版社の協力を得て、彼の来日が実現する……。
本作品はムヒカ氏と監督である田部井との不思議な交流、そして日本に贈られた愛に満ちたメッセージの数々を、田部井が追いかけた映像でつづりながら、ムヒカ氏の政治家としてだけでなく人間的な部分にもスポットを当てて丁寧に描いたドキュメンタリー映画。去年10月に公開されると、口コミで瞬く間に人気が広まり、スクリーン数も全国累計64館まで拡大、3月9日現在で観客動員は2万7000人(※注1)を超え、興行収入が約3400万円とドキュメンタリー作品としては大ヒットとなっている。

 選考委員の映画ライター・新谷里映さんは本作品を高く評価、ドキュメンタリー賞に選考した理由について「真実を伝えること、世の中で起きていることを伝えることがドキュメンタリーですが、『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』には、それ以上に“ムヒカさんを、ムヒカさんが思う幸せについての考え方を多くの人に伝えたい”その情熱を感じました」と語っている。

※注1)配信による視聴者数を含む

コメント

監督:田部井一真(フジテレビ情報制作センター)

「この度は、日本映画批評家大賞ドキュメンタリー賞に選出していただきまして誠にありがとうございました。一報を聞いて驚きました。とにかく、驚きました。この映画は、南米・ウルグアイの大統領を務めたホセ・ムヒカさんについて日本人である“私”の視点で見つめた物語です。公開前、手厳しい批評は覚悟しておりましたが、コロナに負けず上映してくださった全国の映画館、映画を愛してくださった観客の皆さま、関係者の力をお借りしたことで作品が歩み始め、頂くことができた賞だと感じております。今回の受賞を励みに、細くとも長くムヒカさんのことを伝え続けていきたいと思っています」

日本映画批評家大賞とは

映画界を励ます目的のもと、現役の映画批評家が集まって実行するもので、1991年水野晴郎さんが発起人となり、淀川長治さん、小森和子さんなど、当時第一線で活躍していた現役の映画批評家たちの提唱により誕生した。今年度を振り返って、功を残した人たち、やがて次の時代に大いなる飛躍を遂げる人たち、映画界に多大な足跡を刻んだ人たちを表彰し、新たなる明日に発展を遂げる映画を育てることを目的とする。

映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』作品概要

監督
田部井一真
企画・プロデュース
濱 潤
プロデューサー
大島 新
堀 治樹
撮影
中島大樹
編集
大山幸樹
音楽
石﨑野乃
製作
フジテレビ
ネツゲン
関西テレビ
出演
ホセ・ムヒカ
ルシア・トポランスキー
ナレーション
安藤サクラ
主題歌
『uzu』/三浦透子(作曲/編曲:森山直太朗)
協力
『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)
配給
KADOKAWA

2020年/日本/98分/カラー/ステレオ