ニュースリリース

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2020年11月16日

株式会社フジテレビジョン

クラウドと5Gを活用した遠隔制御による番組制作の実証実験に成功
「CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)」

フジテレビは、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社、ソニービジネスソリューション株式会社、ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と共同で、第5世代移動通信システム(以下、5G)商用サービスとクラウド上に構築した仮想中継システム(以下、クラウド中継システム)を用いた遠隔制御による番組制作「CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)」の実証実験を、2020年11月9日(月)に実施し、遠隔地からの映像・音声制御によるライブ番組制作に成功した。本実証実験は、中継システムのクラウド化と5Gによる通信の大容量化・低遅延化により実現したもの。

CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)実証実験の構成図
CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)実証実験の構成図

今回の実証実験では、お台場地区の2地点からドコモの5G商用サービスを利用して、ニュースや情報番組を想定した映像・音声をクラウド中継システムへ送信し、フジテレビ本社のパソコンからインターネット経由でクラウド中継システムを制御。2地点からの映像・音声をリアルタイムで切り替えながら、検証用ライブ番組制作を行った。5G網を活用することにより切り替え制御が低遅延化され、放送品質の番組制作がクラウド上で実現できることを実証した。

本実験で活用したクラウド中継システムは、報道を含む様々な映像制作用途を想定しソニーが開発を進めているソフトウエアベースの中継システム。 従来は、ハードウエアで制御していた映像のスイッチング、テロップの重畳、動画ファイル再生等、多様な映像処理をクラウド上で行うことができる。

本実験の成功により、中継現場で映像をリアルタイムに切り替えて番組制作を行う中継車などの役割をクラウド上に構築できる可能性が広がった。これにより、場所を選ばず遠隔地からの映像・音声制御による番組制作が可能となり、人員配置や設備構築の最適化に寄与できることが実証された。なお、このクラウド中継システムと5G網を活用した番組制作の実証実験は、今回が日本で初めてとなる。

今後、フジテレビでは、放送や配信における番組制作において、本システムの活用検討を進め、放送局におけるワークフローのデジタル変革に取り組んでいく。