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2020年5月29日

株式会社フジテレビジョン

映像情報メディア学会・2019年度(第47回)技術振興賞
2部門をフジテレビが同時受賞!

 5月29日(金)、一般社団法人・映像情報メディア学会の第66回定時社員総会が開催され、フジテレビが2019年度(第47回)技術振興賞の進歩開発賞(現場運用部門)とコンテンツ技術賞の2部門を同時受賞した。進歩開発賞は3年連続、コンテンツ技術賞は2年連続の受賞となった。

映像情報メディア学会技術振興賞 左から)進歩開発賞:伊東北斗、井村紀彦(フジテレビ放送部)、コンテンツ技術賞:伊藤正史(フジテレビ技術開発部)
映像情報メディア学会技術振興賞
左から)進歩開発賞:伊東北斗、井村紀彦(フジテレビ放送部)、
コンテンツ技術賞:伊藤正史(フジテレビ技術開発部)

 進歩開発賞を受賞したのは“クラウドを活用した「総合コンテンツ管理システム」の構築”。
 フジテレビは、それまでVTRで管理していた番組素材をデータファイルとして管理する「総合コンテンツ管理システム」を2019年2月から稼働させている。本システムでは、放送用番組素材とインターネット動画配信用番組素材などをデータファイルとして一括管理。放送が終了したアーカイブ素材はクラウドサービス上に保管することにより、必要となる機材とスペースを減らしてコストを削減し、運用の自動化と省力化を実現させた。これらの功績が評価され今回の受賞となった。

総合コンテンツ管理システムのイメージ図
総合コンテンツ管理システムのイメージ図

 コンテンツ技術賞を受賞したのは“放送と連携した気軽に楽しめるマルチアングル映像コンテンツ~CMAF-ULLによる超低遅延配信技術の実用化~”。
 従来のライブ配信では15~45秒もの遅延時間が課題であったが、新たに「CMAF-ULL」(Common Media Application Format - Ultra Low Latency)と呼ばれる超低遅延化技術を実用化することで、従来同様に運用が容易でかつWebブラウザで気軽に視聴できる環境を保ちつつ、遅延時間を地上デジタル放送と同等の2~3秒程度と大幅に改善させた。実際に『FIVB ワールドカップバレー』(2019年9月14日~10月15日の日本戦全22試合)、『サッカー・キリンチャレンジカップ2019』(2019年11月19日)、『東アジア E-1サッカー選手権2019』(2019年12月17日・18日)では、テレビ放送を見ながらほぼ同じタイミングで、スマートフォン等で注目選手や会場映像を楽しめるマルチアングルライブ配信コンテンツを提供することに成功した。、このCMAF-ULLの大規模な実用化は、システム構築に用いたAWS(アマゾン ウェブ サービス)のマネージドサービスにおける世界で初めての事例でもあった。これらの功績が評価され今回の受賞となった。

マルチアングル映像コンテンツのイメージ図
マルチアングル映像コンテンツのイメージ図

◆受賞者コメント

進歩開発賞:総合コンテンツ管理システムプロジェクトメンバー代表 井村紀彦(フジテレビ放送部)

井村紀彦(フジテレビ放送部)
井村紀彦(フジテレビ放送部)

「番組コンテンツの効率的な利活用が求められており、それを実現したシステムとなります。これまで培ってきたファイルベースワークフローにクラウド技術を組み合わせて、さらに磨きをかけました。この度、とても名誉ある賞を受賞できたことを光栄に思います。これからも本システムの有効活用を進めながら、更なる新しい技術を研究し、みなさまに貢献できるよう努めてまいります」

コンテンツ技術賞:伊藤正史(フジテレビ技術開発部)

伊藤正史(フジテレビ技術開発部)
伊藤正史(フジテレビ技術開発部)

「多くの皆様のご協力や、視聴者の方々の声が原動力となり、従来のライブ配信に“放送連携”という新たな活路を加えるCMAF-ULL技術を実用化することができました。海外からも注目を頂いており、今後の普及展開も楽しみです。ありがとうございました。コロナウイルスにより社会が大きく変わる中、動画配信などの専門技術で社会のお役に立てるよう、今後の研究開発に邁進してまいります」

◆映像情報メディア学会・技術振興賞 フジテレビ受賞歴(平成27年度以降)


◆一般社団法人・映像情報メディア学会とは

 映像情報メディアに関する学理および技術の進歩向上普及を図り、わが国における映像情報メディアの発達に寄与することを目的する放送技術・メディア情報・画像エレクトロニクス分野を取り扱う学会。毎年選考委員会を設け、映像情報メディアに関する優れた業績に対して、丹羽高柳賞・技術振興賞・鈴木記念奨励賞・映像情報メディア未来賞などの表彰を行っている。