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2019年5月31日

株式会社フジテレビジョン

第46回映像情報メディア学会
技術振興賞2部門をフジテレビが同時受賞!

5月31日(金)、都内で行われた一般社団法人・映像情報メディア学会が主催する「第65回定時社員総会」にて「2018年度(第46回)技術振興賞」の授賞式があり、フジテレビが技術開発賞(現場運用部門)とコンテンツ技術賞の2部門を同時受賞した。

映像情報メディア学会技術振興賞 授賞式 左から)技術開発賞:吉村理希、秋信真太郎、冨吉政貴(フジテレビ回線管制部)、コンテンツ技術賞(代理):白坂典義(フジテレビ技術開発部)
映像情報メディア学会技術振興賞 授賞式
左から)技術開発賞:吉村理希、秋信真太郎、冨吉政貴(フジテレビ回線管制部)、
コンテンツ技術賞(代理):白坂典義(フジテレビ技術開発部)

技術開発賞を受賞したのは「衛星回線の高効率化・双方向通信・運用自動化を実現した新SNGシステム(F・SAT)」。
フジテレビは、フジテレビとFNS系列局が使用するSNGシステムを2018年4月に更新。新SNGシステムでは、衛星回線の帯域を効率よく使用できる最新の変調方式、伝送データをいままで以上に圧縮できる最新の符号化方式を採用し、これによりデータ伝送効率を飛躍的に上げることができた。
また、衛星回線をIP回線として使用できるように改良したため、衛星回線を使ってインターネットに接続することや、双方向の通信ができるようなった。例えば災害現場など地上の各種通信回線網が使用できない場所でも、中継車が現場にあれば従来の映像素材の伝送だけでなく、インターネット接続やデータファイル送信、衛星IP電話など付加価値のあるサービスの提供ができるようになった。
さらに、中継車と放送局を衛星回線でつなぐ際に人手で行っていた接続チェック項目のほとんどを自動化することで中継現場と放送局で行われていた作業の大幅な効率化も実現した。
これらの功績が評価され今回の受賞となった。

新F・SATイメージ図
新F・SATイメージ図

コンテンツ技術賞を受賞したのは「ライブ音楽番組におけるフレアプラスレンズを用いた映像効果~2018FNS歌謡祭における活用~」。
強い光によって映像に光の線や光のにじみなどの光彩が入るフレアは、偶然に生じるもので、映像の演出効果として使いたい場合、従来は編集時にCG合成などによって付加してきた。生放送で意図するフレア効果を映像につけることは難しかったが、カメラの撮像面と集光部の間に空洞を作り、ここにアクリル材など透明な物質を挿入することで、フレアを付加させるフレアプラスレンズを考案。『2018 FNS歌謡祭』(2018年12月5日・12日放送)で実際に使用し、生放送番組でも、カメラマンの意図するフレア効果を自在に付加することができた。
このフレアプラスレンズにより、映像表現の幅を広げた功績が評価された。

フレアプラスレンズ
フレアプラスレンズ
フレア効果映像例
フレア効果映像例

受賞者コメント

技術開発賞:新F・SAT検討プロジェクトメンバー代表 秋信真太郎(フジテレビ回線管制部)

秋信真太郎(フジテレビ回線管制部)
秋信真太郎(フジテレビ回線管制部)

「既存の衛星回線のメリットを生かしながら、更に利便性を向上させ、今の時代にあった新しいインフラをどう作るかを系列局一丸となって考えた結果が、今回の新F・SATです。この度、とても名誉ある賞を受賞できたことを光栄に思います。これからも系列局と共に本システムの有効活用を進めながら、更なる新しい技術を研究し、みなさまに貢献できるよう努めてまいります」

コンテンツ技術賞:上田容一郎(フジテレビ制作技術統括部)

上田容一郎(フジテレビ制作技術統括部)
上田容一郎(フジテレビ制作技術統括部)

「こんなレンズがあったら楽しいだろうなという思いで、今回の考案に至りました。その結果、コンテンツ技術賞を頂き、光栄に思っております。本機器実現にご協力いただいた関係者の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました」

一般社団法人・映像情報メディア学会とは

映像情報メディアに関する学理および技術の進歩向上普及を図り、わが国における映像情報メディアの発達に寄与することを目的する放送技術・メディア情報・画像エレクトロニクス分野を取り扱う学会。毎年選考委員会を設け、映像情報メディアに関する優れた業績に対して、丹羽高柳賞・技術振興賞・鈴木記念奨励賞・藤尾フロンティア賞・ハイビジョン技術賞などの表彰を行っている。