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2017年10月23日

株式会社フジテレビジョン

地上波と同時4K HDR配信
『TimeTrip日本の海岸線~伊能忠敬の軌跡~』
<10月25日(水)2時35分~3時35分>

 フジテレビは、「映文連アワード2017文部科学大臣賞」を受賞した『TimeTrip日本の海岸線~伊能忠敬の軌跡~』を10月25日(水)2時35分から放送します。放送と同時に、地上波放送と同期再生する4K品質の映像をHybridcast 4K Video対応テレビ向けにインターネット配信します※1が、この際に、4K HDR対応の一部受信機には、HDRで配信する実証実験を行います。
 HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称で、従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べてより広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現できる映像表示技術です。

 フジテレビでは、2015年12月12日(土)に『4Kランドスケープ』を放送し、地上波放送と同時に4K映像を配信する実証実験に成功。2016年11月15日(火)に放送した『Oh!江戸東京名所図会』では、視聴地域ごとに異なるCMと本編がシームレスにつながった4K映像を配信しました。
 第3弾となる今回の実証実験は、実放送のハイブリッドキャストサービスでHDR映像を提供するもので、日本で初めての事例となります※2
 番組の放送が開始すると、マルチピリオドMPEG-DASH方式「Hybridcast 4K Video」対応受信機では、4K切り替えボタンを表示、ワンタッチで放送から4K配信映像に切り替わり、終了後には自動で放送視聴に戻ります。この際、HDR対応の一部受信機にはHDR映像を、非対応受信機にはSDR映像を自動的に配信します。

 本番組は過去2回の実証実験と同様に、緊急ニュース発生時には放送からの信号により自動で放送映像に戻す仕組みも備えており、4K配信映像の視聴時にも放送同様に視聴者の安心・安全を損なわないようになっています。
 また、前回の『Oh!江戸東京名所図会』と同様に、クラウド上のサーバから別々に配信される本編ストリームとCMストリームをマルチピリオドMPEG-DASH方式に再構成し、シームレスにつないで再生する技術を用いて、対応受信機では、視聴地域ごとに異なるCMと本編がシームレスにつながった4K配信映像を楽しむことができます。
 フジテレビでは、(1)放送視聴感覚で4Kおよび4K HDR品質映像を楽しめること、(2)インターネット動画のように視聴者の属性に応じてきめ細かい広告を提供できる可能性があること、(3)緊急ニュース放送の自動挿入など安心・安全機能もあわせ持つことなどから、本技術を有望なサービス手法の一つと考えており、引き続き、普及発展に向けて検討してまいります。

4K切り替えボタン画面イメージ
4K切り替えボタン画面イメージ

番組概要

番組名称
『TimeTrip日本の海岸線~伊能忠敬の軌跡~』
放送日時
10月25日(水)2時35分~3時35分
提供エリア
関東ローカル
番組内容
日本は周りを全て海で囲まれ大小6,852の島から成り立っている。その列島をまるごと測った男、伊能忠敬。彼は50歳を過ぎてから自らの足で列島の海岸線をひたすら歩き続け、歴史上初めて正確な日本地図を作った。歩いた距離は地球一周分。その壮絶な全国測量の旅の軌跡を、高精細4Kカメラ搭載のヘリで撮影。日本の海岸線の美しさと厳しさ、その姿をたどっていく!
対象機種
「Hybridcast 4K Video」対応テレビ
(対象機種には番組中に「4K映像」への切り替え案内を表示)
目的
ハイブリッドキャストにおけるMPEG-DASH方式の動画再生技術の確立
技術ポイント
  • 対象受信機自動判定による切り替え案内表示
  • 放送映像と同期した4K配信映像の再生
  • ハイブリッドキャストによる4K HDR映像配信
  • 4K配信に適切した映像ビットレートと、ネット回線の状況に適応した動的な映像ビットレート切り替え
  • 番組本編とCMなど、別々の配信ストリームのシームレス再生
  • 郵便番号に基づいて、視聴地域ごとに別のCM素材を再生
  • 緊急ニュース等が発生した際の4K配信映像から放送映像への緊急復帰(発生に備えた準備)や、番組終了時の自動復帰
  • 配信オリジンサーバや配信ネットワーク技術

※1 この取り組みは、総務省「ブロードバンドの活用による放送サービスの高度化に向けた実証事業」の一環として実施するものです。
※2 放送規格ARIB STD-B32 3.9版に準拠したHybrid Log Gamma(HLG)方式のHDR