ニュースリリース
2015年12月4日
株式会社フジテレビジョン
第27回「フジテレビヤングシナリオ大賞」受賞者発表!
大賞受賞作品「超限定能力」のドラマ化も決定!
大賞 「超限定能力」 青塚美穂
佳作 「人体パズル」 槌谷健
佳作 「龍に成る」 井上聖司
佳作 「ゴーン・アイデンティティ」 峯邦雄

受賞者の皆さん
左から)峯邦雄さん、井上聖司さん、代表取締役社長・亀山千広、青塚美穂さん、槌谷健さん
坂元裕二、野島伸司ら数多くの人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」。第27回の授賞式並びに記者会見が行われました。会見にはフジテレビドラマ制作センター部長・金井卓也、審査委員長を務めた、同プロデューサーの高田雄貴、そして大賞受賞者の青塚美穂さん(31)、佳作受賞者の槌谷健さん(34)、井上聖司さん(21)、峯邦雄さんが出席。また、会見の最後には大賞受賞作の映像化に関する発表も行われました。
今回、2061編の応募の中から大賞に選ばれた青塚美穂さんは先日発表された第41回「城戸賞」佳作も受賞した実力の持ち主。「将来は月9を書きたい」と意欲を見せる青塚さんの受賞作「超限定能力」は、自堕落な大学生がある日、突然、“他人の降りる駅”が見えるようになるという物語で、電車の中でしか使えないそんな些細な“超限定能力”と向き合うことで、周りの人を変え、自分も成長していく物語。高田審査委員長は「“電車内で駅名が見える”という設定が面白く、身近な着眼点ゆえに誰もが共感できる作品。また、主人公の成長を描く中で、青塚さんの人間に対する温かさが出ていた。今の時代、温かさが書ける作家が絶対に必要なので」と述べました。
佳作は、槌谷健さんの「人体パズル」、井上聖司さんの「龍に成る」、峯邦雄さんの「ゴーン・アイデンティティ」の3作品。「人体パズル」は、新聞記者が自殺現場にあった謎のQRコードを調べるうちに3Dプリンターから夜な夜な白い塊が出てくるというホラー作品で、高田は「構成が素晴らしく、完成度は一番高かった。奇抜なアイデアだけにとどまらず最後まで描ききっている」と評しました。「龍に成る」は、いじめっ子だったバンドマンがバイトで取材することになった将棋の世界で、いじめていた友人が最長連勝記録を目指すプロ棋士だったという話。高田は「キャラクターが一番描けていた作品。また将棋についてよくリサーチしており、その取材力も素晴らしい」と述べました。「ゴーン・アイデンティティ」は、地球上で一斉にみな一定の記憶を無くしてしまうという物語で、自分のことがわからなくなった人々はどうなるか、その行く末を描いた不思議な作品。高田は「着眼点が非常に面白く、多くの人を描きながらちゃんと描き分けていて、最後にまとまる構成力も高い」と評しました。
ドラマ制作センター部長の金井は、「“ヤングシナリオ大賞”は、新人の登竜門というよりも、即戦力で一緒にすぐドラマを作れる作家さんを探すために始めたものです。実際に第一回の受賞者である坂元裕二さんを始め、そうそうたるメンバーが今でも活躍なさっています。今の月9『5→9~私に恋したお坊さん~』の小山正太さん、木10『オトナ女子』の尾崎将也さんも受賞者です。今年の受賞作はどれも発想がユニークで、奇抜で、『世にも奇妙な物語』でもすぐに使える力作がそろったなと思います」とコメントしました。
受賞者コメント(敬称略)
大賞 「超限定能力」 青塚美穂

「超限定能力」で大賞を受賞した
青塚美穂さん
「まさか歴史ある“ヤングシナリオ大賞”を受賞できるなど夢にも思っていなかったので、うれしいです。それと共に、受賞後、脚本を直す作業があって、あまりにダメで“下手くそ”と言われて思い知らされたりして、へこみながら帰りました。でも、そういうことを続けて行きたいと思うし、受賞はラッキーな始まりですが、何より次に向かって行かなくてはと思います」
佳作 「人体パズル」 槌谷健
「審査員の皆さん、関係者の皆さんに感謝します。実は17回からずっと出し続けておりまして、応募の締切が1年の終わりで、その翌日が1年の始まりという風に毎年生きてきたので、まさに感無量という思いです。これでやっとグレゴリオ歴に戻れます(笑)。ともかくひとつでも多く実際に放送される作品にたずさわれるようにしたいです」
佳作 「龍に成る」 井上聖司
「とてもうれしいのですが、大賞を取りたかったので、佳作ということで非常に残念に思っています。これはまだ通過点ということで、脚本家の高齢化をふせぐためにも、面白い作品を書いて行きたいと思います。坂元裕二さんが19歳で“ヤングシナリオ大賞”をとってデビューし、今年も『恋仲』という作品があったように(※1)、若い人が書く作品がブームを作っていくと思っています。僕もそこにくい込んでいきたいです」
佳作 「ゴーン・アイデンティティ」 峯邦雄
「ぎりぎりに応募して、こんな変な作品が受賞できるとは思いもしなかったので、うれしく思っております。今まで挫折を多く経験しているので、続ける大変さを身に染みて感じており、今回の作品とも通じるのですが、さてここからどうしたら続けられるだろう、と今も考えています。いちから学びながらやっていけたらいいな、と思っています」
また、大賞受賞作品『超限定能力』は、大賞特典として、12月20日(日)24時45分からフジテレビでドラマとして放送されます。演出は、本作が監督としてのデビュー作となる野田悠介、プロデュースは土ドラ『テディ・ゴー!』を手がけた高田雄貴が務めます。ドラマのキャストは、おって発表予定。こちらも合わせてご注目ください。
※1:『恋仲』の脚本は第21回フジテレビヤングシナリオ大賞で大賞を受賞した桑村さや香が担当した。
番組概要
- 放送日時
- 12月20日(日)
24時45分~25時45分放送(関東ローカル) - 脚本
- 青塚美穂
- プロデュース
- 高田雄貴
- 演出
- 野田悠介