ニュースリリース

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2015年11月12日

株式会社フジテレビジョン

HD回線1本で4K信号伝送に成功!
新技術で低コストでの4K伝送・中継が可能に

 フジテレビは営電株式会社(本社:川崎市麻生区、代表取締役社長:深川喜男 以下、営電)、株式会社PFU(本社:石川県かほく市、代表取締役社長:長谷川清 以下、PFU)と共同で、HD回線1本で4K伝送できるシステムを構築し、伝送に成功しました。
 本システムでは、送信側で4K(60P)信号を、4Kリアルタイム圧縮IP伝送装置「QG7000 ※1」(PFU開発中)で950Mbpsに圧縮し、このIP信号を、「SDI-Hyper ※2」送信機(フジテレビと営電の共同開発)でHD-SDIに変換しました。受信側では、「SDI-Hyper」受信機でHD-SDIからIPに再変換し、「QG7000」にて4K(60P)信号に復調しました。(下図参照)


伝送実験系統

 伝送レートが950Mbpsであることから高画質で、JPEG2000圧縮方式(フレーム内圧縮)のため低遅延(約33ms以内)で伝送できることから、生放送でも十分使用できる品質であることが特徴です。更に、既存のHD映像機器(DDAやMTXスイッチャ)を通しても伝送できることを確認しています。

 中継現場から本社への番組伝送や、局内の信号分配において、通常は高価な4K設備や、高コストの回線が必要となりますが、本システムにより、既存の機器、回線を活用して低コストで4K伝送が可能となります。また、QG7000では4K多重伝送も可能であり、HD回線1本で4K素材を2回線伝送することも可能となります。本システムは、今後、放送局が4K設備を導入していく上で有用であると考えています。
 なお、本システムの内容については、2015年11月18日(水)から幕張メッセで開催される「Inter BEE 2015」営電ブースにて展示する予定です。

※1 4Kリアルタイム圧縮IP伝送装置「QG7000」


QoolTornado QG7000

IP入出力インターフェースを有し、4K(60P)信号をJPEG2000方式で圧縮、伝送するコーデック装置で、装置遅延は約33ms以内です。1筐体で4K信号を最大3素材の伝送が可能です。(今回の伝送はQG7000開発機で行いました)

※2 「SDI-Hyper」


SDI-Hyper送信装置

HD-SDI(Serial Digital Interface)の有効映像領域を活用して最大約1Gbpsのレートを確保しつつ、エラーのない安定した伝送が可能な装置です。IPとRF(Radio Frequency)の信号入出力インターフェースを有し、4K圧縮IP信号やSNG信号(1トラポン36MHz帯域のRF信号)を、HD-SDIの伝送路を使用して伝送できます。

以上