ニュースリリース
2015年9月24日
株式会社フジテレビジョン
HD1回線でSNG信号(1トラポン)や4K信号の伝送を実現!
~1Gbpsの超高速伝送装置「SDI-Hyper」を開発~
株式会社フジテレビジョン(本社:東京都港区、代表取締役社長:亀山千広)と営電株式会社(本社:川崎市麻生区、代表取締役社長:深川喜男、以下 営電)は、HD信号の標準インターフェースであるHD-SDI(Serial Digital Interface)を活用した、超高速伝送装置「SDI-Hyper」を開発しました。
この「SDI-Hyper」は、HD-SDIの有効映像領域を活用して約1Gbpsのレートを確保しつつ、エラーのない安定した伝送を実現しています。送受信機間の伝送路はHD-SDIであり、汎用の映像機器(DDA、MTXスイッチャ等)を通して伝送できます。また、全国の放送局間を結ぶHD素材伝送網も使用でき、既存のHD設備や回線を使用して、安価にSNG信号(1トランスポンダ、以下トラポン)や4K信号を伝送できます。
「SDI-Hyper」特徴
- SNG信号や4K信号を、既存のHD機器とHD回線を使って、低コストで伝送。
- 約1Gbpsの超高速、かつ、エラーがない伝送を実現。
- 悪天候や障害などで衛星アンテナが使用できない放送局が、別の放送局のアンテナを使い、サイトダイバシティによるSNG運用を実現。BCPにも対応。

SNG信号を伝送する実証実験では、1トラポン(36MHz帯域)分のRF(Radio Frequency)信号を丸ごと「SDI-Hyper」によりデジタル変換し、HD-SDI回線1本で伝送しました。受信信号をRF信号に再変換し、既存の衛星機器で問題なく動作しました。映像音声信号だけでなく、制御信号や連絡音声(OW)も同時に伝送できることも実証しました。
実際の運用においては、悪天候による降雨減衰や障害、更には大震災などで、自局の衛星アンテナが使用できない場合でも、「SDI-Hyper」を使って別の放送局との間でSNG信号を受け渡しすることで、他局のアンテナを使用して受信と送信が可能です(サイトダイバシティ運用※右図参照)。また、同時に遠隔による衛星管制も行うことができ、他局のアンテナを自局の設備と同等に使えるので、運用に制約や変更が生じません。
更に、「SDI-Hyper」にはIPのインターフェースを搭載しており、4K信号(圧縮)をHD回線1本で伝送することが可能です。約1Gbpsの高速伝送レートにより、高品質、かつ、超低遅延な4K信号の伝送を実現できます。
本装置については、2015年11月18日(水)から幕張メッセで開催される「Inter BEE 2015」にて展示(営電ブース)・発表する予定です。
以上