番組審議会
第560回 番組審議会議事録 概要
1.開催日時
2026年9月4日(金)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社
3.出席者
- 委員長
- :
- 岡室美奈子
- 副委員長
- :
- 小山薫堂
- 委員
- :
- 井上由美子、最相葉月、齋藤孝、サヘル・ローズ、舞の海秀平、三浦瑠麗、山田健太
- 局側
- :
- 清水代表取締役社長、石原代表取締役専務執行役員、大野取締役常務執行役員、大辻執行役員、川野執行役員、渋谷執行役員、藤井コンテンツ投資戦略局長
内ヶ崎第2スタジオ局長、竹内第3スタジオ局長、吉田コンプライアンス推進局長
番組関係者/高橋第2スタジオ制作センター室長、宮﨑第3スタジオ制作センター部長、島野プロデューサー、相澤プロデューサー、鈴木(編成担当)
番組審議室/出澤室長、額田統括担当部長、大橋主任、穂積特別アドバイザー
4.議事
(1)番組審議
審議番組:『Mr.サンデー』(8月16日放送)
各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された
- 2時間という番組の中でテンポよく色々なテーマを取り上げていて、とても見やすかった。多くのテーマを取り上げることで、視聴者に「これってどうなんだろう」と考えさせる番組づくりができていた。
- 日曜の夜に直近の出来事を振り返りつつ、最近の話題を知ることができる情報番組として安定感がある構成。
- 視聴者に分かりやすく伝えることに徹していて、それに成功している。その一方で、週末の報道情報番組は各局が似たテーマを扱うため、「他局が取り上げていない題材をどう見せるか」という差別化が重要。
- VTR一本一本に熱量があり、制作者の熱量を感じる丁寧な作りで見応えがあった。ナレーターの使い方も贅沢で、それが番組の品格につながっているのではないか。
- 週末の番組らしい空気感を出すために、これから始まる週に起こるニュースへの人々の興味を喚起するようなVTRがあってもいいのでは。
- 『Mr.サンデー』の強みは、一つの物語として作られた企画、時間が経っても意味のあるVTRの枠が確保されていることにあると思う。
- 番組は2時間強になってからやや長さを感じるようになっている。『Mr.サンデー』といえばこれだと思い出すようなインパクトのあるコーナーが必要では。
- 宮根さんの魅力は、安定感と抜群の対応力にある。『ミヤネ屋』を卒業されるので、『Mr.サンデー』の中で「新生・宮根誠司」を感じさせるコーナーがあると番組の魅力が高まるのでは。
- 番組冒頭で高校野球を取り上げ、有明高校の4人だけの吹奏楽部にフォーカスしたことは、日曜夜にふさわしい心温まる内容で、チャレンジングで効果的だった。その一方で、東日本大震災を乗り越えてきた対戦相手の東日大昌平高校の過去の被害にも触れていれば、より深みが出たのでは。
- 部員が数名しかいない吹奏楽部の本番までのバタバタした様子を丁寧によく取材していた。高校野球にあまり興味のない人にも、甲子園という大会が持つ文化的・歴史的な意味を感じてもらえる内容だった。
- 千葉豪雨の特集では、被害の実態だけでなく、想定区域外でも被害が起きた点を伝え、大雨のときの判断の難しさや恐怖をリアルに感じさせてくれた。「自分だったらどうしただろう」と考えるきっかけになった一方で、「私たちはどう備えればよいのだろうか」という問題提起に対する答えが示されず、疑問が残った。
- 千葉豪雨で、道路で人が溺れるというあり得ないことがなぜ起こったのかよく分かって見入ってしまった。一方で、なぜ車が水没すると人は死んでしまうのかを説明した方がよかった。いざというときに早く逃げなければ車から出られなくなる理由まで伝えてほしかった。
- 「放置車両」という表現に違和感を覚えたという視聴者の声があったが、「放置したくて放置したわけではない」という被災者の気持ちに寄り添うコメントを宮根さんが加えることで、イメージも変わるのでは。
- 災害報道は、テレビは取材検証し責任を持って公共の電波で発信する信頼性の高いメディアであることを打ち出せる場所。こういうテーマには今後も力を入れてほしい。
- 放送前日が「終戦の日」だったにもかかわらず戦争について触れなかったことが気になった。世界各地で争いが起きている中、戦争について考えることは8月15日だけではなく必要ではないか。
- プーチン大統領の北方領土視察のニュースでは、強い表現が使われていたが、ジャーナリズム倫理には「人道的配慮」も重要。隣国への批判は必要だとしても、差別的感情を呼び起こすような悪い言葉は基本的に使うべきではない。
- 北方領土問題については、基本的な経緯を知らない人も多いと思う。原爆投下のあとにソ連が日ソ中立条約を破棄して参戦したことなど、歴史的事実を一枚のフリップで整理して示してもよかったのではないか。
- 中露朝による日本包囲網の話が出てきて非常に衝撃を受けたが、あおっただけで放っておかれたような印象も残った。日本は今後どのような外交をすべきなのか、日本がどう振る舞えば危機を回避できるのかといったことを具体的に聞きたかった。
- 韓国の格差問題は非常に重要なテーマでありシリーズ化してほしい。その際には、日本は違うと安心するのではなく、地続きの身近な問題として取り上げ、日本でも格差が広がる中で、どうすれば回避できるのかまで踏み込んでもらいたい。
- 少子化や格差の問題は繰り返し紹介されているテーマであり、問題解決に向けての話をする段階にある。「どういう社会を作るのか」というところまで発想の転換が必要。
- 韓国の格差社会の企画は面白かったが、貧困地区の取材のような場面では、ナレーションの声音が興味本位や揶揄に聞こえないよう十分に気をつける必要がある。
- 韓国はOECDでワーストの低出生率だが、政府を挙げて異次元の少子化対策を行って少し改善した。大企業も不妊治療の補助などに力を入れている。そういうポイントを紹介すると、少子化が進む日本にとっても参考になる。
- 格差問題については今後も継続的に取り上げ、結婚に対する若い世代の「諦めムード」を少しでも変えていくような流れになればいいと思う。少子化対策がうまくいった事例など明るい方向の例を見せてほしい。時代の空気感をつくるのはテレビの大きな役割なので、積極的で前向きな気分にすることも大切。
- ChatGPTとの対話から「ぷりんバー」を開発した親子の話は、「商品開発にAIが直接関われるんだな」と興味深く見ることができた。
- 最後の「いま気になるニュース」はとても良かった。コメンテーターが自分で選んだニュースは力が入り意欲的なコメントになる。コメンテーターのキャラクターや立ち位置を示すコーナーとして続けてほしい。
- YouTubeに過去の企画VTRが蓄積されているが、このストックを番組ブランドの核にしてもよいのではないか。YouTubeではその後の取材を付け加えるなどすれば、見たくなる導線にもなる。さらに、ホームページで過去のラインナップが一覧になっていて、そこからYouTubeへアクセスできるようにすれば、もっと見やすくなる。
これらの意見に対して、フジテレビ側からは以下のような回答があった
- インパクトのあるコーナーが必要というご意見を頂いたが、何か『Mr.サンデー』という番組に対して期待値が高まるようなコーナーをしっかり作っていきたい。
- 水害で車に閉じ込められたらどうなるんだ、どのくらいで窓が割れるのかという話は、色々な情報番組で何回もやってきていて、心の中で「もういいじゃないか」という思いがあった。伝えなければいけないことは、丁寧にその都度説明しなければいけないと感じた。
- プーチン大統領が北方領土に行ったニュースに関して、「そもそも北方領土とは」をきちんと説明した方がいいのではないかというご指摘を貴重なご意見として受け止めたい。
- 安易にあおる、センセーショナルな見出しに行きたくなる傾向があったのかもしれない。実は歴史的な背景や明るい解決策の方が求められている可能性もあることに、改めて気づかされた。
- ニュースを放送している以上、不幸なニュースが多くなるが、明るい話題をどのように入れていくかも意識している。諦めムードを変える雰囲気を作るのもテレビの役割というご指摘があったが、一つ一つのニュースにポジティブな要素を昇華させていくことは重要。引き続き色々な形で取り組んでいきたい。
(2)フィードバック:
7月の審議対象「スポットライト 調査報道プロジェクト」は、番組審議会の審議を以下のように受け止めたことを報告した
- 同じテーマを継続して取り上げ課題解決に向けてしつこく取り組んでほしい
→報道局内で粘り強く継続的な取り組みを続けていくことを改めて確認。
- ナレーターを統一するなど見た瞬間に「スポットライト」と分かる特徴があれば、「スポットライト」というブランドが輝く
→ナレーターについてはトーンも含めて10月改編に向けて本格的に検討。シリーズロット番号やテロップのデザイン統一なども検討していく。
(3)報告事項:
フジテレビから以下について報告した
- 「民間放送ガバナンス指針」への適用状況の公表について
- 10月改編について
以上