番組審議会
第558回 番組審議会議事録 概要
1.開催日時
2026年6月10日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社
3.出席者
- 委員長
- :
- 岡室美奈子
- 副委員長
- :
- 小山薫堂
- 委員
- :
- 井上由美子、最相葉月、齋藤孝、サヘル・ローズ、舞の海秀平、三浦瑠麗、山田健太
- 局側
- :
- 清水代表取締役社長、若生常務取締役、大野取締役、塚越常務執行役員、大辻執行役員、藤井コンテンツ投資戦略局長、濱第2スタジオ局長、
内ヶ崎第3スタジオ局長、吉田コンプライアンス推進局長、渡邉広報局長、現王園社長室長
番組関係者/竹内第3スタジオ制作センター室長、飛田(企画・演出)、橋本(チーフプロデューサー)、黒川(AI技術監修)、中村(編成担当)
番組審議室/出澤室長、額田統括担当部長、大橋主任、穂積特別アドバイザー
4.議事
(1)番組審議
審議番組:『AI実験バラエティ シンギュラ』(5月14日放送)
各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された
- 実験精神にあふれていて、クリエイティブなものを創り出そうという心意気が感じられる。
- これだけAIをしっかりと取り入れて作った番組というのはおそらく初めてなのでは。その挑戦精神に拍手を送りたい。
- AIを利用した笑いという新しい試みで、生成AIの日常化という現代社会の最大の課題を取り込んでいて評価できる。
- 最近のAIに関する報道には、どうしてもネガティブなものが多い中で、AIを活用し純粋にAIを使って楽しむという姿勢で臨んだ点が良かった。
- 20年後、30年後は、ほとんどがAIの番組になっているかもしれないが、そのときに振り返ったら、「最初はフジテレビのこの番組が出発だった」ということになる歴史に残りそうな番組。
- 良い意味でバカバカしい軽い乗りがある番組で、このようなお笑い番組は1日の終わりにクールダウン代わりにテレビをぼんやり見て時間を過ごすにはとても適していて、番組作りの楽しさが伝わってきた。
- 少し進行がだるいところがあった。何度もAIアナウンサーにお題を繰り返させるのは、打ち込まれて癖になる一方で、少し長いと感じる瞬間があった。
- 画像処理によるディープフェイクを奨励しかねない側面が否定できない。社会に対してマイナス面を気づかせるとまではいかなくても、AIのもう一つの側面を逆に利用した企画を考えるくらいの問題意識が欲しかった。
- リアルな映像でもこれからは「これ、嘘じゃないの」という視点で見る人も増えるのではないかという点では、意外と日本人のAIリテラシーを向上させるきっかけにもなったのではないか。
- 芸人の力が改めて認識された。AIを使う時にこそ人間側の実力がより問われる。「人間に何ができるのか」という問いの立て方がすごく良かった。
- お笑いはAIがまだ入っていけない領域だと、芸人が持つ力を改めて発見させた。
- AIによって人が使われているのではなく、AIを使いながらその人が何をチョイスするのか、どんな行動をとるのかという個々の内面が見えてきて、テレビの可能性を感じた。
- 「空想ものまねショー」は、AIの答えが面白いというよりもAIの答えによって右往左往し振り回されている人間を見るのが面白かった。
- 「空想ものまねショー」は、最初は意図を理解できなかった。AIの至らなさを人間の芸人がカバーしていることが分かって、その姿がどこか面白くて愛おしく感じた。ただ、1回目でそれを受け取れなかったので、やはり1回見ただけで楽しませてほしい。
- この番組の試み自体が今の社会に必要。継続的に見せてもらいたい。AIの進化とともに番組の中身も濃くなっていくだろう。継続的に制作すると、番組の内容もますますクリエイティブになっていくのではないか。
- AIはひらめきの天才というよりも真面目な秀才なので、つぶれかけた店の再生プランを考える、結婚式のスピーチを考える、男性が女性に告白するメッセージを考えるなど、若干ホロッとするコーナーがあっても良いと思った。
- お笑い芸人が面白いことをするのは当たり前なので、普通の主婦やサラリーマンであっても、AIを使って、お笑い芸人に匹敵するような大喜利ができるという姿も見てみたい。また、狂言師や落語家など伝統芸能で笑いを突き詰めている人たちの大喜利なども見てみたい。
- 日進月歩で時々刻々と進化しているAIを相手にすると、ここまでいけば面白いというゴールが設定できないので大変だと思うが、AIの進化に負けずに、試行錯誤を重ねて、面白い番組に育てていただきたい。
- 番組でAIと芸人たちが作ったキャラクターに視聴者の声も反映して、コンテンツとして展開し成長させていくこともできるのでは。
- 若林さんが別の空間から俯瞰的に見てコメントするスタイルがメタ的で、一緒に楽しむよりも少し距離のあるコメントで面白かった。あまり面白くないネタでも若林さんが新鮮に面白がることで「面白かったのかな」という気にさせられてしまうようなマジックもあった。
- 若林さんは、立ち位置が中途半端に感じた。若林さんだけが別室にいると、少し上から目線でコメントしているような印象を受けてしまった。
- AIの答えだけでなく、芸人がどこまで細かくコントロールしたかというプロンプトを表示してほしい。そこがそれぞれの特異なキャラクターだと思うし、そこに笑えるものがあるのではないか。
- 芸人たちのプロフェッショナルな部分を感じたが、だからこそプロンプトを見たいと思った。番組の中では難しくても例えばウェブ上など他のところで見せるというようなやり方はないのかと感じた。
- 芸人は執着の塊であり、それこそが魅力であり才能として映っている。芸人のこだわり、好奇心がプロンプトに生きていると思うので、プロンプトを比較するなら、その執念みたいなところを言語化して、なぜうまいのかが分かるようにすれば面白いと思う。
- 「生成しました」というキーフレーズが面白い。生成AIの出来すぎ感を少しおちょくる感覚が「生成しました」という言葉にはあって笑えた。
- きょうだいがゲームをしながら喧嘩になっていくAIが生成した動画については、小さい子どもにしては過激な動きで、少し気になった。
- 柴田理恵さんに水着を着せたり藻を食べさせたりしたところが気になった。
- スタッフの笑い声が気になった。昔のフジテレビっぽさ、内輪感を感じてしまった。
これらの意見に対して、フジテレビ側からは以下のような回答があった
- 大喜利とものまねという昔から親しまれているフォーマットに、あえてAIというメスを入れて新しく見せることに取り組んだ。以前からある企画でも、見せ方を一つ変えるだけで、今の時代にあった新しいコンテンツを生み出せると思っている。
- AIとはという解説が最初にある方がマスメディアとしては正しいとは思いつつも、バラエティ番組を作りたいという思いで立ち上げた企画なので、そういった情報性を排除して、「実はこの企画の裏にAIが使われているんだよ」というくらいの見せ方にできたらと考えた。
- AIとの向き合い方は、今後も番組を続けていく上で課題として考えていかなければいけない。今までもAIのリスクを気にしていたつもりだが、改めて認識して番組制作に向き合わないといけないと感じた。
- ディレクターが企画を立案したとき、「何を見せたいか」と聞いたら、「人間の力がAIを超える瞬間を見せたい」という答えが返ってきて、プロデューサーとして共感した。
- 若林さんの立ち位置に関しては、すごく悩んだ部分がある。若林さんは日常から圧倒的にAIを使っている方であることを描かない構成にしてしまったので、偉そうに見えてしまったと反省している。
- プロンプトの中身を知ることでよりその人の考え方が見えてくると思う。脳みその中が見えることを目指した企画なので、次回があれば、そういった部分も引き出せるような構成にしていきたい。
(2)フィードバック:
5月の審議番組『真剣遊戯!THEバトルSHOW』は、番組審議会の審議を以下のように番組に反映したことを報告した
- 「櫻井チャンス」のバリエーションを増やしてはどうか
→前回の収録では、少し違うやり方で、櫻井さんが登場する見え方やポイントの立て方を行った。
- トークの差し込み感が強い
→オープニングトークを各ゲームの間に持っていく編集は修正し、各ゲームのところでトークも収録するスタイルに変えている。
- 番組の導入がぬるっとしていてルール説明が足りない
→前番組から視聴率の流れをキープするため、なるべくシームレスを意識した編集を行いつつも、ある程度登場感があり、視聴者にとってコーナーやルールの説明が分かりやすいようにナレーションやテロップで補強する改革を行った。
(3)報告事項:
フジテレビから以下について報告した
- フジ・メディア・ホールディングス「グループビジョン」策定について
- 新しい企業理念の策定について
以上