番組審議会
第554回 番組審議会議事録 概要
1.開催日時
2026年2月12日(木)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社
3.出席者
- 委員長
- :
- 但木敬一
- 副委員長
- :
- 岡室美奈子
- 委員
- :
- 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、サヘル・ローズ、舞の海秀平、三浦瑠麗
- 局側
- :
- 清水代表取締役社長、若生常務取締役、大野取締役、友岡常務執行役員、塚越常務執行役員、大辻執行役員、藤井コンテンツ投資戦略局長、若松第1スタジオ局長、
濱第2スタジオ局長、内ヶ崎第3スタジオ局長、吉田コンプライアンス推進局長、渡邉広報局長、現王園社長室長
番組関係者/成河ドラマ・映画制作センター室長、渡辺ドラマ・映画制作センター部長、栗原プロデューサー、加藤編成担当
番組審議室/出澤室長、額田統括担当部長、大橋主任、穂積特別アドバイザー
4.議事
(1)番組審議
審議番組:『ラムネモンキー』第一話(1月14日放送)
各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された
- 単純な考察ドラマではなく、現在と過去、虚構と現実、捏造された記憶と実際に起こったことなど、様々な二項の境界が揺らぐところが、単なる昭和レトロやノスタルジーではなく、作品に深みを与えている。
- 単なる昭和レトロとミステリーの融合で終わらず、大人たちの青春と友情が緻密な計算によってしっかりと描かれているという点も素晴らしい。
- 一番良いと思ったのは、キンポーが「見下しに来たんでしょ」と言うところ。このドラマが扱うテーマは、謎解きというエンタメだけではなく人の内面なんだよという入り口になっていて巧みに考えられている。
- 主人公が3人とも今の人生に負けている人たちだが、1人ぐらいバリバリに勝っている人がいて、勝者の悲哀とか格差とか葛藤を描いても面白かったのでは。
- 記憶が怪しいという謎と向き合っていくのは、これまでありそうでなかったモチーフで、新鮮な枠組みになっている。青春へのノスタルジーを満足させつつ、記憶という人の内面に対する考察ミステリーにもなっているところは、大変興味をかき立てられた。
- 記憶についてとても考えさせられた。人間というのはとても記憶が曖昧で、昔の友人と会話していて、一緒にやったことを話し合ったときに、お互い全く違う記憶ということが結構ある。そういうことも思い出させられた。
- 30年ぶりに再会する始まりのシーンが忘れられない。普通に再会していろいろな話ができていたのに、マチルダの話になった瞬間、空気が止まってしまった。過去に触れたくないまま大人になった。これは自分にもある。そういう自分のいろいろな記憶を振り返ることができる作品。ラムネのようにシュワシュワといろいろな感じにさせてもらえた。
- 思い出は甘くて切なくてトータルなものとして迫ってくるのだが、この番組では何が真実だったのかというリアルな思い出と、今までの甘い思い出とで、全然違うものを見せようとしているのが面白い。思い出が、リアルにもう一度出てきたら人間はどういう反応をするだろうかというところは押し寄せてくる迫力がある。
- 青春を振り返るだけではなく、「中年の再起動」を描いている。ドラマを見ながら共鳴する部分もあった。現代社会の方々が抱える喪失感、責任感、未処理の感情といったものが、エンターテインメントの中で本当にうまく融合されている。
- 50歳を少し超えた彼らが過去に立ち返るときに、過去を美化しすぎると現在に対する意味合いがなくなってしまうが、社会的評価や周囲との人間関係がうまく描かれることによって、紋切り型ではなくなっている。
- 一見成功してきたはずの雄太の家族や会社の人間との関係性は、意外と彼の主観で回っていたにすぎないのかもしれず、夫であるとか父親であるとかエリート社員であるとかいう役回りにすぎないことを見せるところは、いろいろな人の共感を呼ぶのではないか。
- 自分自身SFが好きだった時代があるので、『未知との遭遇』を思わせるシーンが冒頭から出てきて、やられた感じがした。
- ドラマの中で80年代のことも描いてくれるので、当時はこういうジーパンを履いていたなとか、ジャケットもこういうスタイルで色合いもこうだったなとか、そういうところで懐かしさを感じることができた。
- 第一話はあまりテンポが良くない印象を受けた。スリリングな展開なので、全体的にテンポよく運んでほしかった。情報量が多すぎたせいか、少し間延びしてしまったように感じた。
- 第三話でマチルダが「創作をするということは批判も批評もされること。それでも創らずにいられない人が創作者になる。君は批判する側になりたい?される側になりたい?」と言うセリフ。あれは結構ずしんときた。
- 先生の存在がすごく良いかたちで描かれていることを大変嬉しく思った。大人の存在感、大人の物の見方をきちんと示してくれていて、子どもたちが非常に頼りにしている。
これらの意見に対して、フジテレビ側からは以下のような回答があった
- 自分自身を疑って、自分自身が取り残してきた情熱を取り戻すことがあれば、さらなる活力になっていく。このドラマを見た人がそうなってくだされば、役割が果たせたのかなと思っている。
- 主人公3人が全員少し挫折していて方向性が似てしまっているという指摘は、おっしゃる通り。勝者の部分と敗者の部分のコントラストを、もう少しうまく出せたら良かった。
- 思い出がリアルになってきたときは、楽しさと同時に怖さもある。その怖さから離れるために無意識のうちに自分自身の都合の良い記憶として留めて、思い出としているのだと思う。思い出が目の前にリアルに出てきたときの主人公たちの葛藤や反応がドラマチックで迫力があるものになれば嬉しい。
- 「中年の再起動を描いている」という言葉をいただいたが、自分たちの中にある永遠の中2みたいなところが、残り半分の人生のブースターのようなものになるのではないか。広く視聴者の皆さんが、「中年の再起動」を自分のことのように共有していただければ非常に嬉しく思う。
- 80年代のノスタルジックな物語を作るというよりは、今、我々が生きていく中で過去に忘れてきたものを見つけることで、生活が少しでも前向きになれるのではないかということをテーマにした。
- 第一話のテンポが良くなかったというご指摘はおっしゃる通り。設定の説明に時間がかかる構成にならざるを得ず少しテンポが悪かった。第二話以降、テンポアップするよう編集のやり方を変えるなど改善しているが、少しでもテンポ良く、この複雑な話が視聴者の皆さんに届けば良いと思っている。
(2)フィードバック:
1月のテーマ審議「for The Next これからのフジテレビへ~残すフジテレビ、変えるフジテレビ」について、局側から受け止めを報告した
(3)報告事項:
フジテレビから、以下について報告した
- 元社員による情報漏洩行為について
- 「民間放送ガバナンス指針」の制定と「ガバナンス検証審議会」の設置および 「人権に関する基本姿勢」の改定について
以上