番組審議会
              
              
                第551回 番組審議会議事録 概要
                1.開催日時
                2025年10月8日(水) 正午より
                2.開催場所
                東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社
                3.出席者
                
                  - 委員長
- :
- 但木敬一
- 副委員長
- :
- 岡室美奈子
- 委員
- :
- 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、サヘル・ローズ、舞の海秀平、三浦瑠麗
- 局側
- :
- 清水代表取締役社長、若生常務取締役、大野取締役、友岡常務執行役員、塚越常務執行役員、鈴木執行役員、大辻執行役員、藤井コンテンツ投資戦略局長、濱第2スタジオ局長、内ヶ崎第3スタジオ局長、川野報道局長、吉田コンプライアンス推進局長、渡邉広報局長、現王園社長室長
 番組関係者/木月CP、前田企画・編成担当、髙橋演出
 番組審議室/出澤室長、額田統括担当部長、大橋主任、穂積特別アドバイザー
4.議事
                (1)番組審議
                  審議番組:『凍った悩みを60秒で瞬間回答!』(9月4日放送)
                  各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された
                
                  - 60秒という制限時間の中で、悩み、対処法、実演・結果の流れが明確に整理されており、わかりやすく、どの層が見ても実践しやすい。
- 思わずメモを取りたくなる情報がテンポ良く紹介されていて面白い。「瞬間回答」というキーワードは、「もったいぶらない」ということをアピールするキャッチコピーとしても秀逸。
- 我々の注意力があまり持続しなくなってきたインターネット時代にすごく合った番組で、タイパ重視が表れていると思う。
- ずうっと同じペース、同じテンポで、見ていると飽きてしまうところもあった。一日のルーティンの中で紹介するというのは良かったが、あのような見せ方の発明がもう少し入っていると、より良い番組になるのではないか。
- 専門家による内容の信頼性と、出演者の皆様による親しみやすさ、この両立がバランス良く、見やすかった。
- 基本的に出演者はリアクション担当なので、何かもう少し組み合わせの妙があっても良いのかなと思った。出演者の新鮮なリアクションが加えられるだけで番組への注目度が増すと思う。
- お悩み解決は家庭を切り盛りする人にとってすごく役立つものが多かったと思う一方で、多くの人が今の自分たちの暮らしを何とか維持したいと考えている、物価高で給料が上がらない社会の風潮について感じさせられた。
- 視聴者の誰にでも手が届きそうな手頃な食材を使って、工夫次第で美味しく頂ける内容で、すごく生活にも役に立つ。
- それぞれのネタは身近な「あるある」が中心で、よくやっているネタではあるが、回答には過剰でないちょっとした捻りが入っていて、構成と演出のほどの良さを感じた。
- 安い食材に“あるもの”を入れるだけで料理が美味しくなるというのは、試してみたくなる。とんでもないものを入れるので、「それはないでしょう」と思うけれども、プロの料理人の方が美味しいとおっしゃるので、説得力があった。
- 60秒という制限上、仕方のない面ではあるが、全体的に解説や補足情報がやや不足していると感じた。視聴者の理解をより深めるために、補足的な解説や図示等があるともっと良い。
- 「Yahoo!知恵袋」の相談がベースになっているが、その日付に2010年前後のものが多かった。すでに解決されていたものもあるとすれば、情報の新鮮味をあまり感じず、それが情報価値の毀損につながってはいないか。
- クラシック音楽、現代美術など文化・教養面の悩みも入れていただくと、幅が広がるかなと感じた。テレビが担っている役割として、そういう文化・教養に開いていくことも大切だと思う。
- 「アーモンドチョコレート入りの玉子焼き」などは料理人の検証がなかったので本当に美味しいのかと思った。検証のプロセスを見せていただいても良い。きちんと検証しているのがテレビの良さだから、もう少し強調しても良い。
- 相性のいい組み合わせの食べ物が続くので、見ているうちに「美味しいもの同士だったら何でも相性が良いんじゃないか」という感じになってくる。「意外と駄目だった」みたいなものもあると、説得力が出やすい。
- 「日常生活で直面する主婦のイライラ」は相談が全部女性のナレーションであり、家事の悩みは女性だけのものという印象を受けてしまう。こういうくくりで主婦、女性を強調するというのはどうなのか。バランスが必要な時代になってきている。
- 夫が「弁当の玉子焼きがありきたりだ」というコーナーは、「妻が弁当を作る担当なのか」と怒る人もいるかもしれない。夫が弁当を作りたくなるような視点も入れていただくと良かった。
- 検索をすれば誰かが何かを書いている、動画を上げているという時代だからこそ、投書や投稿ビデオみたいなものの窓口を番組ホームページに設けて質問を募集するというアナログ的な方法で知恵を集めても良いのではないか。
- リアルタイムで見ていると情報量が多過ぎて、メモを取り損ねたところを復習したり確認したりしようとしてもできない。ホームページを見ても何も掲載されていないのは親切ではない。
これらの意見に対して、フジテレビ側からは以下のような回答があった
                
                  - この番組のコンセプトはテンポ良く見せていくこと。悩みに対してすぐに気持ち良く回答が見られるというテンポ感を大事にしている。
- テンポが一定過ぎて飽きてしまうとご指摘いただいたが、次回の放送があるときは、変化をつけるギアチェンジの部分など、いろいろと新しいことに挑戦していきたい。
- 多数の企画を出して「これは見たことがあるからやめよう」、「この回答は見たことがない」など、ひとつひとつ精査している。ここが番組の面白さの肝。ちょっとした発見があるものや実際にやってみたいと思ってもらえるようなものを用意していくことが必要。
- 今回は全て「Yahoo!知恵袋」で実際にあった質問を使っている。中には古い質問も含まれているという指摘はその通りだが、逆に言うとそういう悩みは普遍的なもの。しっかり新しい回答を用意していくこと、知らない情報でアップデートすることを目指している。
- 今回は「家事」や「食」など生活に密着した部分をメインに取り上げたが、文化・教養面などでも、回答がすぐに出ていく「瞬間回答」のコンセプトの中であれば、いろいろな題材を扱うこともできると思う。
- きちんと検証実験や裏取りも行って放送するように心がけているが、検証のプロセスをどこまで見せるかは悩ましいところ。この番組はテンポの良さを大切にしているので、今回はそういうところを削ぎ落としてしまった。
- 全部褒めているというご意見は確かにその通り。かまいたちの山内さんが「シュークリームをカップ麺に」について、裏で「シュークリームが大き過ぎた」と話していた。そういうこともきちんと描く方法があったのかなと思う。
- 「主婦のイライラ」については検討したところ。まだ新しい番組で、メインターゲットとしてどういった方に見てもらいたいかをわかりやすくするために入れようと判断したが、バランスをしっかり考えていく必要があると感じた。
- ホームページ、SNSなど番組以外で、もう一度見られる環境や情報を取れる環境を作っていくのは、この番組のファンが増えていくひとつのやり方。今後ぜひ考えていきたい。
(2)フィードバック:
                  9月の審議番組『ザ!戦後80年の映像遺産SP 池上彰×加藤浩次の運命の転換点』は、番組審議会の審議を受け、以下のように対応を検討したことを報告した
                
                  - 「VTRにスタジオゲストのオフコメが入ってくるところに、あざとさのようなものを感じた。リアクションは要らないのでは」
 →出演者の驚きや共感を視聴者と共有しようという狙いだったが、確かにリアクションが大きく、その素材の音声を邪魔しているような箇所もあったので、番組のテイストやシーンに応じて、ストレスのない演出を研究していきたい。
- 「玉音放送とともに宮城前で土下座する人々の写真・映像を使用することについては当時を知る作家やメディア史の研究者らから疑義が出ている」
 →古いアーカイブ映像を扱う際には、どのような時代背景で、どのような状況下で撮影されたものかという考察を加えながら、VTR制作やスタジオ演出に取り組んでいきたい。
- 「時代の空気を作り出すのがメディアの使命」
 →期待される前向きな部分もあるし、戦前・戦中の報道ということも含めて言うと負の部分の両方がある。今後も肝に銘じて報道に当たりたい。
- 今、我々が行っている取材や報道が後世の映像遺産になるということをしっかりと自覚して、覚悟と責任を持って報道、取材にあたっていきたい。
(3)報告事項:
                  フジテレビから、以下について報告した
                
                  - 放送番組種別の放送時間報告
- 2025年度上期視聴者の声報告
(4)『当事者たち。~フジテレビ入社4年目の記録~』について
                  フジテレビから、上記番組の放送についてお伝えした
                以上