番組向上への取り組み

番組審議会

第548回 番組審議会議事録 概要

1.開催日時

2025年6月9日(月) 16時より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社ビル10階 大会議室

3.出席者
  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 岡室美奈子
  • 委員
  • 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、サヘル・ローズ、舞の海秀平、三浦瑠麗
  • 局側
  • 清水社長、大野取締役、塚越常務執行役員、鈴木執行役員、大辻執行役員、藤井編成局長、渡邉報道局長、濱情報制作局長、出澤秘書室長
    坪田コンプライアンス推進室長、渋谷編成局次長統括
    番組関係者/山田企画・プロデュース、渡辺演出、山根P
    事務局/番組審議室
4.議事

(1)番組審議
審議番組:『櫻井翔のワンナイトスタディ』(5月22日放送)
各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された

  • 本人がロケに出ると、スタジオでプレゼンしている時やVTRが流れている時に伝わり方が違い、「VTRを見させられている」と視聴者が感じるところがほとんどない。
  • スタジオの出演者には多様性があり、クイズ形式も面白くはあるが、今までにない目の付け所で取り組みをしている割にはよくあるパターンの展開。これで家族の会話が生まれることは分かるが、今までにない発想をスタジオ展開にも持ち込むと、もっと魅力的になるのでは。
  • 高級ホテルだと難しいかもしれないが、深夜だからこそ起こりうるさまざまなトラブルと、その対応についても取り上げてほしかった。
  • 今後見たいという意味では、夜中にリアルタイムで交渉する人がいる銀行や商社の現場や、宅配便、介護施設、スーパーなど。病院の深夜勤も救急24時とはまた違い、深夜勤務中にどのような準備をしているのか、異変にどう対応しているかなどの視点があると良い。これから可能性がたくさん広がる番組。
  • 『ワンナイトスタディ』というタイトルがそのままコンセプトをはっきり表している。VTRを普通に見るのとは違い、「スタディ=ロケに行って勉強する」というスタイルが、これからのフジテレビが目指す方向性ととても合っているのでは。
  • 全体的に「メンテナンス」がすごく良い視点。いろいろな仕事上の大変さはあるだろうが、メンテナンスというのは「縁の下の力持ち」で、日常が普通に送れているのは実はこのおかげ。一つのテーマとして価値があると感じた。
  • 飽きることなく、心に栄養をもらったような非常に楽しい番組だった。面白いだけでなく心の中で何度も「へえー」となった。
  • 普段、思いが向かない深夜の時間帯や、そこで働く人たちを取り上げており、見応えがあった。注目されている業界の裏側をもっと見てみたい。
  • ここに登場する人たちが、「なぜその仕事を始めたのか、どのような葛藤があるのか」も知りたかった。他人の人生からの学びは、視聴者の人生にとってもヒントとなる。
  • 見て楽しいだけでなく、経済を支え、そこで生きる人たちの人生を垣間見られる番組へと変化しても良いのでは。
  • いつか、社会の中で光は当たらないが、社会の弱者を支える人々にもスポットライトを当ててほしい。笑いは起きないかもしれないが、一つのスタディとして伝わることも大事なテレビの力だと思う。
  • 普段スタジオを仕切っている櫻井さんが自らロケに行く、しかもそれが徹夜であることが新鮮。当たり前のように放送されたが、この企画を発明するのは本当に大変だったと思う。
  • 誰もが知っているようで知らないホテルマンの裏の苦労や、大阪・関西万博の未知の光景や情報が紹介され、題材としてバランスが良かった。
  • 単に仕事人の“スゴ技”を紹介するだけでなく、実際に働いている方の知られざる努力や仕事に対する誇りが丁寧に描かれていた。
  • 芸能人が徹夜で働くという目新しさに加え、「誰かの知られざる努力を想像する大切さ」を伝えてくれた。
  • 「世の中の知られざる大切な部分にスポットライトを当てる」というメディアの使命をエンターテインメントに昇華させた素晴らしい番組。
  • ホテルのチェックリスト、万博の忘れ物センターなど、普段は人目に触れない場所での仕事や努力について知ることができる、非常に興味深い良い番組。
  • 裏方の仕事を紹介したいのか、出演者がやってみるところを見せたいのか、そこが中途半端に感じた。
  • 日本は職人を大事なキャラクターとして尊重する国。その職人に焦点を当ててエンターテインメントにするコンセプトが面白い。

これらの意見に対して、フジテレビ側からは以下の回答があった

  • 「スタジオ展開をもう少し面白みのある構成に、人が“へぇー”と思える感情を揺さぶることがもっとできたんじゃないか」と感じている。「“へぇー”と思うのは心の栄養だ」というご意見がすごく響いている。
  • 視聴率的なことを考えて他の番組でもやりそうなことに逃げてしまった部分を反省し、もっとストイックに、この番組らしさを追求することもできたと感じている。
  • メインの中に閑話休題的な意味合いでクイズというスタジオ部分も挟んだが、結果的に安直に見えてしまい、バランスを崩してしまったと感じた。
  • 「なぜその仕事を選んだのか」を入れることによって深みが出せたと反省している。
  • 面白いことを考えるだけでなく、「視聴者のためになること」という目線で、もっと幅を増やして取り上げる場所を選定していくことが大事だと感じた。

(2)報告事項:「フジテレビ問題」
局から◆を報告し、委員からは◇の意見があった

  • フジテレビの再生・改革に向けた8つの強化策の5月の進捗状況について、総務省への報告資料①、②をもとに報告した。
  • フジテレビにおける元取締役に対する法的責任について、および懲戒処分等について、公表資料をもとに報告した。
  • 過去の時代錯誤に対する反省はきちっとしなければならない。その上で、番組を作ることを最大限前向きにやってほしい。一番大事なことは、フジテレビが新しいフジテレビとして国民から受け入れられていくこと。「これが勝負所だ」というものに進んでいくことが本当の解決の道であろう。是非、新しいフジテレビを作っていっていただきたい。

以上