番組審議会
第538回 番組審議会議事録概要
1.開催日時
2024年6月12日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8
3.出席者
- 委員長
- :
- 但木敬一
- 副委員長
- :
- 岡室美奈子
- 委員
- :
- 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、舞の海秀平、三浦瑠麗
- 局側
- :
- 遠藤副会長、港社長、大多専務、小林専務、金光取締役・FMH社長、大野情報制作局長、渡邉報道局長、立松編成制作局長、中嶋編成部長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、
「週刊フジテレビ批評」担当・宮下、報道センター・平松編集長、渡邊CP、羽山P、冨田デスク、編成・村尾、番組審議室・池貝室長、中本、赤間、正岡、大橋
4.議事
審議番組:『Live News イット!』(6月3日放送)
各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された
- 青井キャスターは安定感があり、最初からフジテレビの局アナだったと言われても違和感がないほど手慣れた進行だった。ただ、良い意味での違和感や化学変化を期待していたので、拍子抜けしたところもあった。
- 夕方の報道番組として、その日のニュースをテンポ良く見せていく構成に迷いがなく、その日に何があったかが分かりやすく視聴者に伝わっている印象。
- 番組の作りがオーソドックスで奇をてらっていないので、青井キャスターの明るくテキパキとした感じと相性が良い。ただ、キャスターの誰が主導権をどう取るのか、まだはっきりとしていない様子が見て取れる。
- 衝撃映像に頼りすぎでは。せっかくの新キャスターをもっと生かしてほしい。
- CMで「お母さんが作ってくれる料理」というだけで炎上する時代に「サラリーマンのお小遣い」という企画は見たくない。「旦那さん」、「奥さん」という呼称ももうやめた方が良いと思う。
- 青井キャスターは、初日からさすがの安定感で、安心して見ていられた。2カ月余りが経過し、番組のチーム体制が非常にうまくいっている空気感がある。この時間帯の報道を盛り上げていく意気込み、一丸となって青井キャスターを支えていこうという現場の空気を感じ、それがうまくいっているように見えた。
- 梅津アナのプレゼンと青井キャスターとの掛け合いが落ち着いていてわかりやすかった。そこにパックンの指摘が加わり、ニュースがよく理解できた。
- 3人のキャスターのうち、誰がメインで、誰がどのような役割で発言しているのかはっきりしない。誰が情報を持ち、誰が自分の意見を言う立場なのか。聞き役と解説役がニュースごとに変転する印象もある。それぞれの役割のすみ分けを知りたい。
- 番組を見た時に「勉強になったな」と感じられるコーナーがある。流し見していても人に話したくなるような知識が入ってくると良いと思う。
- これまで「イット!」が議題になる度に、「見やすいといえば見やすいがひっかかりがない」と言ってきた。今回の一番大きな進化は社外から人気キャスターを迎えたこと。期待が高かった割には少し物足りなく感じた。スタジオショーとしての進化を期待している。
- VTRが多すぎて作業を圧迫しているのではないか。せっかく青井キャスターを迎えたのだから、VTRがなくても面白くスタジオを回せる枠組みを作るべきでは。
- バラエティー番組やドラマは視聴者の心を和ませることが重要だが、ニュース番組には国民の疑問を取り上げてほしい。
- 青井キャスターは抜群の安定感で、程良く力が抜けているため親しみやすく、見やすい。ただ、うまく番組を回しているだけという印象があるので、キャスターとして自身の見識を打ち出すような番組になってほしい。
- 宮司キャスターは非常に頭が良く、番組の回しも上手。今は自分の言葉でしゃべっている存在ではなく、どうしてもアシスタント的な役割に見えてしまう。青井キャスターと並んで対等に自分の考えを伝える番組になれば、魅力が高まる。
- 身近なニュースを扱うことが多く、小さなニュースも拾っていくのは情報ニュース番組として良く、非常に見やすいが、突出した魅力が見当たらない。
- 夕方のニュースで全てのネタに解説はつけられないと思うが、キャスター3人がそれぞれの専門領域を持っていれば、見ている側に安心感を与えられる。
- 長い番組を「ながら見」する視聴者へのサービスとして便利さを追求してほしい。
これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった
- パトリック・ハーランさんの役割については、ひと昔前の「外国人からの目線」ではなく、発信力・表現力に期待している。そしゃくして自分の言葉で発信できる力に期待して起用した。専門家という立場ではなく、物を伝えるキャスターとして国際ニュースをプレゼンする役割を担っている。
- 宮司キャスターの出番が少なくなりがちだが、彼女の存在は非常に大事なので、露出だけでなく、いかに発信力を強化するかがポイント。
5.その他の番組、放送に対するご意見
委員からは以下の質問があった
- 「セクシー田中さん」に関する日本テレビと小学館の報告書が公表されたが、フジテレビとしての対応は。最悪の事態が起きてしまったことを重く受け止めてほしい。
- テレビ東京が「警察24時」の打ち切りを発表したが、メディア全体が「報道被害」を生む危険性があると認識すべきでは。
これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった
- 原作のある作品をドラマ化する場合、原作者、脚本家、テレビ局、出版社という関係の中で、あやふやなままスタートするとトラブルが起きやすい。今後は最終話までの脚本が全て揃ってから、あるいは脚本家が全て了承してからクランクインするなどの取組みを推し進められないか検討している。
- フジテレビの「警察24時」は犯罪や違反行為の取り締まりを密着取材することで、犯罪や違反行為の最新の実態を浮き彫りにして、犯罪抑止や市民の防犯意識の向上につなげることを主眼に制作してきた。取材対象者との距離の取り方や付き合い方を含め、ガイドラインとして書面化して担当者が代々引き継ぎ、番組作りに当たっている。
6.連絡事項
- 次回第539回は、7月10日(水)の予定
- 審議番組は『アリガト!JAPAN』6月27日(木)21:00~22:48放送
以上