番組向上への取り組み

番組審議会

第533回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

2024年1月10日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区虎ノ門2-10-4 ホテルオークラ東京

3.出席者
  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 岡室美奈子
  • 委員
  • 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、舞の海秀平、三浦瑠麗
  • 局側
  • 遠藤副会長、港社長、大多専務、小林専務、渡邉報道局長、大野情報制作局長、立松編成制作局長、坪田コンプライアンス推進室長、番組審議室・池貝室長、中本部長、赤間、正岡、大橋
4.議事
  • 放送法第9条第1項の規定による訂正放送の実施を報告した。
    ※放送法 第6条5項-2の規定による
    内容:2023年11月発生の事件を報じるニュースで、容疑者として別の人物の顔写真を誤って放送
5.議事

審議テーマ:『テレビと人権』
各委員からは、以下のような意見が出された

  • テレビが行儀の良いことを目指しすぎる動きの中で、テレビ以外の媒体の方が真実だったり、面白いと思われないか、危険性を感じる
  • 何より大事なのは子どもたちがより良い未来を手にするために、大人が人権の概念をアップデートさせていくこと
  • 人権はもちろん大切だが、人権をうたえばうたう程、テレビだけが宙に浮いてしまって堅苦しい箱になってしまう
  • 表現者はギリギリを攻めなくてはならない場面が多々ある。第三者(視聴者・読者)に「その表現がどうしても必要だ」と、どれだけ説得力を持って伝えられるかが制作者のプライドなのでは。まさに“腕”が試されている
  • 日本人の人権が最も脅かされるのは他国からの侵略を受けたとき。中国におけるウイグルの人権侵害や、ロシアによるウクライナ侵略後、学校の言語をロシア語に変更したことなどをどれだけ「人権」という観点から報道したか。テレビは公の器としての役割を要求されている。報道番組はもっと世界の人権問題を伝えるべきではないか
  • 人権意識が強くなりすぎると良い表現ができなくなり、テレビ局の挑戦も締め付けられ、番組がつまらなくなり、世の中から見捨てられてしまうのではないか
  • テレビは勝ち組の集まりだった。弱者の視点や他者をおもんぱかる力が無意識の内にずれてくる。一人一人が弱者に寄り添う人生観を持つことが港社長の言う“愛”なのでは
  • 視聴者、出演者、取材対象者だけでなく、テレビの番組制作に携わる人々の人権にも目を向けてほしい。自身の人権を守られていないスタッフが、テレビの向こうの人の人権に敏感になれるはずがない
  • 放送における倫理や人権が何かを明確にすべき。フィクションの中でも表面的な正しさを表現するのではなく、人としての根源的な正しさを番組を通して打ち出していくことが大切。そうしなければテレビ番組はどんどん委縮し、つまらなくなる
  • 関東大震災では誤報が人々の思想を先導し、誤った思想に基づいて大勢の命が奪われたという悲惨な過去がある。その過去は絶対忘れてはならない。テレビ報道はSNSがどうであろうと、真実しか放送しないということを固く守ってもらいたい
  • 大きな地震等でテレビの放送が中断され、必要な情報が届かなくなるようなことがあってはならない。そのために最新の技術を使い必要な人に利用してもらえるような技術を研究してほしい
6.連絡事項
  • 次回第534回は、2024年2月14日(水)の予定
  • 審議番組はドラマ『君が心をくれたから』初回1月8日(月)21時放送

以上