番組審議会

議事概要一覧へ>>

第532回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

2023年11月8日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 岡室美奈子
  • 委員
  • 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、三浦瑠麗
  • 局側
  • 遠藤副会長、港社長、大多専務、小林専務、金光取締役・FMH社長、渡邉報道局長、大野情報制作局長、立松編成制作局長、中嶋編成部長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、「週刊フジテレビ批評」担当・宮下、バラエティ制作センター・戸渡室長、小仲部長、制作統括・太田、浜崎CP、演出・山田、編成・長嶋、水戸、番組審議室・池貝室長、中本部長、赤間、正岡、大橋

4.放送全般に関するご意見

旧ジャニーズ事務所問題の「検証番組」について、フジテレビ側から以下のような発言があった

  • 『週刊フジテレビ批評』の番組コンセプトは、番組審議会と社外モニター制度に続く第三の検証機能を果たし、番組独自の立体的な批評を展開、テレビの未来を一緒に考えるというもの。旧ジャニーズ事務所の問題を振り返るに当たって最適だと考え、検証番組をこの枠組みで放送した
  • 3局の社員・元社員に調査を行った結果、当時の男性から男性、特に未成年に対する性加害への認識が著しく低かったことや、事務所への気遣いや配慮があったことが明らかになった
  • 今回の検証を踏まえ、反省すべきはしっかり反省し、改めて放送局としての使命と人権尊重のための責任を果たしていく

委員からは以下の発言があった

  • 検証番組が放送されたことは前進
  • 検証番組に欠けていたのは事務所との関係性ではなく、タレントそのものを大事にしているかどうかの振り返り
  • 子供への性加害はトラウマからの回復が非常に難しい。「子供とテレビ」について勉強会や研修が必要ではないか
  • 旧ジャニーズ事務所と関わりのあった社員などの証言を並べるという形がフォーマット化してしまったような印象を受けた。もう少し独自の検証方法があっても良かったのではないか
  • 法制化によって事務所から放送局への圧力を徹底的に排除するようなことはできないのか。対策を講じることによって局が主導権を持ち、健全で自由な番組作りが可能になり、結果的にファンも喜ぶような形になるのでは
  • 「視聴者ファースト」という言い回しの元、キャスティング偏重主義になり、事務所への忖度が生まれ、結果としてそれがテレビをつまらないものにしているのではないか
  • 検証番組とは、いち早くやるか新たな視点を提言するか、どちらかが必要。そういう意味ではフジテレビ独自の解決への提示がもう少し見たかった
  • 大事なのは、このような問題があった時に、次の時代をどう展望するかということ。メディアはこれからの放送の在り方、特に性加害問題についての報道の在り方について良く考えてほしい。メディアが最先端の思想を示すことで、思想が正しく時代に追いついてくるので是非努力してほしい

5.議事

  • 「民放連放送基準の改正に伴うフジテレビ番組基準の改定について」の諮問が行われ、了承を得た。
    ※放送法 第6条3項の規定による

6.議題

審議番組:『週刊ナイナイミュージック』(10月11、18日放送)

各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された

  • 架空の雑誌のようなコンセプトは雑誌全盛時代にはあったが、今はほとんどなくなったので、逆に新鮮。この番組ならではの名物的なコーナーがあると、もっと話題になるのでは
  • 業界のプロをゲストとして呼ぶことによって、業界との橋渡しになり、音楽業界全体に信用される番組になってほしい
  • ナインティナインという芸人さんの技がもう少し打ち出されても良いのでは
  • せっかくの「雑誌」という仕掛けなので、「活字性」を画面上に出してみては。テレビは流れていきがちだが、活字で時間を止めるような印象を残すことを演出上、工夫してほしい
  • せっかく雑誌スタイルのフレームを作っているのだから、音楽ポータルサイトを本気で作ればビジネスチャンスがあるはず。テレビ局だからこそ実現できる音楽好きのための新しいプラットフォームが作れるのではないか
  • 「ナイナイだから番組を見よう」という世代の人間にとっては、その世代に訴えかけるゲストを呼んで深い話を聞いてほしい。せっかくのナイナイなので、きちんとお笑いのエッセンスも入れてほしいと思う

これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった

  • ターゲットとしては親子でも見られる番組を目指している。若い世代に刺さっているアーティストもひもとき方次第で親世代、もしくは知らない視聴者にも受け入れてもらいたいという思い
  • 企画VTRなどで違った視線を与えることによって、曲の聴こえ方が違ったり、今までと異なる音楽の楽しみ方をこの番組で提供する。あるいは興味がなかった音楽、興味がなかったアーティストに興味を持ってもらえる番組になることを目指している

7.連絡事項

  • 次回第533回は、2024年1月10日(水)の予定
  • 12月は休会

以上