番組審議会
第531回 番組審議会議事録概要
1.開催日時
2023年10月11日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8
3.出席者
- 委員長
- :
- 但木敬一
- 副委員長
- :
- 岡室美奈子(リポート出席)
- 委員
- :
- 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、三浦瑠麗
- 局側
- :
- 遠藤副会長、港社長、大多専務、小林専務、金光取締役・FMH社長、渡邉報道局長、大野情報制作局長、立松編成制作局長、中嶋編成部長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、「週刊フジテレビ批評」担当・宮下、ドラマ・映画制作センター・臼井室長、若松部長、髙木企画担当、八尾P、編成・水戸、番組審議室・池貝室長、中本部長、赤間、正岡、大橋
4.放送全般に関するご意見
ジャニーズ事務所の性加害問題について、フジテレビ側から以下のような発言があった
- フジテレビは事務所に対して申入れを行い、社名の変更、補償・救済とマネジメント、それぞれに特化した会社への分離、そして被害者に対する確実で速やかな救済を求めて対話を続けてきた
- 事務所の2回目の会見を受け、第一歩を踏み出したと評価するが、被害者への補償などの具体的な対策が実現されるよう、引き続き求めていく
- キャスティングについて。被害者への対応が着実に実施されていることを確認しながら、最適に判断して視聴者の方々に楽しんでいただける番組作りをする
- 性加害についての社会的な認識が当時と現在とでは異なっていた。今になって省みれば、この問題に対する当時の我々の認識は不足していたと考えている。今回の問題を通じて認識を改め、あらゆる人権尊重のための責任を一層果たしていきたい
委員からは以下の発言があった
- ジャニーズの件を知らない新入社員を始め若い世代の社員の方々が、今、先輩たちがどのような姿勢で自分たちの仕事を振り返るのか、真実を打ち明けてくれるのかどうか、固唾をのんで見守っているのではないか
5.議事
審議番組:『パリピ孔明』(9月27日放送)
各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された
- 原作漫画は知らなかったが、設定を聞いただけでワクワクした。設定が面白く、気軽に見ることができて、個人的にとても好きな作風
- 諸葛孔明というキャラクターが大変魅力的に描かれている。後悔や未練を抱えている様子が随所に感じられ、ただ面白くかっこいいだけではなく、複雑で魅力的な人物像に仕上がっているのではないか
- 『テルマエ・ロマエ』をヒットさせたフジテレビだけあって、実写ドラマとして成功している点がたくさんある
- 今後、同じパターンのエピソードが続くと、少し飽きてくる可能性もある。マンガやアニメはあるパターンのことを繰り返し見せるマンネリの楽しみ方が成熟している。ドラマの場合は先に展開してほしいというのが視聴者の欲求。原作を超えた展開ができるキャスティング、演出の力があると思った
- ヒロインの自分に自信を持てない女性の等身大な感じが、無口で良かった。現代の若者はあまり雄弁ではないので、ポツポツと話す感じにリアリティーがある
- 女性を主人公にして成功譚を描くのが少年マンガでも流行っているようだが、ヒロインが目標設定に迷いを見せながら、ドラマ全体を通じて答えを出していく様子を描けば、歌手を目指しているわけではない現代の女性たちも考えさせられる作品になるのでは
- このドラマの魅力の一つは本物のミュージシャンが登場しているということ。力のある世界的なミュージシャンのパフォーマンスをたっぷり丁寧に見せてくれるので、見入ってしまう引力を感じた
- アジアで日本のシティポップがヒットしている。このドラマを輸出することも意識した選曲だと思った
- どのような物語に連れていってくれるのか、キャスティングの妙、音楽の力を非常に感じた
- 大変面白く、テレビならではの力を感じた。特に歌唱シーンは、テレビが元気だった時代の豪華さを感じさせてくれる
- 今は本を読む人が多くない。テレビのドラマで「三国志」の名言や策に触れられるとは思っていなかったので、感銘を受けた
- フジテレビらしくエンタメとして突き抜けていて、大変楽しめた
- 単なるタイムリープ物とは異なり、たくさんのファンがいる「三国志演義」のエピソードもふんだんに出てくるところが、大人も楽しめるポイント
- エンタメに徹してとことん楽しませてくれるドラマも今の時代には必要かもしれない。エンタメに徹するのであれば、ヒューマン要素でまったりせず、スピードを緩めず最後まで爆走して突き抜けてほしい
- このドラマは「三国志」の本を読んだ世代、ゲームを楽しんだ世代、音楽に興味を持った世代と、幅広い世代を取り込める要素を持っていて面白い
- 異なるアスペクトから入った視聴者が、何らかの要素に共感してドラマを支持してくれるように、いろいろな要素を組み合わせながら最大限面白くしてほしい
これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった
- この企画はコロナ禍で、プロデューサーと「日本の人たちが元気になり、何も考えずに笑えるようなドラマを作りたい」と考えたのがきっかけ
- 画のリッチさやクオリティーを保ちながら楽しんでいただける作品を作りたいと考えた
- 諸葛孔明の策については多少バカバカしくも、説得力を持たせていきたい
- 孔明が現代に来て孤独を感じる中、友情を育めるようなパートナーということで、新鮮な組み合わせの俳優2人をキャスティングした
6.報告事項
- 放送番組種別の放送時間報告
- 2023年度上期「視聴者の声」報告
7.連絡事項
- 次回第532回は、11月8日(水)の予定
- 審議番組は「週刊ナイナイミュージック」10月11日、18日(水)23:00~23:40放送
以上