番組審議会

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第529回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

2023年7月12日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 岡室美奈子
  • 委員
  • 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、三浦瑠麗
  • 局側
  • 遠藤副会長、港社長、大多専務、小林専務、金光取締役・FMH社長、立松編成制作局長、渡邉報道局長、大野情報制作局長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、中嶋編成部長、森本電波担当、「週刊フジテレビ批評」担当・成田、田中CP、木村P、福井PD、番組審議室・池貝室長、中本部長、正岡、大橋

4.議事

審議番組:『日曜報道 THE PRIME』(7月2日放送)

各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された

  • 与野党のゲスト2人が対立するかと思いきや、国内の議論の対立点があまり際立たなかった
  • スパイ防止法については歴史の中で過去にどのような議論がされてきたか、その時代背景が大切なのに丁寧な説明をしようとしたところでCMに入ってしまった
  • VTRで新しい情報を知らせ、フリップやボードで論点を整理し、議論を通じて異なる主張があることが分かる。3つのバランスが良く、見ていて雑な感じがしない
  • 入念な取材に基づいて作られている骨太な報道番組
  • どの程度の報道リテラシーを持つ視聴者に向けて作られているかが曖昧。視聴者の興味・関心のどの部分にツボを感じて制作しているのかが見えにくい
  • 番組全体のパターンが単調なので、コーナーの輪郭をはっきりさせた名物コーナーを作ってはどうか
  • ゲストが指名されて答えるので、行儀の良い場面が多く感じられる。もっとライブ感のある討論にできれば、ゲストから普段以上のコメントを引き出せてスリリングになり、納得感も増えるのでは
  • 梅津アナのゲストの発言を聞く表情に臨場感があり、議題について自分の中で咀嚼していることが良く分かる。視聴者と番組の橋渡しの役割を果たしているので、今後も臨場感ある豊かな表情で視聴者を導きながら、出演者をリードする役割を担ってほしい
  • 日曜朝に国際問題を取り上げ、討論も聞けるこの番組の価値は計り知れない。この枠で報道番組を続けてきたことは評価に値する
  • この番組が政治家にとって自分の主張をたやすく発信できる番組になっていないか。そこを逃さず、端的に的確な質問ができる出演者がいないのが問題では
  • 日本はマスメディアも含め、権力の監視者としての機能が果たせていないことが非常に大きな問題。スパイ防止法に関して政府に権限を与えるべきと主張するのであれば、マスメディアの監視者としての責任にも言及すべきでは
  • テレビは政治家の言うことを流すだけではなく、政治に欠落している部分を埋めるような番組作りをしてほしい
  • 論点の提起が討論を経て、曲がって終着点にたどりついてしまう。生番組としては仕方ないが、「この番組は何を言いたいのか」もっとはっきりさせたほうが良いのでは

これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった

  • 政治家の得意分野に対してMCがもっと批判的な視点を持ち、質問をぶつけていけるよう工夫していきたい
  • 台本と段取り通りに進まないこともあるが、討論番組として予定調和にはなりたくないと思っている
  • 以前に比べると政治家の行儀が良くなってきており、消化不良で終わってしまうことがある。ゲストに自分から議論に入ってもらえるよう考えていきたい
  • 裏番組との差別化も図りながら、若い層にも発信して世の中に火を付けられるようにしたい

5.その他の番組、放送に対するご意見

ジャニーズ事務所の性加害問題について、フジテレビ側から以下のような発言があった

  • 前回の審議会で委員から頂いた「テレビも今、変わらなくてはいけない」とのご意見を重く受け止め、改めて社内で話し合いを続けている
  • 事務所の再発防止策を見守りつつ、報道にあたっては「必要だと判断したものをしっかり報じる」という方針で臨む
  • 局として表に出ている被害者、出ていない被害者に寄り添い、タレントを大切にしていきたい
  • 過去に関する意見を受け止めつつ、今の時代に合った向き合いを考えていく
  • ジャニーズのタレントさんたちが演じたり、パフォーマンスをしている姿を見て、視聴者の方々が笑ったり感動して頂けるような番組作りをしていきたい

委員からは以下の発言があった

  • 社内で話し合いが続いているというのは心強い
  • 精神科医によると「被害者を先頭に立たせる運動は、その後被害者に悪影響を及ぼす」と。テレビ局は被害者による証言が減っている現状の背景を理解しつつ、社内で議論を続けてほしい
  • 未来志向の取り組みをしてほしい。メディアは価値観をバージョンアップし、社内で共有してほしい。過去の反省は今後どのような番組作りをするかに表れてくるのではないか

6.連絡事項

  • 次回第530回は、9月13日(水)の予定(8月は休会)
  • 審議番組は未定

以上。