番組審議会
第528回 番組審議会議事録概要
1.開催日時
2023年6月14日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8
3.出席者
- 委員長
- :
- 但木敬一
- 副委員長
- :
- 岡室美奈子
- 委員
- :
- 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、三浦瑠麗
- 局側
- :
- 遠藤副会長、港社長、大多専務、小川専務、小林専務、金光取締役・FMH社長、加納執行役員報道局長、大野情報制作局長、立松編成制作局長、中村編成部長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、森本電波担当、「週刊フジテレビ批評」担当・成田、編成・小仲統括企画担当、編成・狩野、FCC神原CP、番組審議室・池貝室長、中本部長、正岡、大橋
4.議事
審議番組:『千鳥のクセスゴ!2時間SP』』(5月28日放送)
各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された
- 日曜日の夜に家族でワイワイ言いながらクセの強さについて語り合うことを促しやすい番組
- 番組が長いのでずっと緊張感があふれていると疲れてしまうが、「スベってもいいんだ」という感じが 気楽で良い
- 芸人の世界も大きな変化が起きつつあると感じた。テレビではない、価値観の異なるところで頑張ろうとしている芸人がいるので、テレビの芸人は刺激を受け、良い形でお笑いを再生させてほしい
- 新しい笑いのパターンを作っているところが非常にチャレンジングで良い
- 「クセスゴ」というコンセプトにずっとこだわっていくというのが生命線だと思う。ネタ番組が増えつつある中、差別化を図れるのでは
- どんなネタでも面白く見えてしまう「クセスゴ」というキーワードと、千鳥のコメントがすごみ
- 新人を発掘する機能だけでなく、ベテランや一発屋を復活させるコーナーがあっても良いのでは
- お笑いレースの番組だと視聴者は出場者を応援できるが、この番組では誰が優勝しても「良かった」、「残念」とは思わない。優勝者やグランプリを決めると言われれば応援したくなるのが視聴者の生理。明確な枠組みがあった方が見やすいのでは
- 知恵を絞ってより面白くしようとするのがひしひしと伝わってくる。今後も盛り上げていってほしい
- 変な芸をツッコミでどんどん面白くするというのが千鳥の役割であり、力量の見せどころ。つまらないものでも面白くするというワザを見せてほしい
- 安定した芸と変な芸のバランスが取れていると良いと思うが、今回は全般的に完成度の高いものの方が勝っている気がしたので、それで良いのかと少し疑問に思った
- コロナ禍中は“巣ごもり”のため、暗い話は聞きたくない、自分で笑いを見つけて笑いたいという積極性があった。収束した今、番組の求心力、引きつける力が前より強くないと2時間は持たない
これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった
- 放送枠が変わり、ネタのバラエティー番組というベースは残しながらも、笑いの総合バラエティーにどう変えていくかがこの4月からのテーマ
- 今後、よりいろいろなキャラクターや新しい芸人さんを発掘し、番組としての“当たり目”を発見していくことが番組を育てていくことにつながると思う
- 日曜日は他の曜日と違い、家族で見る習慣がまだ少しある。どうしたら幅広く楽しんでいただけるかを意識している。食事時にそぐわない下品なネタや、聞いていて不快なことはなるべく外していこうと、4月から心がけている
- 見ていてワクワクしてもらえたり、「この時間はこれをやっているから見たい」と思ってもらうにはどうしたら良いかを引き続き考えていきたい
- 芸人にとっては王道のネタ番組より『クセスゴ!』でやるようなネタを本当はやりたいという熱があり、千鳥のコメントがそこに光を照らしてウケるものになればという思いで作っている。2時間ずっと見てもらえるように改革したい
5.その他の番組、放送に対するご意見
ジャニーズ性加害問題について、委員から以下のような意見があった
- ジャニーズのタレントさんの笑顔や華やかさの背後に被害者がいるということを聞いてしまった以上、彼らの犠牲の上に成り立つ演技であるということだけで胸が痛む
- 過去の検証は難しかったとしても、テレビがこの問題から目を離してはいけないと考えている
- 素晴らしい番組がたくさんあり、勢いがついてきている今だからこそ、テレビは弱い人たちの味方でもあってほしいと思う
- こうした問題は日本だけではなくグローバルな問題。特に性被害において「自分から告発しない」被害者が多く存在するということを認識してほしい。マスメディアには「存在しない声を存在させる」という社会運動的な意義がある
- テレビ局は再発防止チームの発表を報道するだけではなく、自分たちの問題として向き合えば、局のイメージも明るく前向きな局として世間に認知されるのではないかと期待している
- テレビ局は報道機関としての責任を果たしつつ、制作機関としてはタレントたちを守る方法を模索してほしい
フジテレビ側からは以下の発言があった
- 大変重く受け止めている。一生懸命出演しているタレントさんのことを考えると、難しい判断がある
- 再発防止委員会の調査をあらゆる観点から報道番組、情報番組においてしっかりと取り上げ、テレビ局としての向き合いを明らかにしていきたい
- この問題に端を発して社会的な広がりが大きくなってきている。きちんと多角的に、なぜこういうことが起きているのか、こういうことが本当に防げるのか、防ぐためにはどうしたら良いのか、背景も含めて重層的な形で報道していく
6.連絡事項
- 次回第529回は、7月12日(水)の予定
- 審議番組は『日曜報道 THE PRIME』7月2日(日)放送
以上。