番組審議会

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第526回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

2023年4月12日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 岡室美奈子
  • 委員
  • 井上由美子、小山薫堂(リポート出席)、最相葉月、齋藤孝、舞の海秀平、三浦瑠麗
  • 局側
  • 遠藤副会長、港社長、大多専務、小川専務、小林専務、金光取締役・FMH社長、加納執行役員報道局長、大野情報制作局長、立松編成制作局長、中村編成部長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、大國視聴者センター部長、森本電波担当、「週刊フジテレビ批評」担当・成田、ドラマ・映画制作センター・臼井室長、若松部長、編成・渡辺P、宋P、羽鳥デスク担当、中野企画担当、番組審議室・池貝室長、中本部長、正岡、大橋

4.議事

審議番組:『風間公親-教場0-』(4月10日放送)

各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された

  • サスペンスやタイムリミットといった刑事ドラマのテクニックを使わず、若手刑事の成長と教官の人間ドラマで通したところに納得感がある
  • 事件のトリックや謎解きが小説的で、映像にすると甘さを感じる面があった。原作を変えるのは勇気がいるが、思い切って映像的なアレンジをした方が映像作品としてのクオリティーが高くなり、原作にとっても良いのでは
  • 開局65周年にふさわしい重厚さとエンタメ性、両方を併せ持った作品になっている。「自分で考えてみろ」というせりふが視聴者に対する挑戦に見える作品になると、視聴者に響くのでは
  • 全体的に重く、とても本格的な感じがした。映像がとてもきれいで、安っぽくなく、光の感じが良い。とても面白くドキドキして視聴した
  • 風間公親があまりにも「全能型」で非人間的に見えるが、それが新人刑事の人間性を際立たせている
  • フジテレビと制作陣がこの番組に懸ける強い思い、意思の力を非常に強く感じた90分だった
  • 殺人の動機の描き方が気になった。そこに至る背景描写がないため、理解できなかった。『教場』の良さはトリックや謎解きではなく、風間公親の人格形成と人間の奥深い様々な感情がテーマなので、今後に期待したい
  • 世帯視聴率を見てテレビの厳しい現状を痛感した。どう告知をすればテレビを普段見ない人まで引きずり込めるかは、アイデアを出し切ってもまだまだ出し足りないのだなと感じた
  • 「自分で考えろ」というのは方法としては大変新しい教育法。一方で、キャラクターとしては圧力が強い割と古いタイプ。そのギャップが面白い
  • 生徒が主体的に考える教育法は現代的で、ある意味優しい。今の時代に求められるのは、ある程度の厳しさを持っているが、きちんと生徒のことを考えながら常に配慮する眼差しを持つ人物像
  • 殺人のトリック、動機、事件の解決方法など腑に落ちない点が複数あった
  • 犯人の人物像や、事件の解決方法をもっと突き詰めて描いてほしかった。そうすれば風間公親のすごさ、洞察力がきわだつのではないだろうか
  • 『教場』というヒットコンテンツを見事に連ドラ化したスタッフの手腕にまずは大きな拍手を送りたい
  • 動機やトリックに細かい疑問も浮かんだが、それも許せてしまうほどテンポが良かった
  • 人を厳しく指導することがとても難しく、世の中的に優しさが求められる時代に、風間のように部下を突き放すような厳しい指導者を造形するのはとても攻めていると感じた。現代の潮流へのアンチテーゼにもなっている
  • せっかくこれだけの俳優を揃え、カッコいい映像を作っているのに、肝心の犯人逮捕の証拠に説得力がないのは非常に残念。原作の小説的な面白さと、映像にした時の落差では
  • 出演者が多くの番宣に出演していたが、作品の風間公親のイメージを大切にするためにも、もう少し出し惜しみした方が良いのではないか
  • 実際にはあり得ないからドラマで描いてはいけないのではなく、ある程度のリアリティーを残しつつ、嘘と本当の頃合いを考えていってほしい。文句と賞賛が合わさり次週も見ようと視聴者が思う、その結論を導き続けてほしい

これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった

  • 今までの刑事ドラマとは異なり、「犯人対刑事」という一対一の関係ではなく、指導を受ける新人刑事が加わった三つ巴の関係を描いていく
  • 「ドラマの常識を自由に変えて、楽しんで良いんだよ」というケースにしていきたいという思いがある。「自分で考えてみろ」というせりふは視聴者に対してのメッセージと考えている
  • 風間公親は事件の早急な解決より、これからを担う刑事の成長を優先するところがある人物として重視している。それを表すためにも、事件を全て分かっていながら新人刑事に事件解決のヒントを与えるという役どころにしている

5.報告事項

  • 放送番組種別の放送時間報告
  • 2022年度下期 視聴者センター部報告
  • 民放連放送基準の改正に伴うフジテレビ番組基準の改定について

6.連絡事項

  • 次回第527回は、5月10日(水)の予定
  • 審議番組は『まつもtoなかい』4月30日(日)放送

以上。