番組審議会

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第524回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

2023年2月8日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 岡室美奈子
  • 委員
  • 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、舞の海秀平、三浦瑠麗
  • 局側
  • 遠藤副会長、港社長、大多専務、小川専務、小林専務、石原取締役秘書室長、金光取締役・FMH社長、加納執行役員報道局長、大野情報制作局長、立松編成制作局長、中村編成部長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、森本電波担当、ドラマ・映画制作センター・臼井室長、若松部長、中野企画担当、野田P、羽鳥デスク担当、編成・上原、番組審議室・池貝室長、中本部長、正岡、大橋

4.議事

審議番組:『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』(1月9日放送)

各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された

  • 法学部の学生はあまり感情を荒らげないでクールに相手を追い込んでいく人が多い。劇中の効率重視の女子学生がより冷静に理詰めに主人公を追い込んで行けば視聴者も共感しやすいのでは
  • 論理が言葉だけで展開され、図や映像での説明がないので、視聴者がどれだけ入り込み続けられるかが課題
  • 相撲でも頭で考えた技のかけ方と実際の決まり手が異なるように、裁判も裁く人が四角四面に考える人か、あるいは情を絡める人かによって結果が異なるかもしれないと考えさせられた
  • 我々の知らない複雑な事件やテーマを扱い、視聴者の知識や知性を豊かにするための良いドラマにしていってほしい
  • 模擬裁判は仕組みを説明する「装置」としては良いが、感情移入しにくいので、それをドラマのクライマックスにするとやや弱く感じる
  • 法曹界に関わらず、教育機関が常に抱えているジレンマ、学問を深く理解する、あるいは試験に受かるスキルを身につける、どちらが大切なのかを視聴者に提示できている点は非常に良い
  • 主人公に当事者感が少ない。主人公がお題を出し、学生が考え、最後に主人公が正解を示すというお行儀の良い流れなので、主人公のせりふが道徳的になってしまい、個性が感じられない
  • ドラマの中の事件は架空な上に、模擬裁判は架空の裁判なので二重の架空になり、視聴者に興味を持たせるのは至難の業。初回放送では実際の裁判ではあり得ない「ドラマチックな盛り上がり」という手法を選んだが、ロースクールの物語はリアリティーを大事にすべきでは
  • 裁判のリアリティーや法律のトリビアを掘り起こすことで、これまでのリーガルドラマではない、一歩突っ込んだドラマができるのでは。人物やキャラクター設定の「ならでは」を大事にすると抜群に面白くなると思う
  • 実際の若い女性裁判官の印象と全く異なる人物を主人公にするのであれば、彼女の司法に対する苛立ちや怒りをもっと描いて目立たせても良いのでは
  • 学園ドラマ的要素を生かしつつも魅力ある演技や、カメラワークで臨場感を出して、リアリティーを追求してほしい
  • ロースクールを舞台にすることで、普段考えることはない法曹の世界に入り込んでいく深みがある
  • 「判決文は加害者が納得して刑に服するものであることが望ましい」という専門家の言葉があるが、法律家は法律の先に人を見なければいけない、人を知らなければ法律家にはなれない、そうした真実に通ずるせりふが各回にあり、印象的
  • リーガルドラマは破天荒な男性主人公に実直な女性ヒロインが感化されていくパターンが多いが、今回はそのような展開ではないことに好感を持った
  • 法律は一般の人間にとって馴染みが薄く、縁遠い印象だが、法が決して冷たいものではなく、いかに人の心に寄り添うことができるかを問うドラマでもあり、非常に心に響く
  • 大学教育が就職のための予備校化する危機にさらされており、今の世の中は非常に効率主義的になっているが、「もっと大事なものがある」というメッセージを発しているドラマ
  • ドラマで模擬裁判に感情移入するのは難しい。しかし不可能ではないので、作り方を探る価値は大いにある
  • 日本の司法試験制度という大弱点の一つにメスを入れ始めたので、見事な執刀をやり遂げてほしい

これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった

  • SNSでのやりとりが増え、人と直接会いにくい中で、このドラマでは「人と向き合うこととは」を前面に押し出したい
  • ドラマを制作する上で、エンタメ性やドラマチックに描くことと、リアリティーとのはざまで葛藤するが、どちらかが圧倒すればリアリティーが欠けていても気にならないかもしれない

5.その他の番組、放送に対するご意見

委員から「ぽかぽか」について以下の意見があった

  • とてもエネルギッシュで、『笑っていいとも』時代の活気が感じられ、ヒットの予感がする
  • 番組名とフィットするほほ笑ましい企画があり、楽しい。ゆるさもぽかぽか感があり、明るい番組に育ててほしい

6.連絡事項

  • 次回第525回は、3月8日(水)の予定
  • 審議番組は『ぽかぽか』2月24日(金)放送

以上。