番組審議会

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第522回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

2022年11月9日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 岡室美奈子
  • 委員
  • 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝、舞の海秀平、三浦瑠麗
  • 局側
  • 遠藤副会長、港社長、大多専務、小川専務、小林専務、石原取締役秘書室長、金光取締役・FMH社長、加納執行役員報道局長、大野情報制作局長、立松編成制作局長、中村編成部長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、森本電波担当、「週刊フジテレビ批評」担当・成田、報道センター・上田平編集長、髙田CP、羽山PD、編成部・加藤、番組審議室・池貝室長、中本部長、正岡、大橋

4.議事

「民放連放送基準の改正に伴うフジテレビ番組基準の改定について」の諮問が行われ、了承を得た

 ※放送法 第6条3項の規定による

5.議題

審議番組:『newsイット!』

各委員からは、以下のような意見が出された

  • キャスターが変わって、作りがオーソドックスに戻った。宮司キャスターの存在感が出過ぎず、かつニュースを伝える読む口調と、時折見せる笑顔が違和感なく両立している
  • 面白いネタを見た後に衝撃映像にすぐ移行されると心が冷えてしまう。スタジオの「受け」があった方が良いのでは
  • フジテレビの番組では特に衝撃映像が増えている気がする。つい見てしまうものだけに頼らず、好感度の高い作りをしてほしい
  • 街頭インタビューの際に年齢を表記する手法は考え直しても良いのでは。パーソナリティーを表すには別の方法もあるはず
  • それぞれの題材を短い時間の中で分かりやすくまとめる工夫をしている。コメンテーターがウケを狙うような発言をせず、真面目に情報を伝え、好感が持てる
  • どのようなニュースを伝える時もメインキャスターの2人が同じ表情、同じテンポで伝え、ニュースに対する意見やコメントも少なめなので、視聴者にとってはやや淡々とした印象なのでは
  • 「自分で番組を選択した」という満足感が視聴習慣に繋がる。現在の『イット!』はやや特徴がないので、この話題なら『イット!』を見よう、あのコーナーが見たいから『イット!』を見たいという「色」をつけてほしい
  • 榎並・宮司両キャスターのコンビが初めてとは思えないほど落ち着いて安定感があり、安心して見られる。中堅として「フジテレビの顔」になっている
  • きっちり取材をして丁寧に伝えようとしているコーナーに非常に良い印象を抱いた。制作者の「伝えたい」、「これは見てもらいたい」という意思を感じた
  • 時短至上主義が今の若者達の行動の典型だと紹介がされがちだが、倍速視聴するのは倍速で見て良いという判断があるから。丁寧に作られたものに対しては受け手も敬意を持って受け止める。視聴者をもっと信頼しても良いのでは
  • キャスターが局アナの場合、「顔」が出にくいが、取材対象とのやり取りの中で素顔が見えてくる。こういう人だという理解も進み、定着のためにも直接取材というのは非常に良い
  • せっかく生番組なので、その時の大きなニュースに応じて予定を変更し、適したコメンテーターを呼んでぐっと広げるとライブ感が視聴者にも伝わる。柔軟に構成を変えるという勇気もあって良い
  • VTR後にスタジオで軽くでも受けると、視聴者にも「だよね」という納得感・共感が生まれ、見ている側の気持ちを少し楽にさせる
  • 3時間という長尺の中でメリハリを利かせて、この時間は絶対フジテレビを見ようという「得意技」を持ってほしい
  • ニュースを解説したり、勉強になるコメントをしてくれる解説者がいてほしい。そうすれば他局に負けない重みが出てくるのでは
  • ニュースをもっと深く掘り下げてくれることによって日本国民の知的レベルがもっと上がるのでは。テレビや新聞の情報が浅いことが、人がテレビや新聞から離れ、ネットの世界に行く一因となっているように思える
  • 両キャスターはとても爽やかで好感度があり、番組イメージは非常に良くなった。しかし2人が前に出るスタジオパートが少ないため、2人の存在感が表れず、番組の色が今ひとつ見えてこない
  • 「直アタリ」のコーナーは本人がネタを出してリサーチ・取材、リポートするというフレームに変えたら熱量が増すのでは。週に1度、あるいは2週間に1度でも熱のこもった取材があっても良いと思う
  • 余白がたくさんあり、フレッシュ感もある。もっととがったコーナーを増やし、上質な報道番組になっていく可能性は十分にあると思うので、頑張ってほしい
  • 大変良く取材し、丁寧に作られている。コーナーの名称など細やかな工夫があり、見やすい番組になっている。余計なところがなく、非常にすっきりとした真面目な番組だと思う
  • 一方で、番組に活気や勢いがあまり感じられない。MC2人の好感度は非常に高いが、優等生的に伝えている気がする。視聴者との距離があり、視聴者がMCに共感しにくいのでは
  • MC2人がもっと自分達の言葉でフランクな掛け合いをしながら内容を掘り下げていくような展開がほしい。コメンテーターの言葉に対してMCがもっと反応し、会話をすることによってニュースを深めていけるのでは
  • 委員から山ほど注文が出たのは、キャスターお2人がすごく良い感じだという前提で、どう活躍したらさらに良くなるかという注文だということを覚えていてほしい
  • 両キャスターが非常に可愛らしい感じなので、是非可愛らしさを残しつつ、一つ一つの問題に深くタッチしていくという姿勢を2人で作って行ってほしい

これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった

  • 委員のご意見の共通項は「この番組を良くしていくためにはもっと色が必要」ということと、「榎並・宮司両キャスターについて大変好印象」だということ。キャスター2人の良さを引き出し、番組に色をつけるかがさらなるステップへの課題だと感じた
  • コメンテーターとのやりとりについては、コメンテーターを挑発するような疑問を投げることによって一歩踏み込んだ意見を引き出し、視聴者の共感を得られるようにしていきたい
  • 10月の改編のテーマに掲げているのは「疑問にこだわる」、「視聴者の疑問にいかに優しく、視聴者の目線で答えていくか」ということ。取材する時や、コーナーのネタを立ち上げる時に「これが知りたいところだ」とより明確にしていくことが番組の活力になると考えているた
  • キャスター2人の真面目なキャラクターが売りの一つ。それがただの優等生に見えないようにするためにも、キャラクターや熱、活気、仲の良さが出せるようもう一歩踏み込んで、番組の色にしていきたい
  • 『イット!』のシンボルマークのデザインは多面体。物事にはいろんな見方があるという今の時代の多様性を表している。「優しさ」、つまり一方向からしか見ないようなニュース番組ではないものを目指している。その上で、そこに見ている人を惹きつけたり、立ち止まってもらう強さをどう持つかがテーマ
  • 「直アタリ」のコーナーは勝負日を設け、キャスターの問題意識がダイレクトに繋がるようにしたい。若いキャスターが成長していくのを視聴者が一緒に楽しむような番組にするための装置にしたい

6.その他の番組、放送に対するご意見

委員から以下の意見があった

  • Jアラートが鳴り、長時間、ミスリーディングな情報が画面に出続けた。新情報もなく、特別報道体制を続けるのは見直す余地があるのでは。防衛予算など生産的な議論をしたら視聴者も見ようと思うはず。各局と比べフジテレビの扱い方は視聴者目線ではなかったと感じた

フジテレビ側からは以下の発言があった

  • Jアラートはどこまで情報が確定的かわからないまま放送せざるを得ない。状況が確定しない間、何をどう伝えるかがポイント。
  • どのようにより中身の濃い、より意味のあるものにしていくかをこれから練っていかなければならない

委員から以下の意見があった

  • ドラマ『silent』について。今の視聴者が求める繊細さがあるが、その繊細さが全てせりふで語られる。だんだん視聴者が全部言ってもらうことで理解するようになってきているのではという危機感もある。『silent』がなぜ成功しているか分析するのは、これからのドラマを考える上で重要だと感じる

7.連絡事項

  • 次回第523回は、1月11日(水)の予定
  • 審議テーマは「フジテレビの未来に向けての提言」

以上。