番組審議会
第520回 番組審議会議事録概要
1.開催日時
2022年9月14日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8
3.出席者
- 委員長
- :
- 但木敬一
- 副委員長
- :
- 岡室美奈子
- 委員
- :
- 井上由美子、小山薫堂、最相葉月、齋藤孝(リポート出席)、舞の海秀平、三浦瑠麗
- 局側
- :
- 遠藤副会長、港社長、大多専務、小川専務、小林専務、石原取締役秘書室長、金光取締役・FMH社長、加納執行役員報道局長、大野情報制作局長、立松編成制作局長、中村編成部長、坪田コンプライアンス推進室長、芹田考査・放送倫理部長、森本電波担当、「週刊フジテレビ批評」成田、バラエティ制作センター・戸渡室長、中嶋部長、島本CP、総合演出・日置、企画担当・木村、編成部・加藤、番組審議室・池貝室長、中本部長、正岡、大橋
4.議題
審議番組:『呼び出し先生タナカ』
各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された
- 自分が知っていることを出演者は知らないという優越感に浸りながら見る視聴者もいるのでは
- それぞれのキャラクターがすごく際立っていて、単に間違えるのではなく、おもしろく笑える間違い方、解答があり、楽しく見ることができた
- 最初は既視感があり、「なぜ今更このフォーマットをレギュラー化?」と思ったが、意外にテクニカルに作られていておもしろい
- 『めちゃイケ』の亜流に見えるが、緻密に計算された構成が光っていた。これはフジテレビが発明した「お家芸」と割り切れば良い。これはこれで良しとして突き進み、その分、フジテレビは他の番組をもっと「目新しく」していかなくてはならないと思う
- おバカを笑うというコンセプトが一貫していて、出演者とスタッフがそれを共有しているのは良い
- ヒットした手法を引用した演出が行われるのは、工夫をして成長させていけば良いのではないかと思う。元ネタへのオマージュ、敬意をどこかで示すのが一番。あえてイジって芸にするような、フジテレビらしいたくましい切り口で敬意を示すのが良いのでは
- パクリを笑い飛ばすような番組に成長させ、目新しい表現をこのフォーマットの中でやることによって、実は手間をかけて作っているということが視聴者に伝わるのではないか
- 「パクリ」との評判を立てられたときに、フジテレビがどれだけ強気で行けるかが大事。オールドメディア特有の「炎上しちゃった」という怖がりな反応をしてしまったとすれば、せっかく話題になったのに、それを生かせない
- 面白く間違えた解答だけではなく、「意外にも合っていた」「頑張ってできた」解答も紹介すると、小中学生の視聴者にも満足感が得られると思う。もう少し知的チャレンジがあって良いのでは
- 関西人には「馬鹿と書けないバカ」という表現がきつく聞こえる。『ヘキサゴン』では「お前アホやな」と言って、絶妙な感じでおバカタレントを親しみやすく笑っていた
- 単に勉強で点が取れるのではなく、人の活躍の場は多様なところにある、一つの教科で人を評価してはならないという温かい目線を感じた
- 今の時代は、かつてよりおバカが笑いになりにくいので、大喜利力を真面目に競うのも一つの方向性かもしれない。あるいは学力向上のための努力など、解答者への共感が増すような何かがあると、より楽しめるのでは
- 超一流ゲストの出演は魅力。番組を見ている子どもたちにとって学びになり、親子で視聴したくなるのでは。例えば書道の授業など、生徒の個性が生きて、見ている子どもたちがすぐに試してみたくなる授業も期待する
- できの悪さを笑うというフォーマットは今の感覚に合わないのではないかと感じ、思い切り笑えなかった。人ができないことを笑って優越感に浸る笑いはあまり健全ではないのでは
- 同じ局の番組に似ていることは問題ではないが、よりおもしろくなっているとは感じられなかった。『めちゃイケ』は解答の読み方、イジリ、お笑いのプロのリアクション、すべてが合算されお笑いの場として構築されていたと思う
- フジテレビは、バラエティーに関してはずっと開拓者であり続けてきたので、その精神に立ち戻って、視聴者が見たことのない新しいバラエティーをどんどん作ってほしい
- 本気で考えた解答なのか、笑いを取るために考えたネタなのか、視聴者は考えてしまうと思う。制作陣に教えてもらいたい
これらご意見に対して、フジテレビ側からは以下の発言があった
- 番組スタート時に2つのポリシーを打ち出した。一つは、今の小中学校の縮図にして通ってみたいと思うような学校を表現したいと思った。回を重ねるごとに、生徒が良いところや悪いところに気づく。時にケンカもしながら育っていく。レギュラー番組だからこそできることだと考えた。二つ目は無名のタレントを起用し、5年、10年先にブレイクするタレントを一人でも発掘すること。この2つを哲学としてスタートした
- 「珍解答」について、制作チームとしては、狙いに行った答えは全部、事前のチェックで排除している。 珍解答ばかり紹介すると、より「狙い」だと思われてしまうので、名解答や、惜しいけど間違ったものを入れていくことで疑念をソフトにできると思う
- フジテレビのDNAを大事にし、そこに背を向ける必要は全くないと思いながら番組を作っている。『呼び出し先生タナカ』でそのDNAをアップデートして新しいものに育てていけるか、しっかり答えを出していきたい
- できた人を褒めたり、優等生同士の戦いもしっかりクローズアップしていくような編集を心がけたい。頑張れば挽回できる、他の科目だったら1位が取れるという教室であり続けたいと思っている
- 先生が一緒に罰ゲームを受けたり、強く怒らないのは「令和の先生像」だと思っている。「令和の金八先生」になって子どのたちが行きたくなるような姿を表現したい
- 既視感のある番組に見えるかもしれないが、作っている側が視点を新しくし、先生像を真新しくして視聴者にお届けできたら良いと思って日々制作している
5.報告事項
- 10月改編について報告。レギュラーコンテンツの中身を、更に強化して進化をさせていく段階。深夜のタイムテーブルについて大きな改編を行い、火曜はチャレンジングな新ドラマ枠として若いクリエーター、脚本家、出演者を育てる。来年4月に向けて次に戦えるコンテンツを育てていく半年間に
6.連絡事項
- 次回第521回は、10月12日(水)の予定
- 審議番組は9月29日(木)放送の『私のバカせまい史SP』
以上。