番組審議会

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第515回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

2022年3月9日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8
但木委員長、毛利副委員長、梓澤委員以外の委員とフジテレビ出席者の一部が、テレビ会議形式で参加。

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 毛利衛
  • 委員
  • 梓澤和幸、岡室美奈子、小山薫堂、井上由美子、最相葉月、三浦瑠麗
  • 局側
  • 遠藤副会長、金光社長、小川専務、清水常務、小林常務、石原取締役秘書室長、矢延取締役編成制作局長、加納執行役員報道局長、大野情報制作局長、坪田コンテンツ・コンプライアンス室長、中村編成部長、芹田考査・放送倫理部長、森本電波担当、西村週刊フジテレビ批評担当、立松制作センター局次長、中嶋第二制作部企画担当、松本第二制作部CP、玉野第二制作部演出、穂積番組審議室長、中本番組審議室部長、熊谷番組審議室

4.議題

審議番組:『街グルメをマジ探索!かまいまち』

各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された。

  • 企画としては、街グルメに順位をつけるという定番で特別な目新しさはないが、出演者が自分の足で歩いて探す経緯をドキュメンタリー的に追いかける手法は新鮮さがある。
  • 探すゲストたちの真剣さとそれぞれの店の主人たちのヒューマンな背景が伝わってきた。コロナ禍において必要な温かさだと感じた。
  • 安定感や押しつけがましさのない品の良さを楽しめる反面、見終わった後のインパクトが足りないと感じた。どこかにドキッとしたり、ギクッとするような部分を作った方がクセになると思う。
  • 見やすくて安定感があるが、少し中途半端だという印象を受けた。店探しのバトルを見せたいのか、苦労を見せたいのか、美味しい店を発掘したいのか、もしくはかまいたちの芸風を見せたいのか、どれもが生き切っていないような印象。
  • 発表シーンは、出演者がすごく汗をかいているのだろうが、それが描き切れていない。何か背骨となるような場がどこかにあると印象が変わってくる。
  • ちょっとしたてこ入れでもっともっと面白くなる。例えば撮影をその街の象徴的なところから始めて、店まで歩いていくストロークを見せれば、かまいたちが良い仕事をするのではないか。どんなところに連れていかれるのだろうというワクワク感、タメを作るともっともっと面白くなると思う。
  • ミシュラン店や高級料理店はほとんど出てこず、どれもその街に根づいた比較的庶民的なお店で、お金に物を言わせず、全く気取ってないけれども食べた方が本当に美味しいと思ったメニューが紹介されているところが良かった。
  • プレゼンターがその味に辿り着くまでの、ドキュメンタリー要素に徹してほしいと感じた。この番組は面白い食リポは不要、本音のコメントの方がドキュメンタリー的なテイストには合う。その方が番組のリアリティが増し、他のグルメ番組と差別化でき、コロナ禍で困っている飲食店を元気づける番組になるのではないか。
  • 浅草や下北沢は青山、六本木のようなおしゃれな街というよりは、100年、何十年と商店街が力を持つ街。このような街を選んだ着眼点が何だったのか注目した。
  • プレゼンターが美味い物見つけを競うところにエンターテインメント性を発揮しようとした番組なのだと思ったが、飲食店の数、食べる料理の数が多過ぎて、見ている側はまさに食傷気味。途中から視聴者が離れるのではと気になった。
  • 飲食店をテレビで紹介することによって壊してしまうこともある。その店を壊さず、良い関係、この困難な時期に一緒に生きていこうという関係を作って取材させてもらうことが大事だと感じる。
  • 優勝者を決める場面が余りにも唐突過ぎて、選出理由がわかりにくい。優勝しなかった他のお店やプレゼンターがきちんと納得する、腹に落ちることも大切。「だから負けた」という納得感があって欲しい。選考会も一つの丁寧なエンターテインメントとしてきっちり見せると、なお良い。
  • どこにも嫌なところがない番組だったので、最後まで楽しめた。
  • このコロナ禍では家で食事する習慣がない人が大量に難民になっている。そのような人たちの居場所としての店の魅力が十分に出ていた。
  • いわゆる料理番組とは違う、街グルメの中でも、食事そのものより人情に焦点が当たっていると感じた。
  • レストランに食材を提供する生産者が実は一番打撃を受けて補助金も何も手に入らないという状況。そういった生産者を訪ねていくというのも面白いと思う。料理人が補助金をもらえない地元の農家を応援するようなコロナ禍ストーリーがあると、マンネリ感がなくなって良いのでは。
  • 本来のテレビらしい、安易な作り方をしないという基本に戻り、フジテレビならではのバラエティ要素が随所に見受けられた。
  • 一番テレビらしさを感じたのは、丁寧さ。それぞれの出演者のキャラクターを生かし、一つ一つ丁寧に深く描いていた。
  • テレビとは個人が発出するSNSと異なり、放送局という社会が信頼している非常に大きな組織である。それぞれに責任を持ったプロが本当に持ち場できちんと最大限努力している。こういう中に、面白さ、そして信頼感が生まれてくる。
  • プレゼンターが本当に一生懸命で、料理を作ってくれる人たちの気持ちを自分の中に取り入れていた。
  • 優勝者の人選は真面目な人ばかりで、一生懸命やっているのが伝わってきた人ばかりだったので良かったが、判断理由がほとんど分からず物足りなかった。

フジテレビ側からは以下の発言があった

  • 単なる街グルメ紹介ではなく、テレビが「本当に美味しい情報」をネットや、リサーチャーの情報に頼らず本気で探す番組。タレントさんにゼロから探してもらって熱を込めて紹介してもらう番組をと思い、スタートした。
  • プレゼンターの熱量を番組の特色として上手く組み込もうと制作した。
  • 番組で見せたいポイントについては非常に迷って作っており、まだ正解が見えていない。グルメ情報、サイドストーリー、苦労のドキュメントを尺とのバランスで上手く作ったつもりだったが、物足りなさを感じる結果となってしまった。
  • 勝者発表のシーンについてはすごく悩んでいる場面も撮ってあったが、泣く泣くカットした。丁寧な説明が必要だったと反省。
  • 街選びについては、下町感があって人情味がある街、プレゼンターがお店に何回も通って口説き落とす様、店主の方とのやり取り、そういう温かみが出る街を選んだ。
  • グルメ情報とプレゼンターの頑張り・熱量を描き出すバランスについてすごく悩んだ。中途半端との指摘が胸に刺さった。
  • 次に機会があれば、プレゼンターの人数を減らして、一人の熱量をもっと描き出したいと考えている。プレゼンターが駅前から店までのルートを案内する演出もやりたいと考えている。
  • 浅草と下北沢を選んだ理由は、この番組自体が、街の人に助けてもらいながら、街の人しか知らない情報を探っていく番組なので、ズバリ街の人が優しそうな街を選んだ。
  • この芸能界に食リポが上手い人はたくさんいるが、上手いと伝わるでは異なると思っている。リアリティ、伝わるコメントは、演出側も意識することが必要と感じている。

5.報告事項

リアルタイム配信について、フジテレビ側から以下の報告があった

  • 4月11日月曜日19時からの開始を予定。
  • 配信対象番組は、ゴールデン・プライム帯を中心とした19時から23時台の全国ネット番組を想定。

4月改編について、フジテレビ側から以下の報告があった

  • 改編のキャッチは『目、新しい』、全日帯で13の新番組が誕生。2015年以来7年ぶりの大改編。

6.その他の番組、放送に対するご意見

委員から以下の意見があった

  • ロシア侵攻によるウクライナの難民救援は誰も否定できない、絶対に一致せざるを得ないテーマ。中途半端ではなく、徹底的に追求する中から何か生まれてくるのではないか。
  • ヘルメットと防弾チョッキを日本政府が提供するという報道があるが、重要影響事態法という法規範の問題があるものの内閣は決定した、といった論点が出ていない。
  • 『日曜報道 THE PRIME』で「核シェアリング」という言葉が使われた。ロシアによる飛躍的な侵略という事態を考えれば、日本の武装力強化という「抑止論」が存在することは分かる。しかし、皆が納得のいく理性的で活発な議論の場を提供することが、テレビ報道の、新聞とは違う社会的な責任だと思う。
  • ウクライナ情勢は、現役で活躍している人にとって衝撃的な戦争だと思うが、それゆえに戦争を巡る報道について考える機会になると思う。どのように、平和主義で人道的な立場を取る日本として、人々を危険な方向に導かない報道をするか。
  • 戦争になると、いい加減でも、自分たちを奮い立たせる情報を流してしまう。戦時の情報をどう報道すべきか、局内で話し合う機会を設けてほしい。

フジテレビ側から以下の発言があった。

  • 「核シェアリング」の議論が行われること、その必要性を説く人がいることは否定せず、それがきっかけになって真剣な議論が巻き起これば、健全な姿であると考えている。
  • ニュースの真贋に関しては慎重に見極めるよう報道局と情報制作局で意思統一している。海外の報道機関が流したからといってそれを鵜呑みにはしないよう注意している。まず事実かどうかを見極めないことには情報戦への加担になってしまう。
  • プーチン大統領の核抑止力レベルアップ発言、原発への攻撃など、想定外の事態が次々に起きている。どのような考え方で報道していくか、状況が激しく変化しているので日々協議している。

7.委員退任報告

  • 毛利衛副委員長、梓澤和幸委員が今年度末をもってご退任されるとの報告、およびご挨拶があった。

8.連絡事項

  • 次回第516回は、4月13日(水)の予定
  • 審議番組は3月28日(月)放送『ギャルいかがですか?』

以上。