番組審議会

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第509回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

2021年7月14日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8
但木委員長以外の委員、およびフジテレビ出席者の一部が、テレビ会議形式で参加。

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 毛利衛
  • 委員
  • 梓澤和幸(リポート出席)、井上由美子、岡室美奈子、小山薫堂、最相葉月、三浦瑠麗
  • 局側
  • 遠藤副会長、金光社長、小川専務、清水常務、小林常務、石原取締役秘書室長、矢延取締役編成制作局長、加納執行役員報道局長、大野情報制作局長、坪田コンテンツ・コンプライアンス室長、中村編成部長、芹田考査・放送倫理部長、森本電波担当、西村週刊フジテレビ批評担当、立本制作センター室長、立松局次長、佐々木局次長兼第二制作部長、濱野企画担当、武田CP、木村総合演出、田村編成、穂積番組審議室長、中本番組審議室部長、熊谷番組審議室

4.議題

審議番組:『千鳥の鬼レンチャン サビだけカラオケ&Snow Manレンチャン』
2021年7月4日(日)19:00~21:54放送

各委員からは、審議番組に関して以下のような意見が出された。

  • カラオケを著名人が歌う見飽きたフォーマットかなと思って見始めたが、本当にお茶の間の娯楽のお手本のような素晴らしい番組だと思った。人生の役には立たないけれども、単純に楽しめて、暮らしの脂身というか、息抜きというか、テレビのある意味一つの本質でもある、人々のストレス解消にもなるような良い番組だった。
  • 食べ物をフェンシングの剣に突き刺すネタだけ前時代的な印象を受けた。
  • これからのテレビに大切なのは、コンテンツを楽しさだけで終わらせるのではなく、どう拡張させるかということ。PRという意味ではなく、ゲームにする、サビだけカラオケという発想でシステム特許を取るなど、新しい仕組みへと発展させることが、テレビ局が生き残るために必要になってくると思う。
  • じっくり歌って点数を競うカラオケを使ったバラエティものが多いのに対して、サビだけ歌って1音でも外れるとアウト。成功するとどんどん次の曲に行くので、スピード感と緊張感がハンパない。じっくりというのが今の若い人たちは苦手なので、今を捉えた番組。
  • 見ている方も気が抜けない。もう少し息抜きになるコーナーが欲しい。
  • MCは安定していて非常に面白い。とはいえちょっとバラエティに出過ぎていて、新鮮味がないように思えてしまうところもある。
  • 絶対王者みたいな大御所歌手がいても良いと思った。歌で鳴らしている人がどんどん出てくると凄い番組になっていくのではないか。
  • 人気番組がメジロ押しの激戦区で、そもそも高いレベルの闘いを強いられる場所での非常にハードルの高い挑戦だったという感想。
  • 皆さん歌が非常にうまくてレベルが高く、第一線の歌手もいるが、ものまね芸人の皆さん、コロナでお仕事が厳しい中、プロとして物凄いエネルギーを投入してこの番組に登場されたなと、意気込みを非常に感じてその点はとても面白かった。
  • 同じ人の歌を3回ぐらいまでは聴けるが、4回を超える辺りからしんどくなってきた。ちょっと長過ぎるなというのが正直なところ。
  • アーカイブ配信している他局ドラマのネタばらしがあった。地上波の放送は既に終わっているが配信はずっと続いている。編集の段階で工夫が欲しかった。
  • 失敗するのかしないのか、画面で音程が図示化されていく様子は中毒性があり引きつけられたが、3時間はきつかった。
  • 子どもも大人も携帯ゲームにかなり慣らされている。こうしたゲームは飽きさせない微妙な失敗や成功で、脳を刺激するように設計されている。テレビがそのような方向に寄せていくのは致し方ない。この仕組みはこれまでのバラエティのプロの勘ではなく、配分を計算した方が良いと思う。
  • テレビというのはスマホと異なり「ながら見」ができるもの。一つの目標の達成を視聴者と出演者がずっと追いかけていくという仕組みはテレビっぽくない。
  • 演歌歌手が自分と違うジャンルの歌を歌うというのはとても面白いと思うし、バラエティ的な人気が出てくる人が生まれるという仕組みも面白いと思う。
  • カラオケ中心の今回の放送を十分に楽しんで見ることができた。楽しめた理由は、司会と構成だと思う。
  • 冒頭で芸人とアイドルの組み合わせで番組の楽しみ方をきちんと視聴者に伝えて、その後幾つかの対決で徐々に盛り上げ、中盤に鬼レンチャン達成で山を作っていた。これで視聴者を引きつけたところでバラエティ豊かなラインナップを挟んで飽きさせず、最後のクライマックスへ繋げ、しっかりハラハラさせていた。王道だが視聴者の人間としての感情を上手く拾い上げていく、非常に達者な構成だと感心した。
  • この構成を生かしていたのが司会のツッコミの上手さ。達成できるか否かという1点を、何気ないけれどもハラハラさせるコメントで視聴者を上手に引っ張っていた。これは演出が盛り上げどころを分かっているからできたことだ。
  • プロの歌手や物まねタレントがそれに意地を賭けて挑戦する点は、ちょうどスポーツの真剣さを見ているようで、新しいバラエティ感覚の楽しめた番組。
  • プロのものまね芸人や歌手が真剣勝負で歌っている時にスタジオの中にいるMCが、小さな声で励ますのは良いが、笑いをとろうとするための冷やかしやくさす言葉は、興に乗った視聴者の邪魔になる。
  • さすまたで首を押さえつけ、女性演歌歌手を批判したスタジオメンバーに謝罪を強要する場面はユーモアセンスに欠けている。
  • 歌とスタジオトークとのバランスをどのように関係づけるのか、スタッフ間で再討議が必要。
  • 3時間という非常に長丁場だが、全く飽きずに終わった。二つほど休憩時間みたいなものを挟んでいるのでもっているのかなという気もした。
  • 本当に緊張して最後まで見て感動したので、謝罪くらいは良いじゃないかと寛容な感想を持った。

これらご意見に対して、フジテレビ出席者からは以下の発言があった。

  • MCの組み合わせが新鮮味に欠けるとのご指摘について。この2組はVTRの中で「笑いの種」をくまなく探してくれる。それが新たな筋書きやストーリーとなって制作陣が思いつかないような番組の面白さを増幅させてくれると信じ起用した。
  • 大物演歌歌手にもオファーはかけている。番組の認知度も広まってきたのでチャレンジしたい。
  • 「少し長かった」とのご指摘について。連続成功を目指す番組では1人の挑戦が長ければ長いほど視聴者が引きつけられる。実際、VTRが短い歌手よりも長い歌手の方が毎分視聴率は上がっていた。
  • 歌手に対してのイジりや冷やかしについて、敬意が足りないのではとのご指摘について。視聴者からも数件の苦情があった。番組としては、MCが生き生きと楽しそうにしていることが不可欠と考え、VTR中にワイプを生かしながら可能な範囲で彼らの良さを視聴者の方に伝えようと考えた。
  • MCの一人の土下座については、歌手の方々から放送後に、また是非出演したいという連絡もあり、今回の演出は許容範囲だったと判断している。
  • コンテンツを番組だけで終わらせない、いわば部署を超えた新しいお金の稼ぎ方まで考えが至っていなかった。今の時代はそこまで考える必要があると気づかされた。

5.報告事項

  • 今年の2月7日日曜日、夜7時から9時54分まで放送した『超絶!THE空中サバイバル』についての事案。当番組は主に世界中で起きた航空機の事件、事故を取り上げた企画だった。この中で扱った二つのコーナーが、以前読売テレビで放送された内容に酷似していると放送後に指摘を受け、弊社としてそれを認め、謝罪した。

6.その他の番組、放送に対するご意見

新型コロナウイルス感染防止対策について

  • 酒類提供を停止しない飲食店への対策として、「メディアや広告で扱う際は飲食店の順守状況に留意するよう依頼を検討している」との資料が経済再生担当大臣会見で配布された。この件について政府から何らかの働きかけがあったか、あった場合の社としてのスタンス、報道機関としての考え方を確認したい。

このご意見に対して、フジテレビ出席者からは以下の発言があった。

  • 今のところそういう働きかけがあったということは聞いていない。報道に関しては、我々がどうやってファクトを把握していくのかが重要。ただ単に政府あるいは当局の情報に頼るだけではなく、情報を検証した上で報道していかなければいけない。

東京オリンピックについて

  • これほど国民を分断してしまったことが本当に残念。メディアの否定的な報道も多かったこともあり、どういうふうに応援すれば良いのかと。開催が決まった今、その分断を少しでも解消するような放送をして欲しい。
  • 例えば、聖火ランナーについて。著名ランナーのアバターを走らせるもしくはネット上で聖火を走らせる空間を作り、VR技術で景色や歴史を紹介すれば世界中で楽しめたかもしれなかった。
  • 無観客について。例えば世界各国の子供たちの代わりにぬいぐるみを送ってもらい客席に座らせ、それを通して応援すれば、選手たちの励みになり、子供たちに力を届けたいという原動力になったのでは。

このご意見に対して、フジテレビ出席者からは以下の発言があった。

  • 開催をめぐるここまでの議論は、きちんと伝えてきたつもり。オリンピックの競技そのものについては、見ている人たちがこのオリンピックを開催して良かった、いろいろあったけれども開催できて良かったと思えるような形の報道、放送にしてきたい。さらに、コロナはじめ、さまざまな問題をどう克服してオリンピックを成功させていくのか、ということを伝えたい。

7.その他

  • 次回第510回は、9月8日(水)正午の予定(8月は休会)

以上。