番組審議会

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第485回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成31年 3月13日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 梓澤和幸、岡室美奈子、小山薫堂、林真理子、増田宗昭、八木秀次(毛利衛:レポート提出)
  • 局側
  • 宮内社長、遠藤専務、岸本専務、松村常務、石原取締役、清水執行役員常務局長、塚越執行役員局長、若生執行役員局長、山口局長、金田局長、石原局長、矢延局長、齋藤部長、中山局次長、瑞光部長、西村週刊フジテレビ批評担当、中嶋制作統括、蜜谷CP、木村総合演出、矢﨑P、坪田担当局長、立本室長、佐々木部長、橋本編成担当、柴崎室長、千葉部長、熊谷番組審議室

4.議題

『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP坂上忍サンド片平なぎさ禁断ドッキリSP』
2019年2月23日(土)19:00~21:00 放送

※参考として、3月9日(土)放送回の一部コーナーも視聴していただいた。

各委員からは、課題番組に関して以下のような意見が出された。

  • ドッキリは個人的に余り好きではない。安全な場所から無防備な人が追い詰められていくのを楽しむのは、気持ちのいいものではない。ところが、見ていくうちにいろんなことを考えさせられた。昨今、こういう番組が難しくなっている中で、ドッキリをどう作っていくのか、何をどう見せていくのか。特に、ホントと嘘、演技と素の関係について考えさせられ、そういう意味で非常に良かった。
  • 以前のように単純にだますことが難しくなって、視聴者も素朴に信じるというわけでもなくなったときに、ドッキリとは何を楽しむのか。もはや一方的にだます、だまされるという素朴な関係では成り立たないのかもしれない。むしろ演技を逆手にとって楽しむようなものを入れていかないと、現代のドッキリは成り立たないのかもしれないと、非常に興味深かった。
  • 私も同じようなことを思った。ドッキリというのは、ギリギリみたいなところに踏み込んでいく、見ているとハッとしたりヒヤッとしたりする感じがあった。
  • この番組の視聴者で一番多かったのは、40歳-44歳。次いで35歳-39歳。3番目が45歳-49歳。次いで男性の45歳-49歳。一番少なかったクラスターはどこかというと、男性の60歳-69歳。日本の人口構成から見ると一番多い世代で、こういう人たちに支持されていないというのはちょっと考えなきゃいけないのかなと、経営的には思った。
  • 見ていてとても嫌だった。特に嫌だったのは催眠術、忖度と正義との戦いをしている。盛り上げなきゃいけないという彼らの戦いの顔が、私は切なくて見ていられなかった。
  • これを40代の女性が笑いながら見ているとしたら、子どもたちどうなるのかなと一瞬思った。昔のドッキリを思い出して、非常に疑問に感じた。
  • ベテランタレントが、漁と雪下ろしで疲れに疲れ切って、お酒をたくさん飲んで、ぐっすり本当に寝ている。そこをバーンと起こして驚愕させる。スタジオで笑っている顔を見せた人は、本気で笑ったのか。
  • お母さん世代、子育て世代が見ている。子どもたちにそういう価値観が伝わっていったときに、一体どういう子どもたちの世界が出来上がるのかなと思った。
  • この番組は、一言で言えば、フジテレビバラエティのDNAが生きている番組。フジテレビのバラエティの文化というものを感じさせられる。
  • ベテランの域に達している芸人を、若い人たちがスタジオで笑うというのは、いわゆる弱い者いじめとか、パワハラとか、ちょっと切ない気持ちになった。
  • この番組は、次もまた見たいと思わせるような工夫がまだ足りない。キャラクターとか、コーナーとか、そういったものがまだ確立していない。
  • 私はドッキリ、サプライズが好きだ。特に、ベテランタレントの寝顔が本当に面白いと思った。きっと、「やった、俺、おいしいの撮ってもらった」と思っているんじゃないか。サプライズは、誰に何を仕掛けるかが一番大切で、その人が喜んでくれたらいいのかなと思う。
  • この類いの番組で大切なのは、後味だ。見て笑った後にどういう気分になるか。それは多分、物語の作り方とか感情移入のさせ方とか、ばらし方が意外と大きい。
  • この番組はスタッフによる単純なばらしが多く、もったいない。企画した芸能人が伝えに行くとか、そこまで丁寧に作れたらいい。むしろそこまでやってくれる人をキャスティングした方がいい。
  • この番組を見た人が明日、自分も大切な人にサプライズ仕掛けたいな、ドッキリ仕掛けたいなと思えるような番組になったら、本当の進化と言えるのではないか。
  • ターゲットとなったタレントがドッキリと知らされた時の顔の表情でわかる。直後には、怒りとも憤りとも思える表情をしている。もちろん、その後はタレントらしく表情を緩ませるのだが。
  • このような大人のイジメが、ドッキリとして放送されるということは、子ども達に甚大な影響を与える可能性がある。イジメもイタズラとして正当化させるという意識に繋がる恐れがあるからだ。
  • 最初に面白い演技をした人がまた採用される傾向もあり、いわゆるドッキリ芸人もいて、そこが狙いだとまた違った解釈になる。
  • 催眠術は少し質が違って面白かった。忖度は心理学的には一種の条件反射、こういう反応をすれば後で評価されると、本人が察することだ。
  • 3月9日放送の話は、ドッキリを最後までカモフラージュしてのソフトなドラマでこれからのドッキリの一つの方向。今後こういう新しい路線を入れ、古典的ドッキリを脱して新しい条件反射を入れる番組にして欲しい。
  • 好き嫌いがはっきり分かれる気がした。後味が悪いのは私たち60歳以上の男性には耐えがたい。ベテランのタレントさんの場合、そこまで芸能人はやらなきゃならず、やらせられるのかと切なく、それを見る辛さが耐えがたい。
  • ベテランタレントを(スタジオに)登場させ、「撮りやがったな」等、何かほっとさせるリベンジがあってチャラにすることもあっていい。
  • 番組を長くやるなら伝統的なドッキリと新しいドッキリをどう作り上げていくのか楽しみだが、賛否がはっきり分かれる点をもう少し工夫しては。

これに対して番組サイドからは以下のような発言があった。

  • 子どもが大爆笑してくれているかいつも気になる。情報なしで腹抱えて笑う、10、20年後に、子どもの頃はこれを見ていたという番組を作りたい。
  • 特に3月9日放送分はドッキリだけどリアルに嬉しく、楽しいを目指した。
  • バラエティでは忖度してやったことが笑いとなることがあり、今回はそれを逆手にとった。
  • 失敗を面白く見せることが大事と勉強になった。今の世の中を反映したドッキリをやりたい。
  • 「後味」という、忘れてならないキーワードをちゃんとやっていく。
  • 歴史が浅く試行錯誤で正解がまだ見えない中、次も見たいと思わせる企画、スタジオが生きていない等の反省点を踏まえ長く続く番組にしたい。

その他の、フジテレビ、あるいは放送全般についてのご意見。

  • 『ザ・ノンフィクション』でのタレントの整形手術は、ネットでも週刊誌でも非常に大きく取り上げられた。歯の噛み合わせとか非常にリスクが大きく、バラ色と話題にして危険が大き過ぎるとの専門家の意見を聞いた。もう少し慎重に扱うべきと、余りにも騒ぎになったので思った。

これに対して局サイドからは以下のような発言があった。

  • 整形ネタは本当に影響力が大きく、人権問題に関わることもあり慎重に扱う。影響力をもう一度考えて今後の番組作りに生かしたい。

5.4月改編について、報告。

6.その他

神崎副委員長、林委員、八木委員が、今年度をもってご退任となり、ご挨拶があった。

  • 次回は、4月10日水曜日12時から。
  • 審議番組は『直撃LIVEグッディ!』。

以上。