番組審議会
第477回 番組審議会議事録概要
1.開催日時
平成30年 5月9日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社
3.出席者
- 委員長
- :
- 但木敬一
- 副委員長
- :
- 神崎仁
- 委員
- :
- 梓澤和幸、岡室美奈子、林真理子、毛利衛、八木秀次、小山薫堂(リポート提出)
- 局側
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- 遠藤専務、岸本専務、松村常務、石原取締役、清水執行役員常務局長、塚越執行役員局長、若生局長、山口局長、金田局長、石原局長、矢延局長、齋藤部長、中山局次長、瑞光部長、西村週刊フジテレビ批評担当、山岸プロデューサー、織田編集長、川野編集次長、東園編成担当、門脇編成担当、柴崎室長、千葉部長、熊谷番組審議室
4.議題
- 『プライムニュース イブニング』
2018年5月1日(火)15時50分~19時00分放送 - 他に報告事項として、『直撃LIVE グッディ!』再調査後の再発防止策、および、「放送法撤廃を検討」とも報じられた、規制改革推進会議について。
審議番組について、各委員からは以下のような意見が出された。
- キャスターや専門家の深い洞察や鋭いコメントもなく、キャスターも生かされてない。番組選択の視聴者のモチベーションをどう喚起し番組選択のポイントをどこに置いているか不明。
- 政治的ニュースが少ない。ニュース番組がそれであり得るのか疑問。
- GW特集は、歴代皇后の表面的歴史をさらっとなでた印象。「本格ニュース番組」と銘打つ以上、情報番組と差異化して然るべき。
- 女性好みで「皇室物」、男性好みで「脱北のユーチューバー」を特集したと思うが皇室物は底が浅かった。貞明皇后がキャリアウーマン的感覚で宮廷改革したことを掘り下げたら面白い視点になったのに残念。
- 女性アナウンサーはとても落ち着いていい感じ。この番組はコメンテーターがいない分、MCがもっと発言していい。
- ニュースとは何か、突き止めようとせず「プライム」の言葉や意識が先行、報道番組なのにワイドショー的に広く物を扱い、BS『プライムニュース』が積み重ねてきたものとなじまない部分あり。
- 歴代皇后特集は今回では一番センスも視点もよかった。
- スマホのニュースはいい視点だし視聴者が身近に感じるテーマだったが、最後のキャスターの「私はスマホじゃなくてガラケー」発言はもったいない。
- キャスターの組み合わせに非常に期待。特に女性アナウンサーはトップアナウンサーとして育てるべき。媚びないで品が良くきちんとしている。男性キャスターは政治ネタ、政治巡る議論のタブーなき論点整理が長所なので番組の方向性としてそれを強烈に持つとよい。
- 政治問題を扱わないニュースはあり得ない。このGWは憲法記念日、連休明けは国会審議再開とまさに政治の季節で色々な問題が起こっていた。「憲法、内閣の様々な不祥事どう考えますか?」こそ最も興味深い題材なのになぜやらなかったのか?独自切り口と周到な準備さえあればぐっと上に出られる可能性あり。
- 開始1時間はやたらCMが多い印象、入口で視聴者を逃すのでは。
- スポーツニュースがほぼない。今回は清宮選手1軍デビューだけ。
- 男性キャスターの存在感がない。ゲスト対論が10~15分間あれば十分と思うが、そうでもしないと特色が出せない。
- 皇后特集がよかった。貞明皇后はとても興味深い方でそれを踏まえての特集ならなお良かった。
- 報道・ニュース番組を『プライムニュース』のブランドで統一するという新しい試みが面白く、とてもスマートな印象を受ける透明感あるニュースショーに仕上がっている。裏を返せば主張に欠け、癖がない。
- セットや画面情報デザイン等に凝っていることはわかるが、他のどの局も伝えられていない事実を一つでも多く伝えたい、そんな熱量こそが本当のプライムなニュースなのでは。
- 視聴者への注意喚起4点よかった。(1)エスカレーターでのキャリーバッグの危険性指摘(2)母親のながらスマホが子供に与える心理的、情緒的影響(3)金銭より謝罪を要求する新型クレーマー流行(4)はしか感染の危険性
- 憲法記念日に憲法の成立を取り上げ、男性キャスターが多少発言し存在感見せていた。今後、表面的ニュースと「PRIME FOCUS」との時間的バランスを考えて特色を出していけばいいと感じた。
- 男性キャスターの長所が分析されていない。人との対話こそが彼の才能。対談を中核的存在としながら、彼の他のキャラクターも把握してその価値を十分使いながらどう番組全体に生かしていくか。あの時間が相応しいかも含め、彼をどう生かすのかもう少し大事に考えた方がいい。
それに対して、制作サイドからは以下のような発言があった。
- 「明日が見える、未来がここにある」の統一コンセプトのもと、統一ブランドの旗艦番組として一つのニュースを現象面だけで捉えず、ある角度から鋭角的に物を捉え、深く掘り下げて見せていくのが狙い。
- 男性キャスターはその質問力が大きな売り。地上波でもそれを生かして売り出そうとしている。コメンテーターでなくあくまでも「記者」としてその人脈も生かし独自の視点で取材し、ニュースの新たな見え方を視聴者に提示したい。
- 天皇の企画はGWで1時間拡大した中で枠を設けた。来年の天皇退位に向けみんなが何か考えるきっかけになればという思いで作った特集。
- 日頃は政治ニュースを取り上げている。敢えて政治を扱わないとの意識はない。そういう印象を視聴者に与えてしまっているなら、もう少し見せ方を工夫したい。
- BS『プライムニュース』のイメージは「政治ネタ中心、テーマを絞っている、深掘りで、できるだけ編集点を作らない」であり、キャスターの切り込み方などが売りだが、地上波に移ると器が変わり新しい『プライムニュース』の特徴や色がまだ見つかっていない。4月改編で色々準備してスタートした番組で、ぜひ成功に導いていきたいし、現場は不眠不休で努力中。いつの日か再度番組審議会にかけたい。
5.報告事項
『直撃LIVE グッディ!』のインタビュー問題で、先月の番組審議会での委員からのご意見を受けて、再調査、ヒアリングをし直し、改めて発生の原因、再発防止策について報告。
- 前回の審議会の後、当日の放送に携わった約10名の関係者に直接番組担当者ではない情報制作局の幹部2名が、ヒアリングを行った。
- それにより、取材現場での取り組み、番組内での取り組み、番組内での連携の3つの対策を講じた。
放送法第4条の改正検討という問題も挙がっていた規制改革推進会議のその後について、民放連の対応も含めて、報告。
◇次回の第478回番組審議会は6月13日(水)。『直撃!シンソウ坂上』。
以上。