番組審議会

議事概要一覧へ>>

第470回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成29年 9月13日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 梓澤和幸、岡野光喜、岡室美奈子、小山薫堂(新任)、林真理子、毛利 衛、八木秀次
  • 局側
  • 宮内社長、遠藤専務、岸本専務、松村常務、石原取締役統括局長、清水執行役員局長、塚越執行役員局長、山口局長、金田局長、石原局長、矢延局長、立本部長、中山局次長、瑞光部長、高橋新週刊フジテレビ批評担当、小仲P、坪井金曜担当P、出口演出、筧D、坪田室長、佐々木部長、藤井編成担当、柴崎室長、小林部長、熊谷番組審議室

4.議題

  • 『バイキング』
    2017年9月1日(金)11:55~13:45放送

冒頭で遠藤専務より、9月から新委員となられた小山薫堂委員(放送作家、脚本家)の紹介があり、小山委員から「フジテレビに出入りするようになったのがおよそ30年前、当時の自由な気風と、その中でいろいろ我々が考えた企画を許していただけたという、その成果が今の自分に繋がっている。フジテレビのリブートの何か一翼を担えたら。」とのご挨拶があった。

審議番組について、各委員からは以下のような意見が出された。

  • 日野皓正さんの問題について。大前提として暴力はいけないが、有名人が目立つことをして犯罪者であるかのように袋だたきにするのはいかがなものか、それをしてどんないいことがあるのか。
  • 尾木ママのご意見なども紹介されたが、むしろ尾木ママなども交えて、たたかないでどういう道があの時あり得たかを知りたかった。
  • 一つの問題についてきちんと議論をガチでしていくという面ではいい番組だ。今の社会をもっと良くするために、何を議論するともっと豊かな方向に行くのかと、トピックを選んでいただけるといい。本質的な問題に迫ってもらいたい。
  • 情報番組とバラエティ番組の折衷版、より専門的な内容に特化した情報番組にするか、多彩なジャンルのゲストコメンテーターを採用してバラエティ番組の完成度を高めるのかをもう少し議論した方がいい。
  • 一方、新聞やネットのニュースをそのまま取り上げていて、オリジナルの情報源がない、MCの坂上さんのコメントに頼っただけの番組の印象。
  • 『とくダネ!』と全くネタが同じで、議論する時間は3倍という印象。
  • 坂上さんについてはいろいろなご意見があると思うが、彼の個性に賭けて、独断と偏見で彼の個性でぐいぐいやるこの番組はいい。
  • もう1人か2人、ちゃんとした社会学者か教育評論家の方を入れてもいいんじゃないか。当日は尾木ママのコメントだけではちょっと心許なかった。
  • この魅力は何だろう、そうか、坂上さんだなと。一昨年の日替わりMCの時の審議は、酷評だった。調整型では全然面白くないし、フジテレビらしくない。ちゃんと視点を持っていて、例えば日野皓正さんの話題の時に、一番まともなことを言っていたのは坂上さんだ。
  • あなたは社会を生きるのに何を一番価値観を持って現象を判断しますかということを突きつけていて、司会として自分の立場を明確に出している。ひな壇に並んでいる方は曖昧だ。
  • 討論の話し手に、当たり前のお為ごかしのことを言う人は要らない、おっ、こういう見方もあるのかと、意外性を持っている人をどれだけ探せるかだ。
  • 体罰容認論が40対60で40もあるというのを世論調査で見たが、あのように著名な人の体罰は教育のためにしようがないんだよと終わったり、あるいは両論併記で終わると、まずい。
  • 週刊誌やスポーツ新聞が報じた話題を芸能人プラスアルファで論じる、徹底討論という名の公開井戸端会議といったところか。
  • 全体を通じてMCの坂上忍始め出演者のトークは素晴らしい。ここまで軽妙で、それでいて毒づいているように見せながら嫌みがない。視聴者も、自分も井戸端会議に参加しているような気持ちになれる。
  • 不倫の話題について。この番組のみならず、取り上げ方がやや過剰。つるし上げて人格批判をする。人生そのものを葬り去ろうという傾向もある。他人の不潔は一切許さないという非寛容社会になっている。
  • 日野さんの問題の時に、坂上さんが、自分だったら最後に彼を持ってきたという話をしていた。昔コントでもしもシリーズがあったが、もし自分が日野皓正だったらどんな叱り方をしたかを再現してみるとか。
  • あるいは、叱り方に視点をずらし、今まで偉大な人達、長嶋茂雄さんとか各界の先駆者達はどういうふうに下の人を叱ってきたのかという企画、VTRを作って、皆で叱るとは何かを論じ合ったりするとか。
  • 既存の情報に乗っかっているだけなので、何かこの番組ならではの新しい視点のニュースがあっても。
  • 前回、一昨年の10月に番組審議会にかかっているが、確かに番組が回を重ねて独自のスタイルを作ろうとしているのではないか。
  • 坂上さんが以前より自由に自分の意見を言っている。MCとしても個性を発揮している。
  • 日本のトーク番組はどこかでお笑いにしちゃうか、最後はごまかしになっちゃって終わるが、この番組のいいところは反対意見の人が最後まで反対。トーク番組としては立派なものだ。ただ、不倫が多過ぎて、もったいない。
  • 社会的な問題を互いにトーキングする番組として成り立ち得るんじゃないか。社会の問題を社会の視点から皆で考えるという番組は意外にない。

それに対して、制作サイドからは以下のような発言があった。

  • 坂上さんは何とか自分が極端な意見を喋り、討論バラエティとして高度に成立させたいという覚悟、思いもあり、司会者でありながらプレーヤーになってもらっている。
  • 不倫を扱うのが多いとか、まるで聖人君子のようにミスした人を袋だたきにしているとか、そういった印象が強いのも事実で、我々もそこは日々、この体質の番組でいいのかに関して悩んでいる。
  • 一つのテーマが長過ぎるというご意見もあるが、一方で我々は、敢えて余白を作ろう、あと3分、5分、時間をとってみようと心がけている。そこにぽろっと本心が出てくるんじゃないかというところに賭けてやっている面もある。
  • 小山委員にもアドバイスいただいたが、そこから新しい企画、まだ見ぬ方向性、コーナーを作れたらいい、作るべきだと思っている。
  • 一人一人のレギュラー陣のもう少し踏み込んだ意見が出るところまで粘る、あるいは引き出す場を作るということで、テスト的にだが、若干人数を減らしたり、専門家を固定にしてみるなどしている。

5.その他、報告事項

その他の、フジテレビ、あるいは放送全般についてのご意見。

  • 加計学園と森友の問題は、政治家の不正を取り上げていく時に欠かせない。北朝鮮のミサイル問題、核実験の問題以降、ぐっと比重が小さくなってしまったが、問題としてはまだ解決されないまま。ぜひ継続的に関心を寄せていただきたい。
  • 『コードブルー』を面白く拝見している。第1シーズン、第2シーズンとかなり趣が変わったので賛否両論あると思うが、安達奈緒子さんの脚本で、山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香という3人を揃えて、それを非常に上手く生かしている。
  • 今までの27時間生番組は、だらだら感が否めないが、今回は大半を収録対応したことによりこれまでにないしっかりとした構成で、純粋に日本の歴史を気軽に知ることが出来て良かった。

『ワイドナショー』、『ノンストップ!』について、裏取りせずネット情報を間違って放送した件のその後について、報告

  • 7月14日のBPO放送倫理検証委員会で、二つの番組に関して審議入りするかどうか討議されたが、審議入りせず。しかし、テレビの番組制作とインターネットの安易な利用とは根深い問題であるということで、委員長談話が公表される。(※番組審議会開催翌日の木曜日に、BPOのHP上に公表された。)

『とくダネ!』「容疑者映像取り違え」、「京都府議夫婦間トラブルで事実誤認」の2件について、担当部局より、その経緯と再発防止策について報告があった。但木委員長より、残り時間が短い上、非常に大事な問題なので、ご意見を聞くのは次回の番組審議会にと、持ち越された。次回に向けて、下記発言あり。

  • 今ご説明を伺がったが、事実関係の詰めでちょっと甘いところがあるのでは。担当者のその時の心理状況なども含めて、きちっとしたヒアリングの記録を残すべきだ。
  • 提言だが、こういうことに対して、いわば起こった結果を見て裁判官的に裁いてもしようがない。そうではなく、担当者の環境というかそうせざるを得なかった状況を掴めるかどうかということだ。

その他

  • 10月改編について、説明。
  • 次回の番組審議会は10月11日(水)。課題番組は「みんなのニュース」。 以上。