番組審議会

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第459回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成28年 7月13日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 石井英夫、岡室美奈子、林真理子、毛利衛、八木秀次
    (梓澤和幸、大石静:レポート提出)
  • 局側
  • 亀山社長、遠藤専務、鈴木専務、稲木専務、岸本常務、崎山取締役
    西渕取締役局長、石原執行役員局長、金田局長、塚越局長、平松局長、小田局長
    中山担当部長、宮道部長、瑞光部長、高橋新週刊フジテレビ批評担当、保原担当部長
    南條編成部、柴崎室長、小林部長、熊谷番組審議室
  • オブサーバー
  • 寺尾顧問

4.議題

『世界の何だコレ!?ミステリー~世界の謎をもっと間近で!3時間SP~』
2016年7月6日(水)19:00~21:54放送

議題番組に対して各委員から以下のような意見が出された。

  • ちょっと長いが、ながらで見る分には、緩急があって退屈しないでいいのかなとも思った。
  • 中国の華山に登ったものは、ここでドローンを飛ばしたというナレーションがあったが、何かクレジットが入っているような感じがした。この番組自体でドローンを飛ばしたのか。
  • 実際に取材に行った素材と、どこかで入手したと思われる素材、そして再現フィルム、どれが独自の素材でどの辺が入手してきたのか、私には判断出来ないようなものになっていた。
  • 番組全体を貫く一貫したコンセプト、テーマを感じ取ることが出来ない。
  • 私としては、テレビにしか出来ないことをやってほしい。具体的にはどういうことかというと、作り込むということではないか。単にその現象を見せていくだけではなくて、その背景、歴史、それにまつわる知識など様々な豊かな情報量を番組の中で展開出来る。情報量と構成力でテレビは勝負してほしい。
  • MC、ゲストの発する言葉が決まり文句で、「凄いな」とか「すげー」と言う。私も見ていて凄いとは思うが、もう一つ別の新しい感嘆句を用意しておいてくれと、出演者に伝えてほしい。
  • 玉手箱のようにごちゃごちゃいろんなものが出てきて非常に面白く見た。
  • ディレクターも、とぼけたような感じで、通訳も、仕事しているのかどうかわからないような感じを延々と流すのもこの番組のいいところ。なまじ整理したりしていないところが、雑多な楽しい雰囲気を作った。
  • ミステリーと言っていて、ミステリーが何もなかった。しかし、ミステリーにしようと思えば出来たテーマがたくさんあった。
  • 評価が分かれるのは、テレビの見方。しっかり見た人は割と長いと思うし、何かしながら見ていた方は面白いと思うと感じた。
  • 世の中はなぜということの集まり。好奇心と素材の処理の仕方によっては大変面白い番組ができる。むしろ、小中学生のレベルの視点で作ってもいいのではないか。
  • スペシャル番組は、局側の都合がいろいろある。しかし、局側の都合だけで長くしていいという問題でもないので、視聴者の立場でスペシャル番組の意義をもう一回再検討してもらうといいのではないか。
  • 海外から買い付けたビックリ映像は、それなりにインパクトはあったが、一つ一つは短く、そこにドラマはなく、当然のことながら底は浅く、辛かった。
  • 独自取材によるお宝コーナーなどは、どれも面白かった。京都の「金庫を開ける」ネタも、結局何も出てこなかったけれど、どうなるだろうと、ワクワクした。
  • ラストの「この番組はミステリー現象を肯定するものではなく取材の基づき客観的な立場で構成しております」のスーパーは、どういうリスクを想定してのクレジットなのか。
  • ただ軽く驚くだけでなく、あるいは驚かせるだけでなく、その対象の存在意味を今一度考えてみる、それが日本に住んで日々を過ごす視聴者にとってどのような意味を持っているのか、と考えさせるナレーションや、スタジオのトークがあっても良いのではないか。
  • せっかく3時間物をやったのだから、レギュラーの1時間物の視聴率を上げる方向で作用してくれるといい。来週もこのおもちゃ箱を開けてみようと思わせたかどうかは、3時間物が上手くいっているかどうかの分かれ道だ。

これに対して、制作サイド、局サイドからは、

  • 番組がレギュラー放送になるに当たり、ミステリーという言葉をどこまで広義に広げるかが課題で、視聴者の反応を感じながら、ここまではジャンルを広げると視聴者の期待しているものではないんだ、などと分析して放送をしてきた。
  • 確かにミステリーじゃないものもあるが、非日常的な体験、日本で生活していると馴染みのない場所、単純に不思議だとか凄いと思える現象を、紹介し、楽しんでもらいたいという考え。
  • 「まさにおもちゃ箱」というように見ていただけたのは非常に良かった。確かに一本軸がないのは反省点で、今後の課題として、研究し、やっていきたい。
  • この番組は子どもと親がメインターゲットで、難しくなり過ぎると子どもたちの興味が一気に削がれる。子どもたちが、わあ、不思議だな、へえ、そうなんだと思うのがどこまでなのか。さらに一歩、情報を足すならばどこまでなのか。次なるステージとして、子どもたちのワクワクやドキドキも担保しながら、大人の知的欲求もかなえられるような番組にしていきたい。
  • あの場所にいらした方にドローンを飛ばしてもらって、その映像をお借りして、クレジットを載せた。借りて飛ばしてみたというのが正確だが、そこは配慮が足りなかった。
  • もともと非科学的なことを多く扱っている番組なので『何だコレ!?ミステリー』という「!?」をつけたタイトルにしている。その一環で、番組の最後に、「この番組は非科学的なこと信じさせたりするものではない」ということのエクスキューズの手法の一つとして、クレジットを入れている。

その他、課題番組以外の放送について、委員からいくつかの意見があった。

  • 改憲問題はほとんど争点として意識されないまま参議院選挙の投票が行われた。人々の政治的関心が高まるこの時期に、報道機関は課題を設定する社会的責任があったが、この責任はどの局、どの新聞と言わずマスメディアによって十分に果たされなかった。この失点を回復するため、国会における憲法審査会の議論を待たずに機敏に報道センスを働かせ、夏の間に、改憲を掲げる政党間の表裏の交渉を報道してほしい。最高の決定権者である国民が日本の現在と未来を熟考するために、情報についての目をくもらされることがあってはならない。皆様の奮起を期待したい。
  • どうも日本中のメディアが間違っているんじゃないかと思っていることが一つある。改憲勢力が3分の2取ったというのだが、日本国憲法を廃止して新しい憲法を作るんだという意味での改憲派が3分の2あるとは到底思えない。憲法は一条一条直すので、どの条文を直そうとしているのかという、その一条一条の話だ。それ以外の憲法論というのはない。それがそのまま放送されて、これでいいのかと思っている。事は憲法の問題、もう少しきちっとした理解と、きちっとした報道をやるべきだ。