番組審議会

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第456回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成28年 4月13日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 梓澤和幸、石井英夫、大石静、岡室美奈子、林真理子、毛利衛、八木秀次
    (但木敬一委員長はリポート参加)
  • 局側
  • 亀山社長、遠藤専務、鈴木専務、稲木専務、崎山取締役、西渕取締役局長
    小川執行役員局長、清水執行役員局長、塚越局長、平松局長、小田局長
    中山担当部長、宮道部長、鞍馬部長、中部室長、高橋新週刊フジテレビ批評担当
    金田担当局長、夏野室長、和田部長、濵野プロデューサー、木月・総合演出
    藤井・編成担当、柴崎室長、小林部長、太田番組審議室

4.議題

■『優しい人なら解けるクイズやさしいねSP 芸能界やさしい王決定戦』
2016年4月5日(火)19:00~20:54放送
■BPO『勧告』『見解』事案に関する社内対応進捗状況についてほか

冒頭で遠藤専務より、4月から新委員となられた岡室美奈子委員(早稲田大学教授)の紹介があり、岡室委員から「80年代に20代であった私にとって、フジテレビは特別な局、こういった大役が私に務まるかどうか甚だ心許ないが、精いっぱいやらせていただきたい。」とのご挨拶があった。

議題番組に対して各委員から以下のような意見が出された。

  • ここで取り上げるのは、人間のしたり顔の知識ではなくて、人生の深い知恵が込められている、そういうクイズ番組だ。
  • 2時間SPは長い。タレントさんたちがいっぱい集まってワアワア言うオープニングは、ちょっと胃にもたれた。
  • ようやく"人間"のクイズ番組ができたかなと。今までは知識との戦いなので"ロボット"だった。21世紀になり「地球に優しい」とか「何とかに優しい」という言葉を使うのだが、ようやく「優しい」という日本語が人口に膾炙して、文化になってきている。
  • 正解とか数値で表すのが一番難しい部分である「優しい」には(本来)指標がないが、番組内の指標はどうやって決めて何を意味しているのか。
  • 電車の中でもギスギス、階段でも突き飛ばされるというような日々の中で、確かに優しさは求められている。そういう社会の中で人々に優しさを問いかける、意味を持った番組を作ろうとする制作陣の苦心と意欲が伝わってくる作品だ。
  • 意欲、方向性はわかるが、優しさという言葉は、最後に一言、凄いね、優しいねということがあって初めて伝わるもの、10回も20回も100回も繰り返されると言葉が陳腐化する。
  • 『優しい人なら解ける…』というタイトルだけで、相当数の視聴者をはじいているのではないか。
  • 今、知識を単に披露するのではなく、新しい発想が問われる時代になってきている。大学入試もそうだ。それをクイズ番組にしたこと自体は評価したい。
  • 大きく言えば、日本人の精神性のようなものを肯定していく番組。日本人とは何か、日本人の良さは何かというところに目が向いている今、時宜にかなった番組のはずだ。
  • 例えば凄く意地悪な人とか冷めた人を出すとか、優しさを絶対素直に喜ばないような人を出すのはどうか、そういう形でバランスをとり、相対化していくのが健全なのではないか。
  • 日本人は気配りの民族、余り意識せずに人の心を思いやった行為をする。この番組は身近にあるやさしさを集めて、心配りを再認識させようとするもので、日本人のアイデンティティー探しの番組だ。
  • この番組は、やたらに飛び飛びでの放送。3月は年度末だから仕方がないが、見ようと思って期待している人を裏切っているのではないか。

これに対して、制作サイドからは、

  • 知識やIQとか、頭がいいとかよく知っているということで解くものではなく、発想力、心の中にある、気持ちとか愛とか優しさ、そういった発想力で解けていくクイズ番組にできないかというのが元々のスタート。
  • 誰かが誰かのために何かをするということが、日常の中に秘められていたりする。それらを広い意味で「優しい」という言葉でくるみ、クイズ形式で伝えて行く。ほかのクイズ番組では余り取り上げない目線、切り口を一つのポイントとして考えてやっている。
  • このクイズは、解くと非常に気持ちがいいらしい。日常に隠れた優しさを見つけられること、それ自体を気持ちいいと感じて、「優しい」と言いたくなり、スタジオで「優しい」が増幅していった感がある。
  • 「優しさIQ」に関して。そこまで優しさの新しい指標が番組としてできたと言えるほど精度があるものではない。改善していきたい。

などとの説明があった。

その他、放送、番組へのご意見として

  • 世界で一番貧しいウルグアイ前大統領を招聘したことについて。ホセ・ムヒカさんは、政治家、高級官僚、学生たち、子どもたちに向かって「何があなたにとっての幸せか」と問いかける、この大統領の言葉は素晴らしい。これを企画された当該番組のスタッフの方の目の付け所、勇気、着眼点に心から敬意を表したい。

などの発言があった。

また、BPO人権委員会から人権侵害があったとの勧告等を受けた事案に関して、その後の社内における対応について、勉強会などの経過報告があった。