番組審議会

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第450回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成27年 9月9日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 石井英夫、大石静、寺尾睦男、林真理子、毛利衛、八木秀次
    (リポート:梓澤和幸、岡野俊一郎)
  • 局側
  • 遠藤専務、稲木専務、崎山取締役、西渕取締役局長、小川執行役員局長、
    清水執行役員局長、塚越局長、平松局長、小田局長、中山担当部長、
    宮道部長、鞍馬部長、高橋新週刊フジテレビ批評担当、織田統括担当局長、
    成田プロデューサー、島本ディレクター、増本・編成担当、柴崎室長、
    小林部長、太田番組審議室

4.議題

「終戦70年ドキュメンタリー 私たちに戦争を教えてください」
2015年8月15日(土)19時00分~23時10分放送

議題番組に対して各委員から以下のような意見が出された。

  • 『私たち』という言葉が非常に良かった。若い者が謙虚にこれを聞きたいというのが表れていて、大変いいタイトルだ。
  • 終戦70年、各局がいろいろな番組を放送したが、これは出色の出来。
  • 非常に素晴らしい番組だが、見ておいて良かったものと、余計だったものの濃淡がはっきりしていた。
  • せっかくいい番組なのに、視聴者の目線を無視している。4時間見られる人はなかなかいない。
  • ペリリュー島で投降した元日本兵の土田さんが、助けてくれた元アメリカ兵に会って、「私を撃たなかった、ありがとう」と言うと、「僕の方こそ怖かった」と答えて抱き合う。よくこれを撮った。このシーンを見て、この番組を見て良かったと心の底から思った。
  • フジテレビならではの、今を時めく若手俳優を起用して戦争のことを語ろうという番組。同じ年代の芸能人が生の話を聞いて、見ている若い人達をも導いていくという番組、番組の意図がそこにあるとするならば成功したのでは。
  • 戦後70年の8月15日にこういう番組を放送されたこと自体に意義がある。高く評価。
  • この戦争では310万人の日本人が命を落とした。この310万の命が、今の日本の平和で豊かな暮らしを築いているんだということを、誰かに語ってほしかった。
  • どんな過酷な状態に置かれても死ぬまで戦おうとする覚悟をナビゲーターの男性の2人は「洗脳?」と表現していた。僕は教育の問題として受け止めてほしかった。僕が受けた教育では、極めて当然のこと。それだけに逆に教育の恐ろしさを知ってほしいと思った。
  • 日米の戦闘機乗りの、人を殺した苦しみの言葉を生で掘り起こした取材の努力に感謝。加害体験の掘り下げにこそテレビメディアの今後のテーマがある。
  • 体験者のインタビュー等、豊富な記録フィルムをもとに作った点は、作品として非常に評価。
  • このタイミングにしかない、素晴らしい企画。この証言をしてくれる人が戦後80年の時に語れるかといったら、もう語れない。もっと早くできなかったかといえば、余りに生々しい時期には、この人達は語れなかっただろう。
  • 映像が非常にリアル。米軍の撮っている映像中心だが、死体の場面も隠すことなく出した。これだけリアルな映像は今までなかったのでは?70年経ったから我々も見られるんだろうという気がした。

制作者からは、

  • 「何を伝えるか」、「誰に伝えるのか」を考えながら番組を制作した。
  • 今しか聞けない体験者の言葉、それをまず伝える、後世に残すという心づもりで取材した。戦後70年、若者だった戦争体験者が90歳、パイロットの原田要さんは今年100歳になる、今まで語れなかったことが山ほどあった方達がいる。高齢になった戦友が亡くなり、そして私達を含め、何も知らない若者たちが増えている。その使命感みたいなものが体験者を突き動かし、絶対に語れなかった言葉を幾つも聞かせてもらえたのではないか。
  • 4時間10分、実尺で200分強、枠としての長さの一方で、4時間見てもらう視聴者の視点で、もう少し番組をわかりやすく、もう少し気楽に見られるブロックを入れてみるとか、そういった配慮や演出部分が、若干欠けていたかなという、反省点はある。

などの説明があった。

以上