番組審議会
第435回 番組審議会議事録概要
1.開催日時
平成26年3月12日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社
3.出席者
- 委員長
- :
- 酒井真喜子
- 副委員長
- :
- 但木敬一(レポート提出)
- 委員
- :
- 梓澤和幸(レポート提出)、石井英夫、大石静、岡野俊一郎、神崎仁、寺尾睦男、
林真理子、毛利衛(レポート提出)、森英恵(レポート提出) - 局側
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- 遠藤専務、鈴木常務、大多常務、港常務、箕輪常務、崎山執行役員局長、小田局長、塚越局長、
岸本局次長、立松部長、木佐部長、高橋新・週刊フジテレビ批評担当、堤制作担当局長、
味谷専任局次長、宮下副部長、栩木主任、村上編成部、北村室長、泉担当部長
4.議題
「わ・す・れ・な・い “巨大津波” 3年後の新検証」(3月9日日曜日16:00~17:25放送)
に対して各委員から以下のような意見が出された。
- フジテレビの誇れる学術的にも教育的にも優れた番組。前回より津波のメカニズムがさらに掘り下げられている点など非常に評価できる。
- この番組はマイクを突きつけて何かを話してもらうのではなく、初めから出演者がものを言うというスタイルで、淡々と事実を伝えていく見せ方には大変好感が持てた。また、方言が生きるほど現地の人とのコミュニケーションが深まっており、長期間にわたる心的交流の後が伺える。
- 各地で大きく異なる巨大津波について、様々な角度から捉えた映像を時系列的に配し、複合的に検証することで津波を科学的に究明する試みを成功させた点は特にすばらしいと感じた。
- どうすれば津波から身を守れるかという大命題に応えようとの姿勢が番組全体に貫かれており、予測できない津波への対処や今後の街づくりにも活かすことができる貴重な実証映像と考えられる。
- 津波は一つとして同じものがないという言葉を深く噛みしめる思いだったが、途中で入るCMがとても明るく感じられ、番組内容にそぐわない。特に自局のバラエティの番組宣伝についてはもう少し気配りをしたらどうかと思う。
- 番組の最後に放送された3年経ってやっと口を開いたという女性は、ようやくしゃべる気になったところで、まだ心はまとまっていないと思われる。その女性の言葉を一方的にまとめて番組を締めるのは安易に感じるし、検証番組として終わり方に違和感が残る。
- 福島第一原発事故のことを扱わなかったのは、3年目となる震災報道の総括としては十分ではないと感じた。
- せっかくこれだけの番組を放送しているのに5局しかネットしていないのは寂しい。我々日本人が身近なことには興味を持つけれど、離れたことはすぐ忘れてしまう表われかもしれないが、キー局としてもっと働きかけてもいいのではないか。
- また、今後の番組全体に対して、
「次々出てくるいろいろな現象や新しい研究のディテールを追いかけ番組として進化していくことは大事だが、視聴者は常に素人であり、我々も素人であった時の、原点でもある素朴な疑問などを常に忘れないでやってほしい。」といった要望も出された。
これらの意見に対して制作者側から以下のような説明があった。
- 現地の人が撮影した映像を集めるのもそうだが、1回目の放送からほとんど同じディレクターが制作に携わっている。被災者との向き合い方を承知していることもあるし、同じ人間が継続することでどこの映像が足りないとか、ここの津波の検証がされていないなど次の展開が生まれると考えている。
- 津波を研究している方たちはデータを豊富に持っているが、それに合致する映像は意外と入手していないことが多い。こちらの映像が研究の補足・補完的なものになるということで信頼関係も深まっており、今回新たにエッジ波という概念を紹介することができた。
- 東京で暮らしていると本当に薄くなっていくこの3年をどうやって伝えていくかについて、ようやく口を開いた女性の存在が一つの重みとして捉えられるのではないかと考え、番組の最後で象徴的な意味合いを待たせた。
- この番組は津波の検証特番というテーマで制作しているので、福島第一原発事故のことを扱っていないが、他の報道特番やレギュラーの情報番組では、被災住民や汚染水対策の問題などにかなり時間をかけて取り組んでいる。今後も局としてきちんと向き合って取り上げていくつもりだ。
- ご指摘のようにネット局が少ない点は大いに反省したいが、フジテレビとしては1年半前からYouTubeに60本余りの記録映像をアップロードしており、恒久的に配信を堅持していこうと考えている。
以上