番組審議会
第431回 番組審議会議事録概要
1.開催日時
平成25年10月9日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社
3.出席者
- 委員長
- :
- 酒井真喜子
- 副委員長
- :
- 但木敬一
- 委員
- :
- 梓澤和幸、石井英夫、大石静、岡野俊一郎、神崎仁、
寺尾睦男、林真理子、毛利衛(レポート提出)、
森英恵(レポート提出)、八木秀次 - 局側
- :
- 亀山社長、遠藤専務、鈴木常務、大多常務、港常務、
箕輪常務、崎山執行役員局長、小田局長、塚越局長、
岸本局次長、立松部長、木佐部長、
高橋新・週刊フジテレビ批評担当、情野編成部、
北村室長、泉担当部長
4.議題
放送45周年のアニメ「サザエさん」10月6日(日)18:30~19:00放送
に対して各委員から以下のような意見が出された。
- 黒電話・公衆電話・箱型テレビ・ガス湯沸かし器など、今はどこにも存在しないようなスタイルのままやり続けているところ。そして、時代も人物の成長も止まっているところが普遍的で、いろんな人たちの気持ちを投影できる魅力があると思う。
- 1話1話は全く新しいストーリーじゃなく、誰しもが記憶に残っている四コマ漫画から核のところを上手く掬って忍ばせているが、ほとんど神がかっているくらい絶妙な配分だと思う。
- アニメ番組としては、数分の一話完結の話が3題とその前後のCMがうまくバランスがとれているうえ、リズム感ある個性的なオープニングとエンディングや、そのバックに全国の観光地やオリジナル映像が流れるといった細かい配慮にも感心する。
- 言葉遣いが非常にきれいなのに衝撃を受けた。「何々しなさいよ」と言うところを「何々なさいよ」と言う美しい日本語はずっと残していってほしい。
- 私たちが時代の中で失ってきた人と人とのコミュニケーションや触れ合いといったもの。その中にある日本人の優しさや穏やかさなどホッとさせるものが「サザエさん」にはある。そして、これが日本の家族の原風景だと頑固に主張しているが、その原風景が日本人の心の中にある限り番組は続くだろうし、ある意味で心の健全性を図る尺度になりつつある。
- 「サザエさん」の他愛のない失敗やそそっかしさを微笑ましい笑いにするスタイルは、今の若者層を狙ったバラエティのどやしの笑いについて一度振り返る材料を与えるものではないか。
これらの意見に対して制作者側から以下のような説明があった。
- 家族で見てもらえる番組作りを第一に考えている。そのため、1話に必ず1回は茶の間でテーブルを囲むシーンを入れて、個々の体験を家族が共有し別の人の視点からも見ることで、いろいろな年代の視聴者に理解してもらえるように意識している。
- 一話のアニメで四コマ漫画の原作を最低1話から数話組み込んでいる。原作は6477話あるが、アニメで使えるものは2000話ぐらいなので、2年に1回というルールで使いまわしている。
- これまでの7000話のうち4000話ほどを2名の脚本家に書いてもらっているが、今後はプロデューサーもシナリオの作り方を学びながら、若手の脚本家の育成に努めるようにしていきたい。
- シナリオは通常プロデューサー、脚本家と演出等で打合せるが、「サザエさん」では文芸担当が2名加わり、日本語の使い方やキャラクターのしゃべり方が正しいかチェックしクオリティアップを図っている。
- アニメでは時代を限定すると、「あの時代はこうだった」という設定に縛られてしまうので、基本的には「今」という設定で放送している。ただし、携帯電話などを持ってしまうと、原作の良さを生かせない場面もあるのでやや違和感はあるかもしれないが、「サザエさん」の世界ということで理解してほしい。
以上