番組審議会
第426回 番組審議会議事録概要
1.開催日時
平成25年4月10日(水)正午より
2.開催場所
東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社
3.出席者
- 委員長
- :
- 酒井真喜子
- 委員
- :
- 梓澤和幸、石井英夫、大石静、神崎仁、寺尾睦男、
林真理子(レポート提出)、毛利衛、八木秀次
4.議題
二夜連続スペシャルドラマ「女信長」 4月5日(金)21:00~23:12、4月6日(土)21:00~23:30放送
に対して各委員から以下のような意見が出された。
- 主演女優の背も高く凛として堂々とした姿は、はまり役だったし、合戦シーンの迫力もリアリティがあり、原作を超えるドラマだと感じた。
- 次の展開がどうなるのかというワクワク感やドキドキ感もあり、エンタテイメントとしては非常に良くできている。
- 信長といわれる肖像画がやや女性的に見えることを考えると、史実と異なる奇抜な発想も成立する、と思えるほど楽しめた。
- 泰平の世を創るには女性であることが非常にふさわしい、というメッセージが貫かれたドラマだった。
- 信長を女にすることで、今の日本人の社会の中で期待されている女性の能力や、歴史的に見て変わってきた男女の役割を見せるという挑戦的な深い意味があるのではないかと思った。
- 『女信長』というタイトルだけで、面白そうだから見ようという人と、どうせおどけているのだろうから見ない、という人に二分されたように思う。
- 2時間以上の番組を二夜連続で見るのは大変なので、連続ドラマとして放送した方がよかったのではないか。
- 信長が平和を強く愛したことと、比叡山焼き討ちなどの残虐性との落差は、情念としても論理的にも辻褄が合っていない感じがした。
- 長時間でも飽きずに見られたが、視聴者が日常気付かない価値観や脚本家の独特の哲学をチラッと見せるなどの工夫がほしかった。
- 女は男より弱く、天下よりも男の方が大事という狭い女性観が浮き立っていて、少し淋しいと思えた。
また、討ちとった首を掲げたり晒すシーンについて、「海外で放送する際は、日本人が残虐だという印象を与えるので避けた方がよい」との意見と、「外国でもこれ以上のことがあったのは事実なので、堂々と見せても問題ない」と、賛否が分かれた。
これらの意見に対して制作者側から以下のような説明があった。
- 信長が女という設定は、本格的な時代劇ファンからすると、トリッキー過ぎるのではないか相当議論したが、これだけの豪華キャストならば見てくれるのではないかと判断し放送した。
- こういう大型の単発物は、番組全体の元気を出すためにも、フジテレビの存在感を示すためにも必要だと考えている。視聴率のことも調査して、視聴者のハートを掴むようなものに今後もチャレンジしたい。
- 女なのに信長として生きろという親の言い付けに従わなければならなかった女性の生き様を描くとともに、泰平の世を願う気持ち等を前面に出した物語にしたつもりだった。しかし、女でなければならなかった理由について、ご指摘のように描ききれなかったものがあったかもしれない。
以上