INTERVIEW #11 橘啓輔役 椎名桔平さん

ここまで、撮影に参加されてきてのご感想をお願いします。

僕は2ndシーズンからの参加になるので、最初は“どうしたら、1stシーズンからの出演者やスタッフの方に溶け込めるかな?”と考えながら撮影に入りました。1話の撮影では、橘をどういうキャラクターにしようかという思いもありましたし…。でも、2話の撮影ぐらいから、徐々に馴染んでいけたのではないかと思います。また、1stではいなかった全く新しい役を頂いたのは、意味のあることだと思いました。1stには黒田先生(柳葉敏郎)という、印象的な指導医がいて、橘はそのキャラクターに代わる立場になりますから。黒田先生とは違うキャラクターの橘が、どうやってフェローたちと向き合っていくのか…を、考えながら演じていました。

先のインタビューで“椎名さんは、最初から馴染んでいるように見えましたよ”と、おっしゃった方がいらしたのですが…。

いやぁ、橘は…特に初回は、突然ぽっと登場して、引っかき回す様な芝居でしたし、僕もあえてつかみ所のない男に見せたいということもあって…。1シーズン、演じてこられたみなさんに比べたら、やっぱり緊張していたと思いますよ。

橘は、どのようなキャラクターに?

最初は“こんな医師っているの?”というぐらい軽妙なタッチの方向に、思い切ってふってみました。でも、それが出来たのは、その後に三井(りょう)や西条先生(杉本哲太)との過去という背景が用意されていたからです。

橘を演じる上で、注意されていることは?

初回からご覧下さっていた方の“ちょっと不思議な男だな”という印象は、中盤ぐらいに過去が描かれたことによって“ああ、そういう人なのか”と変化したと思います。そこからは、救命医チームの一員として存在できるように心がけています。最終回に向って、橘に残されている伏線的な要素は、三井との関係がどうなるのか? と、いうことですね。

指導医としての橘は?

僕は、橘は黒田先生や西条先生のように、もとから突出した腕のある医師ではないと思うんです。じゃ、なんで指導医にまでなれたかと言うと、やはり経験を積んできた中で“割り切り方”を身につけることが出来たからだと思います。そうすることで、自分の弱点を乗り越えたんですね。人には必ず弱点があって、フェローたちも、それぞれに抱えています。橘は、フェローたちの弱点をよく観察していて、それを分かった上で指導しているんじゃないかと思います。

役を離れて、椎名さんがフェローたちの卒業認定をするとしたら?

どうでしょう? 藍沢(山下智久)、白石(新垣結衣)、緋山(戸田恵梨香)たちフェローの中で、客観的に見て一番出来が悪いのは藤川(浅利陽介)ですよね? 僕だったら、藤川には追試のようなことをさせるとか…。ただ、みんな医師ですからね。フライトドクター以外の道もたくさんあると思います。研修を通していろいろな経験をしていますから、良い医師にはなって欲しいですね。

ドラマを通じて、ドクターヘリに触れてみて…いかがでしたか?

1stが放送された時まで、僕はドクターヘリというものをよく知りませんでした。漠然と、医師を乗せて患者を運ぶぐらいのイメージです。2ndに参加することで、ドクターヘリがどのように運用されて、現場で医師がどのように患者を処置して運ぶのかを学びました。病気や不慮の事故などに遭った方にとっては、救急車で病院に搬送されるよりは確実に早く、ましてや医師が直接現場で治療まで施してくれるので、頼りになる存在だと思います。とても優れた医療システムだということは、間違いないですね。ただ、日本では、まだまだ全国に普及されているわけではないと伺っています。導入のための費用や維持費の問題もありますし…。また、日本はドクターヘリだけでなく、様々な医療問題を抱えていますからね。『コード・ブルー』が、日本の医療に関する問題提議にもつながっていれば良い…とも、感じています。

最終回に向けて、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

10話では、過去に例がないような事故が発生します。そんな事故に、翔北の救命チームがどう対処していくのか? が、見どころになると思います。スケール的にも、これまでのストーリーにはないぐらい大きなものです。10話、そして最終回と、放送までの限られた時間の中で撮影しなくてはならないので、僕ら出演者やスタッフのみなさんも、肉体的にも精神的にも集中して挑んでいきます。これまで見て下さったみなさんを、決して裏切ることのない最終回になると思いますので、是非、楽しみに見て欲しいですね。

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