かつては離島やへき地の無医村に20年以上勤務し、頼るべき医師のいないつらさや不安を誰よりも知っている。もともと内科医だが、たった一人でいくつもの修羅場をくぐりぬけてきた経験から、外科的なオペも一通りこなし、かつ高い診断能力を持つ。救命センターのスタッフをあたたかく見守る。
10年前、田所の尽力により、この翔北救命センターにドクターヘリが導入された。当時はみすぼらしいヘリポートに小さなヘリが止まっているだけの救命センターだったが、黒田を呼び寄せ、10年という年月をかけ今では県内有数の救命センターにまで育て上げた。それゆえ黒田の右腕切断の事故では、この翔北に呼び寄せたことに責任を感じている。