2017.7.24 MON. UPDATE

『コード・ブルー』をご覧になって、今のお仕事を選んだのですね?
  • 太田黒『コード・ブルー』1stシーズンから2ndぐらいまで、僕は医学生でした。その頃の救急医療のイメージは、1人のスーパードクターがいて、それを支えるスタッフがいるという感じでした。ドラマを見たら、病院で患者さんを待っているのではなく、一分一秒でも早く現場に駆けつけるというチームでの攻めの救急医療があることを知って憧れました。医師としては7年目ですが、フライトドクターは2年目になります。
  • 重  山私は出身の飛騨高山で看護師をしていた6年目の夏に『コード・ブルー』1stに出会いました。それを見た時に、やはり助けを求める患者さんのもとに出向く攻めの看護という仕事もあるんだと突き動かされたんです。そして、次の年には今の職業に転身しました。
実際に今の仕事に就かれていかがでしたか?
  • 太田黒ドラマのようなこともそうでないことも、現場では両方あります。毎日のように命の危機に瀕した患者さんを目の前にする緊迫感は想像以上でした。ただ、実際に働いてみて『コード・ブルー』のDVDをもう一度見てみると、いろいろなシーンや言葉に共感出来る部分がたくさんあると思いました。
特に共感されたことはありますか?
  • 太田黒僕たちが頑張っても助けられない患者さんはたくさんいらっしゃいます。ドラマでもそう言った現場のリアルがキチンと描かれていました。そんなキツイ経験をしながらも救命の努力をし続けて、一つの命でも救おうと頑張る姿は、まさに僕たちと同じだと感じました。
  • 重  山冴島ナースが“こんな私でもヘリに乗っていていいのか?”というシーンがありました。私もヘリに乗り出したら、悩んだり葛藤したりすることがあって、冴島と同じことを思ったりもするんです。そんな冴島ナースに藍沢先生が言った“(それでも)俺は明日もヘリに乗る”という言葉に勇気をもらえました。実際に働くと、ドラマとリンクすることは多いですね。
重山さんは、どのような悩みを?
  • 重  山ドラマでも描かれますが、やはり自分の家族やプライベートでの悩みと仕事の葛藤ですね。医師やナースも人間なので、良いことも悪いこともあります。だけど、“今日のヘリ番”になっていたら、そこに全力で向かわなければなりません。それがドラマの登場人物たちと同じだと思えるんです。
  • 太田黒僕も働いていると医療シーンはもちろんですが、重山さんと同じように医師たちの葛藤に目が向くようになりました。
  • 重  山セリフが“いかにもドラマ!”という感じではないんですよ。同じ医療者としてとてもリアリティーがあるので、より共感出来るんですね。
仕事をされていて、大変だと思われることは?
  • 太田黒大変なのは、多分みなさんが思われている以上に現場では時間や医療用の物が限られているということですね。病院の中とは全く異なった環境で治療しなくてはいけません。その中で、怪我や急病で、まさに命が途切れかかっている方をドクターヘリで病院に連れ帰って…。そうした患者さんが退院されるときに、ヘリの前で一緒に集合写真を撮ったりすることもあります。そんな時は大変さを忘れて、この仕事をしていて良かったと思えます。
  • 重  山フライトナースは普段は救急外来で仕事をしています。ですので、医師たちのようにICUや救命病棟で患者さんに関わることはありません。フライトナースと患者さんは現場から搬送して初療までで終わってしまいます。でも、以前に“○月○日のフライトナースさんへ”という患者さんからの手紙を頂いたことがあります。その時は、とても嬉しくて、もっと頑張らなければいけないと思いました。
こうして3rdシーズンが作られて、
またお二人の仕事が取り上げられることになりました。
  • 太田黒自分たちのリアルな日常や葛藤、そしてどんな仕事をしているのか?  を、多くのみなさんに知って頂けるのは嬉しいです。
  • 重  山誰かに職業を聞かれた時にフライトナースと答えると“あっ!『コード・ブルー』の?”と、すぐにわかってくれます。すごく影響力の大きいドラマなので、また取り上げて頂けるのは私も嬉しいです。
3rdシーズンで楽しみにされていることは?
  • 太田黒1st、2ndの主要メンバーたちが、それぞれに成長していると思いますが、その中で悩みや問題に直面するのではないでしょうか。前のシーズンとは違った葛藤の中でのストーリーは、僕の立場とも近いものがあると思いますので、新たな共感を持てるのではないかと楽しみにしています。
  • 重  山私は憧れではあったんですけど、今では勝手にフライトナースとしてはドラマと同じ年齢という感覚があります。ですので、やはり冴島ナースたちがどんな成長をしているのか?  また、元気をもらえると思っています。

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