「空は無限、その無限の空に揚がるのを見ると
本当に楽しい。」
凧づくりは、まず2年間寝かせた篠竹を、
凧の大きさに切り揃えて凧骨を作り、
巧みに糸で縛って骨組みを仕上げていきます。
「一番難しいのが色付け。
にじみやすいから最も気を使うところです。」
かつて市原市には、男児の健康と出世を願って、
凧をあげる風習があり、盛んに作られていました。
「その伝統文化を次の世代へ残すことが自らの使命。
世に残していくには、
子どもに教えなくてはいけない。
そのために地域の学校に無料で教えに行っている。
自分の生きがいです。」
高澤さんはそう言います。
この日、工房に見学者がありました。
時間の許す限り受け入れ、丁寧に指導します。
「郷土に昔から伝わる凧だということを、
子どもたちが覚えてくれればそれで満足。
生きている限りは続けたいと思います。」
郷土を愛する、その思いが上総角凧に乗り
大空に舞います。